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エリナ

……気が付いたら、美少女になってた

エリナ

……

エリナ

10畳くらいの石造りの、殺風景な部屋

エリナ

粗末な木の椅子と、薄汚れた縦長の鏡

エリナ

そして、ドレス姿の俺

エリナ

……

エリナ

どういう状況?

エリナ

……

エリナ

胸が大きくて柔らかいし

エリナ

……

エリナ

スカート越しに、男性的なものが無いことも確認したし

エリナ

……

エリナ

もう少し挑戦的なこともしてみたいけど

エリナ

仮にこれが夢で、例えば病院なんかに救急搬送されていたら

エリナ

……

エリナ

救急のベッドの上で、変な動きをしたら人生詰むから

エリナ

ここはグッと我慢しておこう

エリナ

……

エリナ

喋り慣れるために独り言をしてるけど

エリナ

五感から入ってくる自分の情報が、全て美少女のものだから

エリナ

頭がバグりそう……

エリナ

……

エリナ

興奮してきたけど、我慢、我慢……

エリナ

……

エリナ

元の身体のときの記憶は、普通にあるけど

エリナ

この美少女の記憶は何も無いから

エリナ

まぁ、きっと夢だろう

エリナ

……

エリナ

……夢にしては、現実的すぎるけど

エリナ

……

エリナ

ん? 人の気配が……

アルバート

気分はどうだ? エリナ王女

エリナ

……

エリナ

あ、はい。大丈夫です

アルバート

……

アルバート

今日はやけに、素直じゃないか

エリナ

え?

アルバート

いつもはもっと、蔑んだ目で俺を見てくるんだがな

エリナ

あ、そうでしたか

エリナ

失礼しました、そういう趣味なんですね

アルバート

え?

エリナ

えぇっと……こう、ですかね

エリナ

(ジトォ……)

アルバート

いやいや、無理はしないでいいぞ

アルバート

素直になれないとは思うが

アルバート

たまには機嫌の良いときもあるだろう

エリナ

そうですね

エリナ

今は少しドキドキしてるので

エリナ

表情で表現すると、こんな感じでしょうか

アルバート

……っ

アルバート

エリナ王女は、そういう風に笑うんだな

エリナ

あはは、そうみたいですね

エリナ

ところで……

アルバート

うん?

エリナ

ここはどこですか?

アルバート

えっ

エリナ

あなたは誰?

アルバート

えぇっ

アルバート

……記憶が混乱しているのか?

アルバート

俺は帝国の第一皇子、アルバートだ

アルバート

そして君は、俺が滅ぼした王国の第一王女だ

アルバート

エリナ王女にはやってもらいたいことがあって、この塔に幽閉させてもらっている

エリナ

なるほど

エリナ

というと、私はもう天涯孤独の身なんですね

アルバート

そういうことになるな

エリナ

そして、私にやらせたいことがある……と

エリナ

……

エリナ

わかりました、何でも仰ってください!

アルバート

えっ

アルバート

本当に良いのか?

エリナ

え?

エリナ

だって、そのために私を生かしているわけだし

エリナ

他に選択肢もないわけですよね?

アルバート

いや、まぁ、そうなんだが

アルバート

昨日までは、王家の誇りに懸けて断じて手は貸せない……と

エリナ

でも、その王家も滅んじゃったんですよね?

アルバート

ああ、うん、そうなんだが

アルバート

……いや、殊勝な心掛けで助かる

エリナ

そこで、お願いがあるのですが

アルバート

ほう、交換条件か?

アルバート

確かに何の見返りもなく、手伝うわけもないだろう

アルバート

できるだけは聞いてやる。何が望みだ?

エリナ

ありがとうございます

エリナ

あのー

エリナ

今、記憶が全て無くなっていて

アルバート

えっ

エリナ

だから、ご迷惑をお掛けすると思いますが

エリナ

多少なりとも、ご配慮を頂けると助かります

アルバート

記憶喪失……だと?

エリナ

まぁ、そんな感じなんでしょうか

エリナ

ところで……えっと、あなたのことは何とお呼びすれば?

アルバート

周りの者と同様、「殿下」と呼べばいい

エリナ

わかりました、殿下

エリナ

……この呼び方、緊張しますね

アルバート

緊張するところがあるか?

アルバート

名前を呼んでいるわけでもあるまいし

エリナ

私にとっては、使ったことが無い呼び方ですから

アルバート

うん?

