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青い空、白い雲... すぐ近くで波の音が聞こえる。
小春
...ここはどこだァ？
アタシは知らない場所で 寝っ転がって目を覚ました。
ここで今の状況を 整理してみる。
アタシはさっきまで バラ園にいた。 そのとき...
バラ園
小春
おいおい、いつまで隠れてんだァ？
小春
もっと動けよ、つまんねーなァ...
アタシは上空で 銃を乱射しながら言う。
小春
(悪役を演じるの慣れてねーから、ちゃんとできてるか不安だなァ...)
すると、遠くで誰かがこちらに やってくるのが見えた。
小春
(あれは...夜笑と舞⁉︎何でここにいるんだ⁉︎)
ピーーーッ
小春
あ？何の音...
その時、花壇の方から 黒い何かが飛び出してきた。
小春
“アレ”は...
そう考えた時には すでに遅く...
ドガァァンッ‼︎
小春
そうだ、あの時の“アレ”はアタシが椿に渡した爆弾だ...
小春
恩を仇で返されたなァ...
小春
てかマジでここどこだァ？
？？？
ここは漁港です
アタシの問いに対して 後ろの方で誰かが そう答えた。
小春
漁港...？その割には船がねーなァ
？？？
ここから出ることができないので、自然と必要がないだけです
小春
ふーん...いや、ちょっと待て。出ることができないってマジか？
アタシは思わず 起き上がって言った。
声の主は長い青髪に 真面目そうな顔立ちの 女だった。
？？？
この島の周りには有人島もなければ無人島もありません
？？？
例えどれだけ進もうとも、それは揺らぎません
小春
そんなに知ってるってことは何だ？テメェはこの島の管理者かァ？
？？？
管理者...まあ、そのような者ですね
小春
で、名前は？
柊
...柊(ひいらぎ)です
小春
ふーん、何か先祖が聞いたら嬉しがりそうな名前だな
柊
あなたの名前は？
小春
アタシは絵鳩 小春だ。圉鵺市で靴屋を営んでる
柊
絵鳩...圉鵺市...
小春
ん？何だ、そんなに珍しいかァ？
柊
いえ、かつて私の知人が同じ苗字で同じ場所に住んでいたので...
小春
へぇ、そんな偶然もあるんだな
小春
で、テメェはこの島の管理者なんだよな？何でアタシをここに連れて来たんだァ？
柊
ここに来たのはあなたじゃないですか
小春
アタシが？笑えねー冗談だな
柊
冗談でこんなこと言わないですよ
小春
ほぉー、そこまで言うなら証拠を持ってこいよ
柊
証拠...ですか。分かりました、では行きましょうか
小春
は？行くってどこへ...
柊
ついて来れば分かりますよ
山の中
小春
オイ...登山するなんて聞いてねーぞ...
柊
登山レベルですかね？
小春
テメェみたいな田舎住みには都会住みの気持ちがわからねーだろうよ...
柊
そっくりそのままお返ししますね
小春
ぶっ飛ばすぞ
小春
はぁ...本当にここはどこなんだよ...
柊
山の中ですけど...？
小春
じゃなくて島の名前だよッ‼︎
柊
ああ...この島は“暦島(こよみじま)”といいます
小春
暦島ァ...？聞いたことねーな
柊
そうでしょう、だってこの島は現実世界には存在しない場所ですから
小春
...は？
小春
じゃあ何だ？今アタシは異世界にいるのかァ？
柊
異世界...いい表現ですね、気に入りました
小春
ってことは違うのかァ？
柊
昔、この島を訪れたある方は天国だといいました
小春
天国？
柊
どうやら、ここに来る直前の記憶がトラックに撥ねられたようなので
小春
ふーん、まあアタシも爆発に巻き込まれたから天国って表現も間違いじゃねーのか...
柊
へぇ...
柊
すると他の方は地獄だと言いました
柊
それに続くように他の方々は
柊
桃源郷、ユートピア、アヴァロン、煉獄、輪廻転生、ニライカナイ...
柊
近しい言葉はありましたが皆さん個性豊かな表現をされていましたね
小春
近しい言葉って...その中に答えがあるのか？
柊
さあ？どうなんでしょうね
小春
分かりやすいなァ...
柊
あ、そろそろ着きますよ
小春
何だこの建物は...
柊
これは...
柊
柊
“管制塔”です
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作品ページ
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