虚空と愛

ワンク 前回(ry 過去改造 病み司 過呼吸、拒食、嘔吐(直接描写なし)

幼い頃から、愛されている感覚がなかった。

もちろん両親や咲希が悪いと言いたいわけじゃなくて、

愛を感じることができないオレが悪いと思う。

大体家にひとりぼっちで、本を読むかテレビを見るか、稀に友達と遊べるかくらいしかやることがない。

正直言うと、寂しかったのだろう。

そんなどうしようもない時、ふらっと外に出て

類に出会ってから、変わった。

それから、ほぼ毎日と言っていいほど類と遊び続け

類も最初はあまり笑わなかったし、少し無理をしていたような気がする。

けど、毎日遊び続けていたらいつの間にかよく笑うようになっていて

お互い楽しく過ごして

いつの間にか仲良くなれた。

ときには周りの同級生から「そんなやつと関わらない方がいい」だとか言われたけれど、

無視して関わり続けてよかったと思っている。

仲良くなれたのも良い事だが、何より──

類と居る時は、心の底から笑えて、どこかに愛を感じていた。

類と知り合ったのは小学3年生の時のことだったが、

気がつけば中学生と時間が経っていて。

互いの親も仲良くなってきていた頃だった。

今思えば、多分ここでさらに仲良くなったんだと思う。

──恋仲になるほど、仲良くなってしまった時期。

今思えばオレ以外頑なに関わろうとしない類に好きな人が出来たとはおかしいものだ。

それに、オレも無自覚に類に対して恋をしていたんだと思う。

それから数ヶ月か後、告白されて付き合って

親からも祝福され

喧嘩をすることもあれどすぐに仲直りして

順風満帆だった。

──中学の後半までは

あの時のオレもおかしかった。

なぜ、咄嗟に首を絞められたのに、苦しいはずなのに

どこかで快楽を感じていたんだろうか。

この時、断っていれば良かったというか、離れていればお互いまともに生きられたのかもしれない。

オレはある種の悪魔なのだろうか。

2年生になってから、類と話す機会は1年生の時より減った。

……だからこそ、

類に嫉妬してもらえる機会が増えたということでもある。

類は休み時間にはわざわざクラスに来て来てよく話をしているのだが、

それを敢えて気付かないふりをし、友達と呼ばれる人達と親しげに話す。

周りに心配されるだけだって言うのはこの時のオレもわかっていたが

どうにも類に乱暴されるのは癖になっていたみたいで、それをされる為だけにわざわざ嫉妬させていた。

類に冷たい目で家まで強制的に腕を引かれ、部屋に来たら床に投げつけられる。

嫌な素振り、というか痛そうな振り。

それも案外、大変だった

唯一類に"愛"される時間

唯一オレが愛を感じられる時間

確かに痛かった。痛くないわけがなかった。

けど、どこか心地よくて

オレに暴力を振るって笑う類を見てると、少し安心してしまう。

まだ飽きられてないんだ、って

このままずっとオレたちは、こうやって幸せなままでいられるんだ──

そう、思ったのに

親が帰ってこないと聞いていた日に誘い、

いつも通りどちらかの家で類に暴力を振るわれる。

オレも類も、それで幸せだったのに。

その日から、オレたちは狂った。

互いと会うこと、関わることを禁じられ、しばらく親なしでは外出や連絡を交換することはできなくなり

完全に類と関わりを持つことが不可能になる。

類が、類だけが、全ての安定剤だったのに。

いつしか有り得ないほど心を病ませてしまっていた。

食べては吐いてを繰り返し

次第に食べることに意味をなさなくなって

胃の中に何かがある感覚が気持ち悪くて、

気持ち悪くなくたって無理やり吐かせたことも数えられないほどある

最初は吐くことに抵抗があったし、その感覚が嫌いだった。

なのに、いつの間にか慣れてしまって

もう、多分手遅れなんだと思う。

そこで日記に書き殴ったのが「こわい　たすけて」だった。 筆圧はばらばらだし、字のバランスもどう考えたっておかしい

この日記が処理されなかったのは偶然分かりにくいところに隠しておいたからだろう。

結果的に今の関係に戻れたから満足と言えば満足だが、

周りに否定されない純粋な愛を知ったままでも、それはそれで……

終わりです一応！！結局終始よくわからないままですねごめんなさい！！！