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虫虫?!恋愛作戦!!

第1話 - 一目惚れ

529

2025年08月11日

#司類

#冬彰

あかまる🍓🐾໊@イラコン開催

会社

「完璧」とは、オレという人間を表すのに実に適した2文字だ。

社員

天馬さん～～～！！！どどど、どうしましょう！！？

社員

明日のプレゼン資料のデータ、バグって消えちゃったんですけど！！！

司

それなら、もうバックアップとってるから復元出来ますよ。

司

なんなら資料も印刷してありますから、問題ありません。

社員

て、天馬さん……！！！！✨️✨️✨️

社員

ありがとうございますっ！！！今度何か奢らせてくださいっ！！

司

いえいえ、お気遣いなく。

社員

あ、天馬さん！この間の取引の件、本当にありがとうございましたっ！！

社員

せっかくの休日だったのに、お手を煩わせてしまって本当にすみません…！！！

司

丁度暇をしていましたから。お気になさらないで下さい。

社員

天馬さん……！！✨️✨️✨️

社員

天馬さんって、本当に完璧な方だよなぁ

社員

本当に！なんでも出来て頼りになるし、何よりカッコよくて優しいし！

社員

もう尊敬しかできねぇわ。俺も見習わなきゃだよな。

社員

私も天馬さんのお役に立てるように頑張る！！

そうだろう、そうだろう。

完璧だろう、オレは。

それはオレが1番よく知っている。

司

(天から与えられたこのビジュアルに加え、頭脳明晰で手先も器用、口もよく回るし、愛想もある。)

司

(ふぅ、こんなにも天からの授かり物が多い自分が恐ろしいな。)

人には優しく、常に尊敬の心を持って接する。

それは何に対しても、誰に対しても平等に。

なんせ、オレは「完璧」だからな！

社員

キャアアアアアアアアッ！！？

司

！？

社員

く、くく、蜘蛛っ！！！大きな蜘蛛が！！！

司

？！？！

司

(クッ……マジか、それはマズイ…！！！)

社員

て、天馬さんっ！！

司

(………………っ)

司

どこですか？

社員

こ、ここ！ここですっ！！

司

(ヒッ？！で、デカ！！！？！？！こんなデカイとは聞いてないぞ！！！！)

司

これはまた大きいですね。捕まえて逃がすので、少し下がっていてください。

社員

は、はいっ！

社員

ギャアアアアアっ？！？！跳ねたっ？！？！

司

(ギャアアアアアアアア？！？！？！そこを動くなぁぁぁぁぁあああ！！！！？！？！)

司

(はっ、はっ、はっ……に、二度とここに来るなよ……！！！頼むから…！！！)

社員

天馬さんんん！！！ありがとうございましたぁぁ！！！！

司

いえいえ。大きい蜘蛛でしたね。

社員

本っ当に！！！心臓止まるかと思いました！！

社員

でも、天馬さんって虫にも優しいですよね！殺すんじゃなくて、逃がすなんて！

司

小さくてもひとつの命ですから。無闇に奪うのは気が進まないんです。

社員

天馬さん……！！✨️✨️貴方はお釈迦様か何かですか…？！？！

司

ははっ、そんな大袈裟な。さぁ、業務に戻りましょう。

社員

はいっ！！

休日

司

(ふぅ……うむ、今日も完璧に綺麗な部屋だな！)

司

(家事までそつ無くこなしてしまうとは、流石はオレ…！！自分の才能が恐ろしい…)

