俺は今日も夜空を見ては君を探している。
たくさんの星の中でかけがえのない君を探すんだ。
あぁ、今日の夜空はあの日の空によく似てるや。
俺は虎田星(とらたせい)
その辺に居るような中学生。
星
ハァー、今日も普通だったな

蒼也
んなこと言うなよせいー

星
お前はいいよなぁ、彼女もいるし毎日楽しいだろ?

こいつは蒼也(あおや)苗字は忘れた。っていうか聞いたことない。こいつは一体何者なんだか、でも近くにいて悪い気はしない。
蒼也
でも、お前だって好きなやつくらいいんだろー?
今日こそ白状しろよー

前言撤回!やっぱこいつ全然良い奴じゃない!そんなこといえるかってんだよ
星
……言わないといけねぇやつか?

蒼也
あったりめぇだ!

星
…同じクラスの霧野光

蒼也
あぁー、か弱くて思わず守りたくなっちまうよなー。

星
お前とったら許さねぇぞ

光
なんの話ししてるんですか?

蒼也
あ、じゃあ俺用があるから。

星
えっ、ちょっお前!

彼女は霧野光(きりのみつ)俺の好きな女だ。彼女はよくひかりと呼ばれるからあまり名前の漢字は気に入っていないらしい。
光
どうしたんですか?せいくん

星
なんでもないよ、光

光
キャッ、

A子
あ、ごめんなさい!…えーとひかりさん!(確か連絡網ではこう書いてあったよな)

光
え、私はみt…

A子
じゃあね!
(それより急がなきゃ!)

光
…(・ϖ・ベ-)私の名前はみつだよ!

星
そうふてくされるなって

光
いっその事名前をひかりにしてくれればなぁ、なんて

星
ほんとだな(笑)

星
なぁ、蒼也

蒼也
どうした?

星
俺、光に告ろっかな

蒼也
え?マジ?!

星

星
まじ(๑////๑)

蒼也
そうかー、頑張れよー

星
…うん、ありがとな

星
よおみつ、おはよ

光
あ、せいくんおはようございます。

星
あのさ、放課後教室残ってくんない?伝えなきゃいけないことがあんだけど、休み時間忙しくって

光
わかった、じゃあまた放課後ねー(なんだろ)

星
あぁ、悪ぃな

光
ううん、じゃあ授業始まるから後で

星
うん。

星
あ、光。

光
せいくん!
……それで、伝えたいことって何?

星
あの……さ、
おれ…光の事が…………
好きだ。

光

光
え……?

星
それは、友達としてとか、そんなんじゃない!女として、異性として好きなんだ!

光
そっ……か。
嬉しい!私もせいくんのことが好きです!

星
ほ、本当か?!

光
うん、でも…ね、
私……実は病気で、余命が短いの。

星
え?
後、どれだけ一緒にいられるの?

光
かなりの難病でね、病院でも、なおせないからせめて楽しんでってことで、私…ここに居るんだ。もう、助からないの。

光
余命は……2ヶ月

星
そう…なんだ。そうか、
でも、良かった、会えなくなる前にこの気持ちを伝えられて、

そう言葉をこぼしたせいは涙で溢れていた。
光はもう心残りはない、そんな顔で笑っていた。
光
せいくん!おはよう!

星
うん、おはよう!

蒼也
え?おいせい、こっち来い

星
?うん

星
じゃあ後でね光

光
うん!

蒼也
お前もしかして…

星
なんだ?

蒼也
成功したのか?告白

星
…あぁ

蒼也
そうなんだ、良かったな

星
まぁね
光の所行っていいか?

蒼也
あぁ、いいぜ

光
二人ともなんのお話してたのー?

星
普通の話だよ

光
ゴホゴホゴホッ
えホッ、ゴホッ

星
最近咳多いな

光
ゴホッゴホッ、そうだね、でももうおさまったみたい。

星
そうか

光は最近咳が多い。
俺はわかっていた。これは病気のせいなんだと、もうそろそろ、お別れなんだろうか。
でも、これは光には言わない。
きっと心配するからな
星
もう授業始まるから後でな

光
うん!

