好き なんて直接相手に言えないなんて分かってるのに
言えるならどれだけ人生が楽になるのかな。
私だって、翔太と付き合う前よく言われ続けた。
そんなに、翔太の事が好きなら、告白すればいいじゃんって。
唯華
そんな事ができるなら、私はとっくに思いを伝えてる。
でも、今思い返せば翔太が私の事を好きだったのも偶然だったのかな。
そんな、悪い方向にしか持っていけない妄想を断ち切るように、
ベットに入り、毛布を深く被った。
唯華
それにしても私、なんでここに来ちゃったのかな。
翔太と初めて来たクレープ屋さん。
私がイチゴチョコクレープを食べて、
翔太がバナナチョコクレープを食べていたっけ。
お互い交換なんかもしたりして。
唯華
別にお腹が空いている訳でもないのに、
無意識に注文を済ませていた。
唯華
でも、翔太と一緒に食べたクレープの方が、
断然美味しかった。
唯華
私の頭の中には、翔太のクレープを頬張る顔が鮮明に浮かび上がっていた。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
バナナチョコクレープ に反応を示してしまう自分が痛い程憎い。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
唯華
樹
唯華
樹
唯華
そっか、よりによってもね
たまたまなのは分かってるのに、
翔太を意識してるような感じがして、
薄い靄がまだ残っている気がする。
樹
樹
唯華
唯華
樹
樹
唯華
ダメだよ。
違う、違う
全て違う。
全くと言っていい程翔太の時と同じシチュエーションで、
本当に、翔太と食べているような
錯覚に陥っている。
樹
唯華
唯華
唯華
樹
少し落ち込んだ表情を見せた樹は、
一口クレープを頬張った。
樹
唯華
樹
笑いながら樹は言う。
唯華
樹
勿論、あるよ。
樹と翔太が時々重なってしまう。
翔太が私の隣に居てくれる気がして、
でも、今の翔太は安心を与えてくれない。
唯華
とだけ言って、話を終わらせた。
樹
唯華
樹
唯華
今の私は動揺を隠せていないと思う。
口の中に頬張ったクレープに味が無くなったのも、全てこの質問のせいなのだろうか。
樹
そう言われると同時に私の手を引っ張って、
公園に連れていかれた。
二人ともまだクレープを食べきれていないせいか、
さっきよりも小さくなったクレープを持って、走っていった。
NEXT ♡300 以上
コメント
35件
重なるってところいいよね〜 作るのうますぎ!
気づいたらハートめっちゃ押してました!(A;´・ω・)アセアセ しょっぴーの行動を樹君がやりすぎていて、前世双子みたいに一緒笑最高です! しょっぴーに未練タラタラな女の子が可愛すぎる!物語の時の言葉選びが素敵で最高です!!!