エリナ

ああ、私のことは

エリナ

王国も滅んだということで、そのままエリナとお呼びください

アルバート

なんだかサバサバしてるな

エリナ

エリナって呼ばれるだけでも興奮するのに

エリナ

「王女」まで付けられると、限界突破してしまいます

アルバート

よく分からんが……

アルバート

どうやら、色々と混乱しているようだ

アルバート

しかし、名前をそのままか……

アルバート

君がそんなに素直になってくれるなら

アルバート

当初の計画を、進めていくのも良いかもしれないな

エリナ

計画、ですか?

アルバート

ああ

アルバート

エリナ、君は俺の妻になれ

エリナ

えっ

アルバート

後ろ盾のない亡国の王女とはいえ、驚異的な力を持っているんだ

アルバート

帝国の皇后になる正統性はあるだろう

エリナ

他の選択肢は……

アルバート

まぁ、あるにはあるが

アルバート

戦争を終わらせる一番の近道だし

アルバート

戦争が終われば、最も安全に暮らせると思うぞ

エリナ

なるほど、わかりました

エリナ

それでは結婚しましょう

アルバート

……

アルバート

本当に話が早すぎて、驚いてしまうんだが

エリナ

ただし、条件がひとつあります

アルバート

ほう?

エリナ

あのー

エリナ

……子作りは、しばらく控えて頂けると

アルバート

……

アルバート

まぁ、結婚するまでは手を出す気はないが……

エリナ

あ、本当ですか?

エリナ

ほら、やっぱり心の準備とかありますから

エリナ

男同士がいちゃいちゃするなんて、考えものですからね!

アルバート

……

アルバート

エリナは、女性だろう?

エリナ

あ、はい、それはもう

エリナ

……

エリナ

記憶が混乱しちゃってますね!

アルバート

それは、記憶の問題なのか……?

アルバート

まぁ結婚については、どんなに急いでも半年は掛かるから

アルバート

その点は、安心するといい

エリナ

わかりました、殿下!

アルバート

……

アルバート

いや、婚約者ということなら、俺のことはアルと呼んでくれ

エリナ

距離感が近すぎませんか、アル

アルバート

そうは言いつつも、早速呼んでくれたな

アルバート

これからよろしく、エリナ

エリナ

はい、よろしくお願いします

エリナ

ところで、殿下をアルとお呼びするのですから

エリナ

私のことも愛称で呼んでください

エリナ

あんまり省略のしようがないので、エリーなんてどうですか?

アルバート

ふむ、承知した。エリー

エリナ

ふふふ、色々な意味で興奮してしまいますね

エリナ

……

エリナ

ところで、アル

アルバート

何だ?

エリナ

私にやらせたいことって何ですか?

エリナ

そのために、この塔に幽閉しているんですよね?

アルバート

ああ、それすら忘れているのか

アルバート

俺が滅ぼした王国……エリーの直系の王族は

アルバート

「伝説の魔導船」を動かす力を秘めているんだ

エリナ

伝説の魔導船!

エリナ

かっこいい!

アルバート

え? ああ、うん

エリナ

それって、どこにあるんですか!?

アルバート

帝国と王国の国境沿いの……帝国領の方だな

アルバート

そこに眠っているのを、ようやく発掘したんだ

エリナ

なるほど、なるほど

エリナ

それで起動の鍵となる、私が必要になったわけですね!

エリナ

大きさってどれくらいなんですか!?

アルバート

……やたら食い付きが良いな……

アルバート

先に言っておくが、戦争の兵器として使うんだからな?

エリナ

私は戦争とか詳しくないですけど

エリナ

でも、戦争が終わったら平和になるんですよね?

アルバート

ああ、俺が皇帝になる頃には平和になっているだろう

アルバート

そのための、魔導船なんだ

エリナ

わかりました!

エリナ

難しいことは全部お任せしてしまいますが

エリナ

私は私の、出来る限りのことをしていきますね!

アルバート

あ、ああ

アルバート

……

アルバート

聞き分けが良すぎて、何だか怖いな……

エリナ

聞こえてますよ!

アルバート

あ、しまった

エリナ

でも、せっかく女性に生まれ変わったとあれば

エリナ

一生を賭して、旦那様にお仕えしましょう

エリナ

それが男心ってものです!

アルバート

……

アルバート

エリーは、女性だろう?

TS転生王女は殿下と一緒に世界征服をします

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