初兎
悠佑
とある休日。ソファに座る悠くんの元に近寄り、スマホを掲げた。
悠佑
初兎
悠佑
メモアプリに案を書いたスマホを悠くんに手渡す。
悠くんは真剣な目でその歌詞を追っている。僕は悠くんの隣に座り、その横顔をぼんやり眺めた。
-hotoke-
唐突に現れたいむくんが駆け寄ってくる。悠くんが顔を上げるより先に、僕が口を開いた。
初兎
-hotoke-
悠佑
僕と反対側、悠くんの隣に詰める様に座ったいむくんに悠くんが文句を言う。
僕といむくんの間で、悠くんが少し窮屈そうにしている。このソファに男三人はちょっと狭いな。
でも本気で嫌がっている様子はないし大丈夫だろう。そう思って、僕も二人と同じ様にスマホを覗き込んだ。
悠佑
初兎
悠佑
-hotoke-
初兎
悠佑
悠くんの意見を、一言一句漏らさぬ様真剣に聞く。いむくんも静かに耳を傾けている様で、特に割り込んでくることはなかった。
いれいすのオリ曲の作詞にも携わっている悠くんの考えは本当に参考になる。やっぱり悠くんは頼りになるわ。
僕は基本的に何かあったらまず悠くんに相談するようにしている。僕悠くんの舎弟やしな。
悠佑
初兎
悠佑
ニッと笑う悠くんに、僕も満足気に笑い返す。いむくんもどことなく嬉しそうだ。笑顔の人がいると自然と笑顔になるよな。
?
不意に飛んできた声に、ふっと声のした方へ視線を向けた。
If
見ると、いふくんが部屋の入り口に立っていた。いつからそこにいたのだろう。
なんだか不服そうなその表情に首を傾げる。どうしたと言うのか。
If
初兎
心の底からしっかりと湧き上がったその一音が漏れた。
いや、やって、は??
・・・何を言っとるん?この人。
顰められたその顔を、思わずまじまじと見つめてしまう。
If
-hotoke-
おっと、矛先がいむくんに向いた。
青組のビジネス不仲宜しく、二人が何やら言い合いを始めた中、僕は隣に座る悠くんに聞こえないくらいの大きさで、深く深く、溜息を吐き出した。
初兎
いつも、あれだけバグった距離感で過ごしておいて。なんでそれで付き合ってないん?なんて思わせるくらい、いつも悠くんとくっついておいて。
自分以外がくっついてんの見ると、さも当然の様に距離が近いだ??
嫉妬。しかも無自覚の。タチが悪い。
初兎
僕のそんな小さな呟きは、青組の言い合いに飲み込まれ、伝わることなく消えていった。