ピンポーン

司

む！来たか。

司

はーい！！

司

いらっしゃい、冬弥。

冬弥

お邪魔します、司さん。

司

適当に座ってくれ！今飲み物を淹れよう！

冬弥

あ、ありがとうございます！

司

こうして会うのも久しぶりだな。少し背が伸びたんじゃないか？

冬弥

まだ測定前なので、伸びたかどうかは分かりませんけど…

冬弥

忙しい中の休日なのに、わざわざ時間を頂いてすみません。

司

いやいや！むしろ来てくれて嬉しいぞ！

司

それに、オレ相手にそこまで畏まる必要もない。楽にしてくれ。

冬弥

は…はい。

司

最近、学校はどうなんだ？もう新しいクラスになったんだろう？

司

友人と呼べる人は、出来たか？

冬弥

はい！

司

おぉ！！そうなのか！ぜひ聞かせてくれ！

冬弥

はい！えっと、明るくて優しくて、運動神経のいい男の子です！

冬弥

俺、運動得意じゃないけど…それでもいいからって、遊びに誘ってくれるんです！

冬弥

この間は、みんなで鬼ごっこをして遊びました！

司

そうなのか！いい友人だなぁ！

司

みんなで鬼ごっことは、楽しそうじゃないか！

冬弥

えへへ、とっても楽しかったです！

司

そうか……！！あぁ、それは良かった！

冬弥

司さんは、お仕事どうですか？

司

うん？もちろん順調だぞ！

司

昇進の話も順調だし……あぁ、そうだ！冬弥の進級祝いもしたいな！

司

冬弥、何か欲しいものや行きたい所はあるか？なんでもいいぞ！

冬弥

なんでも……いいんですか？

司

あぁ！もちろんだとも！

冬弥

その…俺、

冬弥

昆虫館に、行ってみたくて…

司

…………………

司

ん……？？すまん、「昆虫館」と言ったか？

冬弥

は、はい。

司

(落ち着け落ち着け落ち着け。冬弥の前だぞ。冬弥のお願いだぞ？？「なんでも」と言ったのはオレだろう？？完璧なオレに二言は許されんだろう！？！)

司

意外だな。冬弥、昆虫に興味があったのか？

冬弥

えっと…虫は、どちらかと言えば苦手な方なんですけど…

冬弥

実は……き、気になる子がいて、その子が虫好きらしく…

司

？！？！？！

司

き、きき、気になる子だとっ？！冬弥が？！？！その話詳しく頼むっ！！

冬弥

えっ？！え、えっと…！

冬弥

お、同じクラスの子で…！

司

な、なんと……！！！？あの冬弥に、冬弥に好きな子が……？！？

司

どこの誰だっ？！どんな子だ？！写真は？！名前は？！

冬弥

つ、司さん！話を戻していいですか？！

司

お、おぉ！そうだな！すまん！

冬弥

それで…その人が虫好きまで話しましたっけ。

冬弥

その子、好きって言うだけあって趣味が昆虫採集らしいんです。休日には兄と虫取りに行くとか…

司

(す、すごいな………無理だ………)

司

しかし…それで何故、昆虫館に行きたいと言う話に？

司

その子と一緒に行きたいのか？

冬弥

そ、それもあります！けど、今の俺には多分無理で…

冬弥

かっこ悪いところばっかり見せたくないし、少しは慣れておきたいなと…

司

(「かっこ悪いところは見せたくない」か……まぁ、そうだな。)

冬弥

それに、その子が「好き」っていうものを、俺も好きになりたいんです。

冬弥

その子の好きなもの、否定したくないから…

司

冬弥………

司

お前……大人だなぁ……！！

冬弥

そ、そうですか？

司

あぁ！少し感動してしまったぞ！

司

いいだろう！昆虫館でもどこへでも連れてってやる！

冬弥

ほ、本当ですか？ありがとうございます！

司

あぁ！今度の休みの日に行こうか！ご両親にはオレから話しておこう。

冬弥

はいっ！ありがとうございます！

休日

昆虫館

司

(落ち着け……落ち着くんだ、オレ…)

司

(大丈夫…大丈夫だ。そう、大丈夫。全部ケージに入ってる。展示されてるだけ。そうだ、大丈夫。)

冬弥

わぁ…思ってたより大きいんですね。

冬弥

こんな近所にあるの、知らなかったです。

司

あぁ、オレもだ！

司

(うぅ、まさか会社からも割と近い位置にあったとは…)

司

(しっかりしろ、オレ！冬弥もいるんだぞ！！いつも通り、完璧に振る舞え！)

司

そろそろ行くか。

冬弥

はい！

館内

司

(チケットは券売機か。大人1、子供1…)

