─翌日─
昨日起きたことを話そうと思った。
助けて貰ったのに理由を話さない のは何か違う気がするから。
黄
…ももくっ、
…声が震える、
ちゃんと伝えられるかな。笑
桃
どうした?
黄
…昨日、起こったこと…、
黄
話しますっ…、
桃
ん、分かった。
桃
辛くなったらやめていいからな、
黄
…はい、
黄
ありがとうございます、ニコッ
久しぶりに人の温もりに 触れた気がした。
…僕は人の温もりを 求めていたのかもしれない。
今思えば、
実の親じゃ無かったからこそ 母親も少し遠慮していた気がする。
人の温もりって、いいな。笑
僕は全て話した。
僕のせいで母親が亡くなったこと。
母親が亡くなってから、
父親が虐待を するようになったこと。
両親が実の親じゃなかったこと。
父親に捨てられたこと。
路地で誰かに殴られたこと。
全部全部、話した。
黄
…てな感じです。笑
桃
っ……、
桃
…ごめんな、気づけなくて。
黄
…大丈夫ですよ。笑
桃
…本当にごめんな、ポロッ
黄
ももくっ、?!
黄
泣かないでください…、!
何故、桃くんが泣いたのか 分からなかった。
…僕は人の心が無いのだろうか。
黄
…(撫
僕は桃くんが僕にしてくれた ように、背中を撫で続けた。
桃
…ポロッポロ
桃くんは口を手で抑えて、 必死に声を抑えて泣いていた。
…強い人はこうやって泣くのか、
と、人の泣き方を見て学習する 僕は本当に最低だと思う。笑
桃
…ありがとな、黄。
黄
いえ、
桃
…俺、黄がどんな状況で、どんな心の状態なのか知らないのに、
桃
"無理に笑うなよ"
桃
なんて馬鹿なこと言ってごめんな。
黄
…いいんですよ、分かるわけないんですから。笑
桃
こりゃ偽りたくなるわ、w
桃
人に話せるような悩みじゃないし。
黄
大丈夫ですって、!
桃
…でも俺が、!
黄
…自分を責めないでください。
桃
…黄、
黄
僕は路地で桃くんが助けてくれて嬉しかった。
黄
…死にたい、なんて思っていたけど、
黄
桃くんとなら生きていてもいいかなって、夢見ることが出来た。
黄
…それだけで十分なんですよ。ニコッ
黄
人は他人の気持ちなんて分からない。
黄
だから、自分想像でしか無いんです。他人の気持ちは。
黄
だけど、!
黄
その中で僕を救うことが出来た桃くんは、僕にとってスーパーヒーローですよ。ニコッ
桃
…黄、
桃
ありがとう。ニコッ
桃くんはそう言って 僕の頭を撫でてくれた。
僕の頭を撫でた手は、 僕の手よりずっと大きくて。
脳の片隅に眠っている 何かに似ているものを感じた。
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