星
光ー?

光
ゴホッゴホッ、ゴホゴホゴホッ、ケホッケホッ、

星
光…?

光
ご、めんせいくん、保健室行っていい?

星
うん、俺も一緒に行くよ。

あぁ、この時が来てしまった、きっと入院するんだろうな…
保健の先生
光さん、あなたの病気のことは、あなたの両親に聞いていたわ、もう、入院する時期ね。

光
そう…ですか…

星

保健の先生
ごめんなさいね、私には直せないのよ。医者でもないしね。病院まで送るわ。
とらたくん、着いてきてくれるかしら

星
はい…

学校から病院まではそう遠くなかった。
でもその時は、とても、長く感じたんだ、ずっと、光はせきこんでいて、吐血しそうな勢いだった。
光
うぅ…

星
………。

もうきっと長くはないんだな。
そう思った途端、急に光が病気という実感がわいてきた、そして、もう一緒には、居られないことがわかってしまった。
保健の先生
先生、光さんは大丈夫なのでしょうか

医者

医者

医者
…申し上げにくいのですが、もう、先は長くないかと

星

保健の先生
そう、ですか…

光の母
みつ、大丈夫?

光
う、ん平気、心配しないで?痛みはないから

光の母
そう…ごめんね、お父さん、いなくて、寂しいでしょ?

光
平気だよ?

光の母
そう?あら、もう仕事が始まっちゃうから、また明日来るわね

光
うん…バイバイ

星
みつー、来たぞー

光
あっ、せいくん

蒼也
俺もいるぜ?

光
あおやくん

星
みつ、具合はどうだ?

光
うん、平気だよ。いつも通り、ただ、もう体が麻痺しだして、あまり、動かないんだ…

蒼也

星
そうか、まぁ、まだ昨日入院したばかりだしな。

蒼也
そうだよ、リハビリしたりすりゃなんとかなるよ!きっと

光
うん!頑張る

星
あ、俺これからバイトだから、じゃあな、また明日来るよ

蒼也
おれもー

光
うん、じゃあねー

そんな感じで1週間過ごして、おれも、あおやも、病気なんてすぐ治るんじゃないかと思ってた。
そんなある日
星
みつー、また来たぞー

光
せいくん!

蒼也
なんと今日はプレゼント持ってきたぞー

星
おい、それ俺が言いたかったんだけど

蒼也
まぁまぁ、いいじゃないか

光
ふふっ、何持ってきたのかな?

星
じゃーん、星のほん持ってきたぞー

蒼也
しかも結構分厚いやつー

光
わぁー!嬉しい!
…でも、私…本は…

星
ほら、前にあおやがリハビリ頑張って体動かせるようになれ、的な事言ったじゃん?

蒼也
だからさ、この本読むために一生懸命手を動かして、リハビリしてもらおうと思ってね

星
しかも俺らの名前なんか星っぽい漢字使ってるじゃん?俺なんてまんま星だし

光
なるほどー、わかった!頑張って1人で読んでみる

蒼也
おう!

星
頑張れよー

星
みつー、きたぞー、

光
あ、せいくん!

蒼也
何ページか読めたか?

光
ううん、まだ全然、完全に麻痺し始めたから、なかなか動かなくって、

星
じゃあ、少しだけ手伝ってやるから、頑張って読んでみろよ、まずは顔あげないとな、

光
あー全然首動かないかも

蒼也
寝違えちゃうぞー

光
今更でしょ?

星
まぁ、気にすんな?初日だしな

おれらがいないあいだも、必死に指を動かす練習をしていた。
星
おーい、みつーきたぞー
って、お前!

光
あ、せいくんにあおやくん、みて!ページめくれるようになったよ!
夏の大三角形とか覚えたよ!

蒼也
おおー、すげぇじゃん!

星
よく頑張ったな、読み終わる日もそう遠くないかも?

