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その微妙に張り詰めた空気を察したのか、隣に座っていた零が、 ふとスマホを取り出して画面をチラリと確認した。 ほんの少しだけ眉をひそめて、何かを決めたように深呼吸をする。
そしてーー。
立花零
そう言って、さっと立ち上がる零の動きは、まるで風のように軽やかで、でもどこか計算されている気配もあった。 「またね!」と手を振りながら、 すっと店の出口へと向かっていった。 その姿を見送りながら、私は心の中で思った。
〇〇
スタバの席が少し静かになって、 零が去った後の空気を凪がぽつりと破った。
凪誠士郎
私は少し寂しさを感じながらも、笑顔で答えた。
〇〇
玲王が軽く肩をすくめて言う。
御影玲王
凪はそんな玲王の言葉に、少し微笑みながらも言った。
凪誠士郎
御影玲王
〇〇
すると、玲王がふっと笑みを浮かべてスマホを取り出した。
御影玲王
私は驚きつつも、嬉しさが胸に広がった。
凪誠士郎
二人のそんな姿に、私も勇気を振り絞りスマホを取り出す。 画面を操作して、QRコードを読み取って、ボタンを押した。
数秒後、スマホに通知が連続で届く。
私はふと顔を上げて、二人の方を見た。 凪はいつもの無表情のままだけど、どこか少し優しい目をしている。 玲王は少し照れくさそうに、スマホをしまった。 この時間が、ずっと続けばいいのに——。 そんな気持ちを胸に、私は静かに笑った。
画面に浮かぶ通知が、まるでこれから始まる物語の合図みたいに感じた。 まだぎこちなくても、この一歩が私たちの距離を確かに縮めていく——。 新しい友情と、それ以上の何かがゆっくりと動き出す瞬間だった。