朝 校門前
ゆず
せんせー!!!
ゆず
おっはよー!!!
先生
よー、若木ー今日も元気だなぁ
ゆず
あったりまえじゃーん!先生に朝から会えるなんて!!!
先生
俺はいつも学校にいるだろ?
ゆず
そうだけどさぁ
チャイム音
先生
ホームルーム始まるぞ、教室行け!
ゆず
つめた!じゃあねー!
放課後
ゆず
先生!一人でなにしてるの?手伝おうか?
先生
発表会の準備だよ
先生
大丈夫だからもう帰れ
先生
雨降ってるから傘貸すぞ
ゆず
え…めっちゃ優しいじゃん
ゆず
なんて言ったら負けた気がするから言ってあげない…
ゆず
ありがとう!助かるわぁ!
傘を渡す
先生
気をつけて帰れよ
ゆず
うん!ありがと!
きっかけは傘だった
私が先生を好きになっちゃうなんて
思ってもいなかった
次の日の朝
ゆず
あ、先生!昨日傘ありがとう!ほんと助かった!
先生
若木、大きい声で言うなよ
先生
生徒に傘なんて普段貸さないんだから
ゆず
あれー?私には特別貸してくれたのー??
先生
バカなこと言ってないでさっさと教室!
ゆず
素直じゃないな〜
戯けて見せたけどドキドキしてまともに目も見れなかった
先生、なにが好き?
好きな色は?
大切な人はいるの
ゆず
聞きたいことたくさんあるのに
ゆず
聞けるわけない
ゆず
きっと傷つくに決まってる
学校終わり
ゆず
今日はまっすぐ家帰ろ
ゆず
あー!放課後呼び出しくらってたの忘れてた…行かないと!
男の先輩たち
ゆず
え、なんですか
先輩1
焦った顔してどーおしたのーお?
先輩2
あれ、彼氏待たせてるとか?
先輩1
えー、彼氏いるのー?
先輩1
ちょっと器具室きてよ
ゆず
やめてください…!
ゆず
離して、やめて
先輩2
そんな怖がらないで、ね?
先輩2
楽しいことしてあげるから
器具室
先輩1
真っ暗だし誰も来なくて最高でしょーここ
ゆず
なにするつもりですか
ゆず
やめてください、お願いします
先輩2
お願いされてもやめれないねえ
先輩2
その不安そうな顔も最高にかわいいよ
先輩1
さあ、始めようか
押さえつけられる
ゆず
やめ…て…先生助けて…
先輩1
一緒に楽しくな…
先生
若木!!!
ゆず
先生…たすけて
先生
もう大丈夫だ、俺がいる
先輩2
なんだよお前
先輩1
盛り上がってきてたのによ
先生
お前らこんなことして許されると思ってんのか
先生
おれの大切な人こんな形で傷つけてふざけたことしてんじゃねえ
ゆず
先生…
先生
お前ら停学退学は逃れられないぞ
先輩1
ざけんじゃねえ、どうにでもしろよ
先輩1
いこうぜ
先輩2
お、おう
ゆず
なんでこの場所わかったの…
先生
お前が手引っ張られてくの見てて
先生
心配になって…探したけど見当たらなくて
先生
もしかしたらここかなって、そしたら声聞こえたから
先生
震えてるけど、こわかったよな若木
ゆず
大丈夫、先生来てくれたから
ゆず
顔見たら安心してなんていうか…そ…
抱きしめる
先生
強がんなよこんなときくらい
先生
お前のつらい思い
先生
卒業したら上書きしてやるよ
先生
それまで待たせちゃうけど俺お前のこと好きになってたわ
ゆず
せんせ…い
ゆず
私も好きなの本当に大好きなの
ゆず
卒業まで待つ、だからお願い
ゆず
今は先生として傍にいて…
先生
当たり前だろ、おれお前の先生だから
先生と分かり合えた日から
私の高校生活は一変した
今日もまた笑顔で交わす
今はこれだけで幸せなんだ
ゆず
せーんせい!!!おっはよー!!!
先生
おはよう、若木
先生
(卒業まであと1年)
先生
(待っててな、若木)
先生
(俺もお前の卒業、待ってるぞ)
2話に続く