光
大袈裟だよー

光はそう言っていたけど、俺は本気でそう思った。
そして、とうとうその時がきた。
星
みつーまたきたぞー

光
あ…星…く、ん

星
みつ!?

そのときのみつはとけつしていて、いかにも苦しそうだった。
そう、あれからきょうでもう、20日がすぎていた。
光
うっ…せいくん…ナースコールを…

星
わかった!

医者
これはもう、長くありませんね。
前も言いましたが不治の病なんですよ。

あー、もうすぐ2ヶ月経つのか、
なんでいつもみつの親がいない時に、
星
そうですか、

医者
これからこんな日が何日も続くでしょうね。

星
分かりました…

医者
ですが、手術はする必要があるので、親御さんに連絡をしておいて下さい。

星
分かりました。

みつのかあさんはすぐにきた、仕事をすぐに抜け出してきたそうだ。
光の母
あ、あなたが星くんね?

星
はい、そうです。

光の母
いつも私がお見舞いに行くと光が楽しそうにお話してたわ、世界で1番大切な人だって

光の母
あの星の本はあなたがくれたのね、いつも枕の横に置いてあって、私が帰ると、頑張ってページをめくっている所がよく見れて、とても真剣な表情だったのよ

星
そうですか…

そう話すみつのかあさんのほほからは涙が流れていた…
医者
手術が終わりました。

光の母
どうですか、光は

医者
まあ、せめて本を読むくらいは出来るかもしれないですね、大事そうに枕元に置いてありましたよ

星
そうですか、
良かったです。

光
ん?ここどこ?

医者
あ、起きたみたいですね、中に入って大丈夫ですよ

光の母
ミツ!

光
お母さん…

星
光、大丈夫か?

光
うん。

光
あと、星くん、本、読み終わったよ!

光
せいくん、もう私、ダメみたい。

星
そんな事言うなよ、まだ生きれる

光
ううん、人には寿命があるもの、仕方が無いことなんだよ?だからね

星
……………

光
私が死ぬ前に、約束して?

星
あぁ…!なんでもいってくれ、必ず守る

光
私は死んだらあなたをずっと見守り続けます。笑顔の素敵なあなたを。

光
でも、泣いてるあなたは見たくない、笑顔でいつも楽しそうなあなたが好きでした。

星
…………

光
…だから、私が死んでしまっても、いつか、立ち直れる時が来たら、笑っていてください。

星
あぁ、やくそくする、すぐには無理だけど、いつか、笑える日が来たら、今よりも、もっといい笑顔を見せてやるよ、

星
だから、だから、

星
ずっと……空で…見守っていて…ほしい

光
はい、笑顔のあなたが好きでした。
今も、これからも、あなたが好きです。死んでもあなたを忘れま…せ…ん…

星
俺も…

光
私は空からみまもっています…だから……気が向いたら、空を見上げてください……そこには、
きっと…私がいるから……

星
みつ?みつ!光ーー!

星
この本…もう意味ないな…

星
そうだろ?光

星
だって、お前はもう居ないんだ…

光
そんなことない!

星
?!

星
光…?

光
その本は私が生きていた時支えになってくれた!

星
!

光
病気で辛い時読んでいるだけで希望が見えた!

星
っ…!

光
本を読むのなんて普通の人からしたら当たり前の事だったかもしれない

光
でも、私には、私からしたら、

光
大事なことだった。
そんな本を意味ないなんて言わないで

星
ごめん…光…

光
いいの

光
またね、星…

星
待ってくれ…俺はまだ!

星
お前と……

星
返事をしてくれ!

光
見て!この星!
すっごい大きいんだって!

光
病気が治ったら星のことについて勉強したいなー

光
べが、あるたいる、でねぶ…

光
難しいなー、デネブって侑斗をよろしく!の人じゃん!

光
あはははっ

光
せいくん大好きだよ!

星
……っ!

星
みつ…

星
よし!

いつかみつにほしのこと、もっともっと教えてやるんだ。