兄弟

#4

赤side

逃げてしまった。

連絡先も消した、

これからどうしようか

取り敢えず野宿だけは避けたい..

行く宛なんて無い筈なのに

何故か気分が良くて

上機嫌で財布を確認する。

中身は

お札が5枚と

小銭が数枚。

これだけあればホテルに泊まれるか

..未成年って1人じゃ

泊まれないんだっけ

年齢誤魔化せばいけるか？

でも今制服なんだよな、、

勿論着替えなんて持っている訳も無く

ホテルは無理か..

ぁ"ー、っ

てか泊まれる場所で

ホテル以外､って

どこだよ

思わず口に出しそうな

苛立ちを抑えて

代わりに

痛い位

頭を掻き乱す。

朝セットした髪は

見なくても分かるくらいぼさぼさ｡

....なんか

疲れた｡

考えるの一旦辞めよ、

半ば現実逃避をする様に

近くの自販機でサイダーを買った｡

顔にペットボトルを当ててみると

熱かった体が少し

涼しくなった気がする。

数分経ち､

冷やすのに満足して

1口飲む。

炭酸つよ..

開けたばかりの炭酸は

あんまり好きじゃない。

キャップを閉めて

適当に鞄に放り込み､

その後

する事も無く

スマホを弄ってみる｡

ロックを解除すると

兄弟の連絡先を削除した時から

開きっぱなしだった

メッセージアプリが表示された｡

流石に4人分の連絡先が減ると

違和感あるな、、

といってもあったらあったで

邪魔なだけなんだけど。

特に目的も無く

唯､ぼーっとするよりマシだから

なんて理由で

一覧を上下に動かしてみる｡

何回か繰り返して

一つ､連絡先が目に留まった｡

あんま此奴に良い記憶無いけど

此処で途方に暮れているより

マシか..

道順を思い出し乍

一応､メッセージを入れて

取り敢えず

駅へと歩き始めた｡

なんかいつにも増して下手すぎるな