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主。
主。
主。
主。
この神社で働くようになったから数日が経ち、 オレもそろそろAkの補助がなくても屋敷中を掃除することに 慣れてきた頃、仕事中にPrが声をかけてきた
Pr
Mz
Mz
Pr
Pr
Mz
オレは掃除に使っていた道具を軽く片付け、 Prを連れて中庭に向かって歩いて行った
オレは中庭に到着し、キョロキョロと辺りを見回しながらPrに尋ねる
Mz
Pr
Mz
Prが指さす方向を見ると、そこは木の上で、何らかの鳥の巣がある
Mz
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Mz
Mz
Pr
Mz
Ktyがいつもお守りがわりに持ち歩いているTgの形見だという かんざしを思い出しながらオレがそう答えると、Prは目を見開いた
Pr
Mz
Mz
Mz
Pr
少し驚いた様子でそう返したPrは、なんだか悲しそうな顔をしていた
Mz
Mz
Pr
Mz
オレは鳥の巣がある木の一番低いところにある枝に足をかけ、 よいしょと体を持ち上げて木登りを開始する
木登りだなんてそれこそ数年前にやったきりだが、 体というのは意外と幼い頃に覚えた動きをずっと記憶しているもので、 思ったよりもスイスイと巣があるところまで登ることができた
Mz
鳥の巣を覗き込んでその中身を確認すると、 小鳥たちのお腹の下に親鳥が持ち込んだであろうPrが言っていたものと 特徴が一致するかんざしがあった
ゴソゴソとそれを取ろうとすると、 遠くの方からピーピーと少し大きな声で鳴く鳥の声が聞こえてきた
Mz
Pr
Pr
Prがそう言い終わる前に親鳥が巣の前に到着し、 オレに対して威嚇するようにピーチクパーチク鳴き叫ぶ
Prが心配しながらオレのことを見ているが、オレはあまり気にしてなかった
Mz
親鳥
Mz
Pr
親鳥
Mz
オレがそう尋ねるとその親鳥はちょこんとオレの肩にのり、 オレがかんざしを取り終えるのを大人しく待っている
動物と会話しているオレを見て、木の下でオレを見守っていたPrは 目を点にして固まっていた
Mz
オレはかんざしを回収し、Prに手を広げてもらえるように頼む
少し唖然としながら手を皿のようにしたPrの手のひらにかんざしを落とし、 オレは自身の肩に乗っている親鳥に感謝の言葉を告げる
Mz
親鳥
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Pr
Mz
Prの話に相槌を打ちながら木から降りようとして、 オレは重要なことを思い出した
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
どうしようどうしようと二人で話すこと数分、縁側をAt様が通りかかった
At
Pr
Mz
At
Pr
Prが事情を説明し、真顔で話を聞いていたAt様は途中で吹き出してしまった
At
Pr
Mz
At
瞳に涙を溜めながら爆笑しているAt様を見ていると、 心の奥の奥のところがほわほわするような気がする
Mz
At
Pr
At
At様がそう言うと、次の瞬間彼の体がふっと浮かび上がり、 オレがいるところまでやってくる
At
Mz
オレが言われた通りにおとなしくしていると、 彼はひょいっとオレを抱き上げて姫抱きにした
Mz
At
Mz
オレは彼の着物の裾をしっかり掴み、ぎゅっと目を瞑る
すると、ふふっ、とAt様が笑う声がして、 数秒後にはとん、と彼が着地をする音が聞こえてきた
At
彼はおどけた声でそう言うと、 オレの体を優しく中庭の中心にある野点の上に下ろした
Mz
At
Mz
Pr
Mz
Pr
彼なりの感動の表れなのかぎゅうぎゅうとオレにくっついてくる Prに笑っていると、At様がオレをじっと見ていることに気がつく
Mz
At
At
Mz
At
オレの言葉に頷きながら大人びた笑みを浮かべる彼は悲しそうで、 そんな彼を見ていると自分の心の中の長年鍵をかけているところが ぎゅっと締め付けられるような気がした
Mz
Mz
Mz
At
At
オレたちに背を向けて部屋に戻ろうとする彼の背中に、オレは声をかけた
Mz
At
Mz
オレが彼に感謝の言葉を告げると、 彼は少し目を見開いてこちらをじっと見つめた後にこりと優しく笑う
At
その笑顔には嘘も偽りもなさそうで、 オレの中の彼への感情を少しだけ塗り替える
Mz
部屋に向かって歩いていく彼の後ろ姿をオレが見送っていると、 Prが声をかけてきた
Pr
Pr
Pr
Mz
Mz
Pr
そう言ってキラキラした笑顔を浮かべたPrは、 心底幸せそうに手元のおしゃれなかんざしを眺めていた
Pr
Pr
Prは何かをぶつぶつとつぶやきながら、 何よりも愛おしい記憶をそっと覗き込むような微笑みを浮かべて そのかんざしを胸元でぎゅっと握り込む
Pr
静かに一人で遠い記憶に浸るように目を閉じているPrは、 慈しみと愛しさと悲しさがちょっとずつ混ざっているような、 そんな複雑な表情を浮かべる
まだ彼との交流が浅いオレではPrが今まぶたの裏で思い描いている人物が 誰であるのかなんて全くわからないし皆目見当もつかないが、 本当に大事な人を思い浮かべているんだろうなということだけはわかった
Mz
オレがここ数日この神社に住んでいる3人を観察した結果だが、 彼らにはそれぞれとても大事な人がいるようだ
AkがPrのことを大事にしているということはすぐにわかったが、 先ほどオレを手助けしてくれた神様とPrに関しては 彼らが大事な人と聞いて思い描く人物が誰かというのはよくわからない
Mz
Mz
Pr
Mz
Mz
Pr
Mz
オレは今度おやつを少し分けてくれるというPrに 笑いながら感謝の言葉を返して、神社をきれいにするべく仕事に戻った