作者
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彼と、最後に会ってから。
満月を一度、見た。
彼と会ったその日、
世間ではブルームーンが来る、と騒いでいたものだから、
嫌でも彼と最後に会った日が分かった。
ゆう
あの後から彼に会えてない。
忙しいのは分かってる。
彼を、感じたい。なんて。
嫌われるかな。
そんな私は今日も、
期待を抱きながら、「irregulardice」に行く。
いつもの黒いドレス。
ドレスに負けないように。
ー心の奥の、私に潰されないように。
派手なメイクをする。
目元に色を吹き込んで、
瞳を縁取る羽を上げる。
仕上げに、赤を唇に。
ゆう
ゆう
ゆう
言わない。
言わない。
大丈夫。
私は、寂しくない。
癖を、繰り返しても。
胸にある、もやもやが消えない。
消したくない。
消したら。
昔の私に、戻ってしまう気がして。
彼がいないか、探しながら進む。
藍色の髪を。
あの長身を。
まろい瞳を。
一目でいいから。
見たくて。
感じたくて。
あわよくば話したい。
叶うわけないだろうな。
分かってても、願ってしまう。
ゆう
もう、一番奥のバーまで来てしまった。
なにも頼まないのも癪だった。
ゆう
バーテンダー
ぼんやりと、窓の外を眺める。
今日はなんだか、遊びをする気にもなれない。
バーテンダー
ゆう
ゆう
バーテンダー
バーテンダーのさりげない言葉が刺さる。
どうせなら。
お酒を、たくさん飲んだら。
幻、みたいに、
彼が見えるかも知れない。
一杯目のカクテルを飲んでから。
一体どのくらいたっただろう。
ゆう
目の前が、ぼんやりしてる。
それでも、彼は来ない。
あいたい。
ゆう
ゆう
ふわり、と肩に布がかかる。
ゆう
後ろを、見てみたら。
目の前に。
ー彼がいて。
ゆう
いふ
ぎゅっと、抱きしめられる。
あったかい。
いふの、匂いがする。
ゆう
いふ
いふ
ゆう
いふの手が、私の涙を掬っていく。
うれしくて。
私は、いふの手に自分の手を重ねた。
いふ
いふ
ゆう
いふ
いふ
いふ
自分は、最低だ。
さんざん愛してる、なんて言っておきながら。
結局、愛する彼女を泣かせた。
つくづく、最低だと思う。
だから。
寂しくないように。
もう二度と、悲しませないように。
ゆう
ゆう
ゆう
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
ゆう
いふ
ゆう
いふ
ゆう
いふ
いふ
俺の、ほうが。
案外、溺れてるかも。
コメント
4件
キュン死(*∩ω∩)
とても良い作品ありがとうございます