隠し事

…五条先生は、隠し事が多い

俺は昔から人の感情の起伏や 他人から向けられる 好意や嫌悪に敏感だった

そのおかけで今まで割と 人付き合いを上手くやってきたけど、高専に来てからは 通用しない事があった

その最たる例が、 五条先生だった

アイマスクの所為もあってか、 五条先生は感情が読めない人だ

普段のおちゃらけた様子が 本性なのか、あるいは敵と対面 した時の冷徹な顔が本性なのか

本当に分からない。 今だって本当は辛いんじゃないか、学園に戻れば上の人たちに グチグチ文句を 言われるのではないかと、 気が滅入ってるんじゃないか

先生は表情にも態度にも出さず 飄々としてる。

…俺はどうしてか、 それが酷く、寂しく、 腹ただしかった

俺の発言が予想外だったのか 五条先生はポカンとした後 口元だけに笑みを浮かべて

なんてお決まりの台詞を言った

…いつか先生が、アイマスクを外してただの「五条悟」として 俺と向き合ってくれるだろうか

そんな日が来ることを 願いながら 数歩先行く先生の背中を追った