祐樹
作り替えられたって…なんだよ…
フラン
お前に言うのは酷かもしれないが
フラン
力の説明をするのには避けて通れないことだから言うぞ
祐樹
ああ
祐樹
(どうせそれも作り話なんだろ…)
フラン
日本には公にされていない宇宙人研究組織があった
フラン
それは国も関わっていた大きな研究だ
祐樹
いた、ってことは今はねぇってことかよ
フラン
そうだ
フラン
20年ほど前に宇宙人の襲撃に遭い、研究所は破壊されたからな
祐樹
ふーん。それで?
フラン
俺達の仲間もそこで何人か捕らえられていた
フラン
そして取り出された核のひとつがお前の中に移植されたのだ
祐樹
(それ本当だとしたら気持ち悪いな…ていうか…)
祐樹
当たり前のように言ってるけど、核ってなんだよ
フラン
俺達の種族にある力の源のようなものだ
フラン
ひとりひとりが半分の核を持って生まれ…
フラン
対となる核を持つ者と心を合わせれば強大な力を発揮する
祐樹
まさかそれで隕石を破壊しようって?
祐樹
そこまですげぇ力があるのかよ、その核には
フラン
そうだ。ただし、対となる核と合わさった場合だが…
祐樹
随分ファンタジーな話だな
祐樹
おもしれぇとは思うけど、俺の中にそんなものねぇって
フラン
胸に、覚えのない傷跡はないか?
祐樹
――っ!
祐樹
(なんで、そんなこと知ってんだよ…)
フラン
まあ傷跡がなくとも、お前に核が埋め込まれているのは間違いない
祐樹
…やけに断定的だよな
フラン
俺にはわかるんだ
フラン
お前の中にあるのは俺と対になる核だからな
祐樹
マジかよ…
フラン
俺も初めは人間の中に核があるとは信じられなかった
フラン
だが、こうして連絡を取り合えているのは核が引き合ったからだ
祐樹
じゃあ、俺とお前が心を合わせれば隕石を破壊できるってことか
フラン
その通りだ。どうか協力してほしい
祐樹
そもそもさ、お前、宇宙人のくせになんで日本を救おうとするわけ?
祐樹
お前には日本が滅ぼうが、地球が滅ぼうが関係ねぇよな
フラン
それは…失いたくないものがそこにあるからだ
祐樹
それってなに?
フラン
それは、なるべくなら言いたくないな
祐樹
あー、そこまで設定考えてなかったかー
祐樹
まあいいや。この遊びはここで終わりってことで
フラン
待て!これは遊びなどではない!
フラン
なぜそんなに疑うんだ
祐樹
宇宙人とか核とか、そんな話急に聞かされて信じるやついるか!
フラン
だが全て本当のことなんだ!
フラン
急がないと本当に隕石が日本に落ちるぞ!
祐樹
そんな大ごとならとっくにニュースになってなきゃおかしいだろ!
フラン
地球人政府の考えはわからん。だが、本当なんだ!
フラン
どうしたら信じてもらえる?
祐樹
なら証拠でも撮ってくるんだな
祐樹
今まさに隕石が近づいてるって動画でもあれば信じてやるよ
祐樹
(まあそんなもの普通の人間が撮ってこれるわけねぇけど)
フラン
わかった。すぐに撮ってくるから少し待て
祐樹
は?すぐ撮ってくるって…
祐樹
(おいおい、まさか本当なのか…?)