テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

この景色をまた貴方と

一覧ページ

「この景色をまた貴方と」のメインビジュアル

この景色をまた貴方と

6 - この景色をまた貴方と

♥

46

2021年02月24日

シェアするシェアする
報告する

私は気絶をしたあと、夢を見た

ソフィア

…んん

ソフィア

……!ここは!

目を開けて直ぐに分かった

ここが魔女の国だということが

ソフィア

(どうしてまたここに…)

???

ソフィア

突然後ろから声をかけられた

私は驚いて振り向いた

ソフィア

貴方は…?

目線の先には姿勢の良い

力強い眼の女の人がいた

シャネイド

私はシャネイドよ

シャネイド

貴方の大お祖母様といったところかしら

そう言って女の人は優しく微笑んだ

ソフィア

大お祖母様…?!

ソフィア

どうしてここに?

シャネイド

私も魔女だったのよ

シャネイド

貴方と同じようにね

ソフィア

そうでしたね

ソフィア

でも、どうして私の前に?

シャネイド

貴方を助けるためよ、ソフィア

ソフィア

私を人間に戻す方法を知っているんですか?

シャネイド

もちろんよ

シャネイド

だけど、あまり詳しくは話せないわ

ソフィア

どうしてですか?

シャネイド

エラに魔法をかけられているのよ

シャネイド

口封じの魔法をね

ソフィア

そんな…

シャネイド

だけど、暗号でなら伝えられるわ

シャネイド

今から言うことをよく聞いてね

ソフィア

はい、分かりました

シャネイド

「蒼き光が満ちる時」

シャネイド

「そのものの力は満潮になる」

シャネイド

「蒼き光の果てへと進め」

シャネイド

「さすればそなたの力は解放され」

シャネイド

「明日が訪れるだろう」

シャネイド

…以上よ

ソフィア

蒼き光…

シャネイド

もう時間みたいだわ

シャネイド

ソフィア、幸運を祈るわ

ソフィア

ありがとうございます、大お祖母様

次に私が目を開けると、そこはリアムさんの家だった

リアム

ソフィア!起きたか!

リアム

心配したぞ

リアムさんは今にも泣き出しそうな顔をしていた

ソフィア

ご心配かけてすみません

ソフィア

でも、私夢を見たんです

リアム

どんな夢だ?

ソフィア

私の大お祖母様が暗号を教えてくれたんです

ソフィア

「蒼き光が満ちる時」

ソフィア

「そのものの力は満潮になる」

ソフィア

「蒼き光の果てへと進め」

ソフィア

「さすればそなたの力は解放され」

ソフィア

「明日が訪れるだろう」

ソフィア

…と言ってました

リアム

蒼き光にその果て…

リアム

まだ分からないこと尽くしだ

リアム

蒼き光は恐らくあの木を意味している

リアム

だが、その光が満ちる時の意味が分からないな

ソフィア

私も分からない事が多すぎます

リアム

街に出れば魔女の情報でごった返しているはずだ

リアム

俺が調査してこよう

ソフィア

じゃあ私も…!

リアム

ソフィアはダメだ、危険すぎる

ソフィア

でも!

リアム

でももクソもない

リアム

君が捕まったら意味が無いだろ

ソフィア

…そうですよね

ソフィア

じゃあ私はこの木について調べておきます

リアム

頼んだ

リアム

それじゃあ、行ってくるよ

ソフィア

はい、お気をつけて

私はリアムさんの背中を見送った

リアム

(思った通り…)

と心の中で呟く

予想した通り街は魔女の話題で持ちきりだ

リアム

(魔女狩りも多いな)

リアム

(ソフィアを置いてきたのは間違いだったかもな…)

リアム

(手早く済ませよう)

その時、気になる会話が聞こえてきた

「おい、聞いたか?」

「魔女のことか?」

「そうそう、めっちゃ美人らしいぜ!」

「そっちかよ(笑)」

「てか、そろそろ満月だな」

「俺、彼女と見に行くぜ」

「いいな、彼女いるって」

リアム

(満月か…)

リアム

(ん?満月…?)

リアム

(…!暗号の謎が解けた!)

リアム

(すぐに帰ろう)

ソフィア

(リアムさん、遅いわね…)

ソフィア

(心配だわ…)

リアム

ソフィア!

リアムさんが勢いよく扉を開け

部屋に入ってきた

ソフィア

リアムさん?!

ソフィア

そんなに急いでどうかしたんですか?

リアム

暗号の謎が解けた!

リアム

ソフィア、君を助けられる!

ソフィア

本当ですか…?!

リアム

満月の日付を調べてくれ

ソフィア

はい!

私は本を取りだし、パラパラとページをめくる

ソフィア

ありました!

ソフィア

えっと、2日後ですね

リアム

…2日か

リアムさんは苦い顔をした

ソフィア

満月と暗号はなんの関係が?

