次の日
雪奈
お兄ちゃん。今日はどこに行くの?
翔磨
今日はお空を飛んであの山の向こうまで行こう!
雪奈
ほんと!
翔磨
うん!
翔磨は雪奈に綺麗な布を着させてから、雪奈を抱いて大空に飛び立った。
雪奈
ここは誰のおうち?
翔磨
和子さん。山姥の家
和子
誰だい?そこにいるのは。
翔磨
初めまして。翔磨と言います。こっちは人間の雪奈です。向こうの山のある妖狐の紹介でここまで来ました。
雪奈は翔磨の後ろに隠れている。
和子
あぁ。あいつの紹介かい。
翔磨
雪奈が人間ときちんと話せるようにして貰えませんか?
和子
んー。見て見ないとわかないな。こっちにおいで。
雪奈は恐る恐る和子に近づいた。 和子のに手に雪奈が触れると和子はニコッと笑った。
雪奈
山姥はおばちゃんみたいに優しい
の?
の?
和子
いいや。悪い山姥もいるさ。人間もそうだろ?
雪奈
ううん。人間は怖い人ばっかり。
和子
そうかい。そうだ!雪奈、うちの一真と遊んでやってくれないかい?一真おいで。
奥の襖が開いて1人の男の子が出てきた。
翔磨
人間?なんで?
和子
私が拾ったんだ。山の麓で捨てられていてな。
雪奈
…。……!!
翔磨
雪奈。無理に声出さなくても遊べるぞ。鬼ごっことかそれなら大丈夫だと思うし、それに地面に字を書いても言葉は通じるし。
和子
一真も人間を見るのは初めてさ。大丈夫。お互いにゆっくり遊びなさい。
一真と雪奈は庭に出ていった。
翔磨
雪奈は?声出るように
和子
ならないね。
翔磨
なんで!
和子
あの子は声以前に心がダメになっていてね。その部分を忘れさせれば出せるようになるかもしれない。ただね。あの子の大事な記憶が混ざってるんだ。あの子の妖が見えるという記憶がな。







