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青桃付き合ってる設定

桃side

ないこ

(...あれ?)

夜の個人配信を終え、 自身の部屋からリビングへと向かうと そこにはソファで気持ちよさそうに、寝転がるいふの姿があった。

ないこ

(...これ、完全に寝てるな)

ないこの配信中に 家の冷蔵庫から取ったのか、 ソファの前の机には 某お酒の缶が散乱している。

配信前に突然遊びに来てから、 ずっと飲み続けていた彼を思うと 酒癖の悪さに頭を抱えたくなった。

...元々、冷蔵庫に酒を用意している 方もどうかと 自分では思っているのだが。

ないこ

(それでも、あのお酒を見た瞬間の笑顔を見せられちゃうと...ねぇ)

彼にとことん甘い自分に、 目の前に散らかる缶たちに、 ため息を吐きながら、 ないこは空き缶を全て 大きなゴミ袋に捨てる。

ないこ

(まぁこのゴミを明日、まろに捨てさせれば良いでしょ)

時刻は既に夜中に入ろうとしている。

今眠っているのなら、 彼が遊びに来た目的としては 泊まることが挙げられるだろう。

連絡も無しに泊まりにくるメンバーをそう簡単に受け入れる自分、 本当甘いなぁ、 なんて思いながら袋の口を結ぶ。

ないこ

(...さて、あとは)

袋を玄関に置いて リビングに戻ってくると、 ないこは未だ仰向けで眠る彼に 再び視線を移す。

そして布団も掛けずに クーラーを付けっぱなしの状態で 眠るいふの肩を何度か叩いた。

ないこ

ほら、まろ

ないこ

ここだと風邪ひいちゃうから、
2階のベッドで寝な?

いふ

んぅ...

ないこ

(駄目だこりゃ...)

珍しく疲れているのか、 小さな呻き声を出してもなお 目を開けないいふ。

体格差もあって運べない、 と判断したないこは 2階に上がってブランケットを 持ってくる。

花柄をしたそのブランケットを いふの体にそっと掛けてあげると、 心なしかいふの表情が緩む。

ないこ

(全く、世話かけさせやがって...)

まるで親と子の様な言動だが、 ないことしては 案外満更でも無くて。

幼児退行するいふを手助けするのは ないこの役割だ、と 自分でも理解している。

ないこ

(じゃあ俺も2階で寝よ)

凝った肩を伸ばし、 大きな欠伸をしながら 階段までの道を踏み出そうとした__

その時、だった。

ないこ

...うわぁっ?!

突如服の裾を掴まれ、 ないこは思わずソファに倒れ込む。

ないこ

ちょっ、まろ?!

驚いて顔を上げると、 いふが気持ちよさそうに目を閉じる 表情が一番に目に入る。

ないこ

(寝ぼけてるじゃん...)

何食わぬ顔でないこを 抱き枕の様に抱きしめるいふに、 ないこは身動きが取れなくなった。

ないこ

(いやいや、どうするよ)

ないこ

(まろ起きないし...)

ないこ

(っ、何より俺の心臓がもたない...!//)

思っていた以上に 男らしい体つきのいふから 抱きしめられている状況に、 ないこの心臓が跳ねる。

いくら恋人同士とはいえ、 普段からキスもそうしない ないこにとって、 突然の体の密着は少々気恥ずかしい。

どうにかして彼から離れようと、 胸の辺りを押してみたが 寧ろ抱きしめる腕の力が強くなって さらに抜け出せなくなってしまった。

ないこ

(うぅ...眠い)

そして現れた睡魔。

普段なら既に寝ている時間帯なので、 登場するのはもはや当たり前と 言っても良いだろう。

しかしこの状態で寝てしまえば、 明日いふが起きた時に 「...何これ」と気まずい雰囲気に なりかねない。

元々回転の速い頭を使えば、 より眠気は彼を襲う。

ないこ

(もう、駄目かも...)

彼の胸板に手を置いて、 自然と落ちていく瞼を受け止める。

意識はそう遅くない内に どこかへ遠のいていった。

いふ

あれ、ないこ...?

ないこ

...おはよ、まろ

結局朝まで抱き枕として 働いていたないこは、 目尻を擦りながら見上げるいふに対してぶっきらぼうに応答する。

いふ

なんでないこ抱きしめ...

いふ

あ、もしかして俺寝ぼけてた?

ないこ

...そうだよ、当たり

ないこ

いい加減離してもらっても良い?

いふ

あ、ごめん

慣れない寝方だった為、 肩やら腰やら痛いないこは いふから解放されると最初に あちこちの体を伸ばす。

ブランケットを退かしながら 体を起こしたいふは、 ぼんやりとした瞳をないこに向けた。

怪訝そうに見返すないこと 柔らかい笑顔で見るいふ。

ふと二人の視線が交わる。

ないこ

なに?

いふ

んーん。なんでも無い

ないこ

...?

いふの行動に首を傾げたないこは、 朝一番すぐにキッチンへと向かう。

いふ

...あ、待ってないこ

ないこ

ん?

すると今度はいふに呼び止められた。

ふと首だけ後ろを振り返ると__

小さく口と口が触れ合った。

数秒触れ合った状態が続くと、 やがてゆっくりと 唇が離れていく。

ないこ

...な、なっ!//

いふ

...ありがと、ないこ

いふ

今、身体痛いでしょ?

いふ

今日は俺が朝ごはん作るよ

顔を赤く染めたないこの額に そっと口づけ、 頭をぽんぽんと優しく撫でる。

ないこ

...ん、あとゴミ捨てよろしく//

いふ

はいはい

照れ隠しに昨日の夜に決めた 頼み事を彼に言う。

いふは小さく苦笑すると、 キッチンへと一歩踏み出した。

ないこ

(...甘い、なぁ)

たったのキス一回で 許してしまいそうになる いふに対しての自分に。

角砂糖いくつ溶かしても 足りないくらいの甘ったるい空間に。

...それでも結局許してしまう自分は、 既に彼の虜だったのだろう。

そう思いながら、 ないこは彼の匂いが残るソファへと 飛び込んだのだった。

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コメント

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ユーザー

あばばばば……←溺れてる? あ、あ、あ、あ……←カオナシ? 好きですこの物語←語彙力どこいった?

ユーザー

め、あの、え?((語彙力 好きです(唐突)

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