リアム

「蒼き光が満ちる時」

リアム

というのは恐らく満月の日の月の光をこの木に当てることだ

ソフィア

でも、間違っていたら…

リアム

それに関しては大丈夫だ

リアム

昔、親父から何度も聞かされた言葉を思い出した

リアム

「月は蒼き光を助ける」

リアム

「この窓を役立てろ」

リアム

と言われてきた

リアム

この部屋にある天窓は丁度木の上にある

リアム

月の光を浴びせるのには十分な設備だ

ソフィア

でも、2日後じゃ間に合うか…

リアム

2日はあくまで憶測だ

リアム

ソフィアの体力が持てば4日はあるかもしれない

ソフィア

やっぱり私にかかってるんですね

リアム

あぁ、負担をかけてすまない

ソフィア

いえ、私が骨董屋に入ったのが始まりです

ソフィア

私が禁断の扉を開いてしまったんです

ソフィア

だから、私が最期までやり遂げます

リアム

その意気だ

リアム

…今日はもう遅い、寝るといい

リアム

この隣の部屋を使うといい

ソフィア

分かりました、ありがとうございます

ソフィア

では、おやすみなさい

リアム

おやすみ

朝日がカーテンの隙間からチラチラと差し込み

少し空いた窓の隙間からは

暖かい空気が流れこんだ

…………

ソフィア

おはようございます

リアム

おはよう、ソフィア

リアム

よく眠れたか?

ソフィア

はい、ぐっすりです

リアム

それは良かった

リアム

体調は?

ソフィア

まだ特に変化は無いです

ソフィア

満月は明日ですよね

ソフィア

それまで持てばいいですが…

リアム

弱気になるな

リアム

でも、今日は安静にしていた方が良いかもな

ソフィア

はい、そうさせて貰います

リアムさんは首を縦に振った

リアム

…ほら、朝ご飯だ

そして朝食を運んできてくれた

トースターの匂いが部屋に充満する

ソフィア

良い匂い…!

ソフィア

いただきます!

リアム

いただきます

ソフィア

…………

リアム

口に合わなかったか?

ソフィア

いえ…その…

ソフィア

とても美味しくて感動してしまいました…!

リアム

なんだ、それ(笑)

リアムさんは目を細めハハッと声を出して笑った

リアム

まぁ、ゆっくり食べてくれ

ソフィア

はい!

ソフィア

(出会ってまだ少しなのに、距離が縮まった気がする…)

ソフィア

(嬉しい…)

…………

ソフィア

今日はどこか行かれるんですか?

リアム

予定は無いな

リアム

今日はソフィアに付いている

ソフィア

ありがとうございます!

この日は何事もなく穏やかな時間を過ごしました

リアムさんも私の前で笑顔を見せることが増えた気がします

…………

翌日

鳥のさえずりが朝だということを教えてくれました

私は起き上がろうと思い

手足に力を込めた

だけど、力が入らない

ソフィア

(えっ…)

ソフィア

(力が入らない…)

ソフィア

リアムさん…!

私が呼びかけるとリアムさんはすぐに駆け付けてくれた

リアム

どうした、ソフィア!

ソフィア

手足に力が入らないんです…

リアム

やはり魔力に耐えられなくなっているな…

リアム

ほら、俺の肩に手を回せ

ソフィア

ありがとうございます…

私はリアムさんの肩に手を回し

ゆっくりと立ち上がった

リアム

立っているのは辛いか?

ソフィア

少しクラクラします…

リアム

そうか

リアム

椅子の所までは歩けるか?

ソフィア

はい、何とか…

リアム

分かった、ゆっくり歩こう

ソフィア

はい

…………

ソフィア

…………

リアム

落ち着いたか?

ソフィア

はい、だいぶマシです

ソフィア

迷惑かけてすみません…

リアム

良いんだ

リアム

食欲はあるか?

ソフィア

あまりないです

リアム

そうか

リアム

じゃあ、紅茶だけ持ってこよう

ソフィア

ありがとうございます

…………

リアム

ソフィア

ソフィア

はい、何ですか?

リアム

暗号の話なんだが…

リアム

「蒼き光の果てへと進め」の意味は分かるか?

ソフィア

私もそこだけが分からいんです

ソフィア

光の線でも出来るのでしょうか…

リアム

それしか考えられないな

リアム

だが、「果て」と表されているのが引っかかるな

ソフィア

光が途切れているのでしょうか…

リアム

もしくはそこだけ光がないとも捉えられるな

ソフィア

そうですね

リアム

うぅん…

リアム

少し調べ物をしてくる

リアム

ソフィアはどうする?

ソフィア

私は少し休んでいます

リアム

分かった

リアム

何かあれば呼んでくれ

ソフィア

はい

そして何のヒントも得られないまま

私達は夜を迎えた────

この景色をまた貴方と

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

46

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