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大西流星
縁側に座って、庭の満開になった桜を指差す流星。
その横顔があまりにも儚くて、綺麗で... 流星は桜の妖精なんちゃうかな、なんて思ったりする。
西畑大吾
「ほしのいえ」にある四季折々の木々や草花が、 自分の番をまちわびて、そして、咲き誇る。
それは... 丈くんのお父さんが、此処で暮らす子供たちの 心の豊かさを願って植えたもの。
流星にとっても、縁側は特別なものになった。
大西流星
西畑大吾
大西流星
寂しそうに微笑んで、流星が首を傾げる。
体調は一進一退を繰り返しとった。 春は、...季節の変わり目は、どうしても体調を 崩しやすい流星は、今年も、家の中からしか桜を見れん。
籠の中の鳥のような生活。 限られた自由でしか、流星は生きられへん。
そんな流星の、願い。
少しは心を開こうとしとる、そんな兆し。
西畑大吾
小指を出したら、流星もその小さな小指を出してきて、 お互いに絡め合う。
針千本、なんて子供騙しみたいな約束事を交わす。
道枝駿佑
廊下を走りながら此方に駆け寄ってくる駿佑も、 此処に来た当時よりも笑顔を見せるようになった。
流星の背中に飛びつき、無邪気に笑う。
大西流星
道枝駿佑
桜舞う、四月。 今日は「ほしのいえ」に、新しい家族が増える。
大西流星
駿佑と同じ小学六年生の男の子。
同い年の子が来るから、と 一週間も前から、みんなに同じことを 毎日嬉しそうに伝えてくる。
小学生と中学生は、やっぱり話も少し違う。
やから、駿佑はいつもつまらなさそうで... いつも共通の話題を話す二人を、羨ましそうに見とった。
道枝駿佑
毎度毎度、同じようなことを 流星をあしらわずに聞いてあげる。
大西流星
お兄さん、って言われて嬉しそうに 照れ笑いを浮かべる駿佑。
一人称で自分のこと呼ぶし、しっかり好き嫌いはするし、 女の子からはかっこいいって言われるけど、 まだまだ子供なんも事実。
道枝駿佑
流星の隣に寝転がって、縁側の桜を見上げる駿佑。
西畑大吾
新しく来る子を丈くんが迎えに行っとって、その帰りに 服とか日用品を買って帰ってくるから、もう少し 時間がかかる。
みんなで部屋の片付けもして、はっすんは歓迎会のために 料理に取り掛かっとる。
高橋恭平
庭から、美容院帰りの恭平が顔を出す。
まだ中学三年生で受験も控えとるのに、反抗期の恭平は 何を言っても言うことを聞かへん笑。
...まあ、人様には迷惑かけとらんからええけどな。
大西流星
流星に褒められて、ほんの少し黒なった髪の毛先を、 恥ずかしそうに触る恭平。
まだまだ子供で、可愛らしいとこもあるんよね。
藤原丈一郎
玄関から聞こえる丈くんの声に、 駿佑が一番乗りに走り出す。
恭平が玄関に回って、流星と一緒に駿佑の跡をゆっくりと 追いかける、暖かな春の日の午後。