司

(って、安いな？！大人で300円か！)

スタッフ

いらっしゃいませ～

司

お願いします。

スタッフ

はい！2名様ですね！

スタッフ

では、ごゆっくりどうぞ！

冬弥

わぁ……！すごいですね！大きい虫の模型がたくさん！

冬弥

なんか俺たち、小人になったみたいですね。

司

そ、そうだな！

司

(模型とは分かっているが！！デカイ！！あれとかオレよりデカイ！！泣きそう！！)

冬弥

あ、カブトムシとクワガタが向かい合ってる！

司

おぉ、本当だ！カッコイイな～！

司

(ああああああああぁぁぁデカイデカイデカイ)

冬弥

わっ、ムカデだ…！模型でも、ちょっと怖いですね。

司

リアルだなぁ

司

(無理無理無理無理無理)

冬弥

わっ！こんなところに大きな蜘蛛まで！

司

(ギャアアアアアアアア？！？！この間逃がしたやつの10倍はあるぅぅぅぅ！！！！！)

冬弥

ちょっと面白かったですね！

司

ははっ、そうだな！

司

(正気か冬弥、正気か？？いや、楽しかったなら何よりだが！！嬉しいが！！)

司

苦手という割には、案外平気そうだったじゃないか。

冬弥

まぁ、模型なのでそこまで抵抗感はありませんでした。

司

(なんて逞しい子なんだ……)

冬弥

次は……あっ、ちゃんと生きてる方の展示ですね。

司

(ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ動いてるぅぅうううぅぅうう)

冬弥

えっと……ゾウムシ？ですって！

冬弥

へぇ、どんぐりの中にいる虫なんだ！

司

(ギャアアアアアアアア？！？！無理無理無理無理無理無理無理無理めっちゃいる！！！！)

冬弥

いっぱいいるとちょっと気持ち悪いですね…

司

そうだなぁ。

冬弥

これを触るのは無理だなぁ…

司

(やめてくれ考えただけで震えが止まらん)

司

おぉ、隣はカブトムシだぞ。

冬弥

本当だ！

冬弥

見る分には大丈夫ですけど…触るのは流石に無理だなぁ…

司

…

司

冬弥は、触れるようになりたいのか？

冬弥

…出来れば、ですけど。

冬弥

あの子の好きなこと、一緒にしてみたいな…って、

司

あぁ、昆虫採集だったか…

冬弥

はい。最終目標はそれですかね。

司

そうかぁ…

司

…なら、オレもそれに付き合おう。

冬弥

え？

司

冬弥がそうやって頑張りたいと思うのなら、オレは応援してやりたい。

司

望むのなら、また何回だってここに連れて来てもいいぞ。

冬弥

い、いいんですか？

司

あぁ！冬弥の気持ちは、十分伝わったからな！

冬弥

あ…ありがとうございます！

冬弥

じゃあ、あの、お願いします！

司

あぁ！任せてくれ！

司

(…正直キツイが、冬弥のためだ。このくらいどうって事ない。)

司

(それに、虫は虫だが、コイツらはケージの中だ。それだけで幾分かマシだからな。)

司

(放し飼いでもされてる空間があれば無理だがな…ははは、)

司

(……オレは、フラグ建築士なのか？)

冬弥

チョウ温室……へぇ！蝶々がたくさん飛んでる部屋ですって！

司

(めちゃくちゃ放し飼いされてる……っ！！！！！)

司

(無理だ！！無理無理無理無理無理！！！飛んでる！！いっぱいいる！！！)

冬弥

今いる蝶々の数は……639匹みたいですね！

司

(ああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁ)

冬弥

司さん？

司

あ、あぁ！行こうか！

温室

冬弥

わぁ〜！

冬弥

すごい！近いですね！

司

アァ、チカイナ〜

司

(無……オレは無になる…そうだ…無だ…)

冬弥

この蝶々すごく大きいなぁ…！

冬弥

あ、このオレンジの蝶綺麗ですね！

司

そうだな！綺麗だな！

司

(オレは無害ですオレは無害ですオレは無害です)

