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いいから早く付き合えよ!!

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いいから早く付き合えよ!!

3 - 気に食わないこと

♥

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2022年03月03日

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初兎

なぁ悠くん、ここのrapなんやけど、どっちがええと思う?

悠佑

んー?

とある休日。ソファに座る悠くんの元に近寄り、スマホを掲げた。

悠佑

rapなんて俺よりお前が考えた方が絶対ええやん。rapについて俺良いことなんも言えんよ?

初兎

悠くんの言葉選び好きやから聞いとるんよ。悠くんの意見が聞きたいんや

悠佑

いやめっちゃストレートに褒めるやん。・・・じゃあ見してもらうわ

メモアプリに案を書いたスマホを悠くんに手渡す。

悠くんは真剣な目でその歌詞を追っている。僕は悠くんの隣に座り、その横顔をぼんやり眺めた。

-hotoke-

あにきー!しょーちゃん!何してるのー?

唐突に現れたいむくんが駆け寄ってくる。悠くんが顔を上げるより先に、僕が口を開いた。

初兎

悠くんにrap相談してんねん

-hotoke-

わ、新しいやつ!?僕も見たい!

悠佑

ちょ、押すなやほとけ

僕と反対側、悠くんの隣に詰める様に座ったいむくんに悠くんが文句を言う。

僕といむくんの間で、悠くんが少し窮屈そうにしている。このソファに男三人はちょっと狭いな。

でも本気で嫌がっている様子はないし大丈夫だろう。そう思って、僕も二人と同じ様にスマホを覗き込んだ。

悠佑

あー、ここの言葉で迷ってるん?

初兎

それもあるし、ほら、ここのフレーズがなんかまとまりない気がせえへん?

悠佑

なるほどなぁ

-hotoke-

僕はどっちもかっこいいと思う!

初兎

はは、いむくんありがとうな

悠佑

でも初兎、ここの雰囲気的に──

悠くんの意見を、一言一句漏らさぬ様真剣に聞く。いむくんも静かに耳を傾けている様で、特に割り込んでくることはなかった。

いれいすのオリ曲の作詞にも携わっている悠くんの考えは本当に参考になる。やっぱり悠くんは頼りになるわ。

僕は基本的に何かあったらまず悠くんに相談するようにしている。僕悠くんの舎弟やしな。

悠佑

───っていう感じもええんちゃう?

初兎

なるほどなぁ、やっぱ勉強になるわ。ありがとうな

悠佑

おう!

ニッと笑う悠くんに、僕も満足気に笑い返す。いむくんもどことなく嬉しそうだ。笑顔の人がいると自然と笑顔になるよな。

・・・あのさぁ

不意に飛んできた声に、ふっと声のした方へ視線を向けた。

If

・・・

見ると、いふくんが部屋の入り口に立っていた。いつからそこにいたのだろう。

なんだか不服そうなその表情に首を傾げる。どうしたと言うのか。

If

お前ら、あにきと距離近くない?

初兎

・・・は??

心の底からしっかりと湧き上がったその一音が漏れた。

いや、やって、は??

・・・何を言っとるん?この人。

顰められたその顔を、思わずまじまじと見つめてしまう。

If

そんな距離近くなくてええやろ。顔くっつくかと思ったわ。なんでそのソファに三人で座っとんねんほとけ

-hotoke-

僕!?

おっと、矛先がいむくんに向いた。

青組のビジネス不仲宜しく、二人が何やら言い合いを始めた中、僕は隣に座る悠くんに聞こえないくらいの大きさで、深く深く、溜息を吐き出した。

初兎

めんどくせぇ〜〜〜・・・

いつも、あれだけバグった距離感で過ごしておいて。なんでそれで付き合ってないん?なんて思わせるくらい、いつも悠くんとくっついておいて。

自分以外がくっついてんの見ると、さも当然の様に距離が近いだ??

嫉妬。しかも無自覚の。タチが悪い。

初兎

もう早く付き合ってしまえ・・・

僕のそんな小さな呟きは、青組の言い合いに飲み込まれ、伝わることなく消えていった。

いいから早く付き合えよ!!

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コメント

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うん、初兎ちゃんが正しい

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