司

(頼むからこっちに来るなぁぁああああ！！！！)

その時、やけに蝶がたくさん集まっている真ん中に、人がいるのに気が付いた。

司

(は……)

その時、稲妻が直撃したような衝撃が全身に走った。

オレの頭や服に蝶がくっ付いて来たのなんか気にならないほど、その人に見惚れた。

冬弥

わっ！司さん、すごい！蝶まみれですね！

司

？！

正気が戻ったのは、冬弥の声を聞いてからだ。

司

(ぎ、ギャアアアアアアアア？！？！？くっ、くっ付いて！！虫！！虫が！！！？！)

オレが動くと、その蝶たちはどこかへ飛んで行った。

司

(はっ、はっ、はっ…死ぬ、死ぬ……！！！)

モテモテでしたねぇ

司

？！？！？！

司

(はっ？！さ、さっきの…！！)

ちょっと失礼。服と髪を見せてもらってもいいですか？

司

は、はい？

たまに、蝶が服なんかに卵を産むことがあるんですよ。

司

？！？！？

だから念の為、確認しますね。

司

は、はい！よろしくお願いします…！！

司

(そんなん産まれたらたまったもんじゃない…！！)

…うん、大丈夫です。失礼しました。

司

あ、ありがとうございます…！

ふふっ。念の為、ここから出る前にお互いの背中や頭を確認してからご退室下さいね。

では、ごゆっくり。

司

(はぁ…)

冬弥

司さん？

司

(はっ)

司

あ、あぁ！何でもないぞ！

司

服に卵を産むという話に、少し驚いてしまってな！

冬弥

そうですね！俺もビックリしました。

司

出る前に、ちゃんと二人で確認しような。

冬弥

はい！

司

(ふぅ…な、なんだったんだ？まだ少し動悸が…)

司

(ち、蝶に群がられたからか！だからこんなに激しく動悸がするんだな！)

司

(落ち着け…！しかし、温室と言うだけあって暑いな…！)

司

(そうだ！蝶と、この温室のせいだ！)

司

おぉ、最後は動植物の展示か！

冬弥

昆虫だけじゃないんですね！

冬弥

あ、タヌキの…これは、剥製みたいですね。

司

おぉ、結構大きいなぁ。

司

(よし、このコーナーは全然平気だな。)

冬弥

これがメジロかぁ…

司

(おぉ、解説も真剣に…)

司

(…まぁ、楽しそうで良かった。)

司

(精神はだいぶすり減るが…冬弥の楽しそうな顔が見られるなら安いな。)

冬弥

楽しかったです！

司

それは良かった！

冬弥

司さん、本当にありがとうございました！

司

オレも楽しかったぞ！また来ような。

冬弥

はい！

司

(あっ)

司

(さっきの、温室の人…)

？

司

(こ、こっちに気付いた！！？)

ﾆｺｯ

司

？！

その人は微笑みながら少し手を振り、会釈をして奥の方へと消えていった。

司

(は……は…？は……？！？)

司

(な、なんだ？！虫がいるわけでも無いのに動悸がっ！！？)

司

(お、温室でもないのに暑いぞ？！？！)

司

(お、落ち着け！落ち着けオレ…！！！)

司

…

司

冬弥！帰ろうか。

冬弥

？はい！

この作品はいかがでしたか？

529

8件

周りから見えてる司と司の心の声がギャップありすぎて最高w 司〜それ動悸じゃなくて恋だよ〜(*ˊᵕˋ*) 4話まであるのは続きが楽しみすぎます！

続き楽しみすぎる！！司くんと虫はもう神回()4日間イベランしててコメントとかできませんでした😭💦ちなみにみのりチャプターで2035位でした…！ｽﾐﾏｾﾝｲｲﾀｶｯﾀﾀﾞｹﾃﾞｽ…

あの、ホントに毎回毎回すみません。永遠に思い付くんです、ごめんなさい。 4話まで出来てます。虫で叫びまくるてんつかが書きたくなっただけなんです。

あかまる🍓🐾໊@イラコン開催

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