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赤
遠くの方に黒い丸い何かが見えた それは、こっち左右に動きながら寄ってくる
何にもものがないからどのくらいの大きさなのかは分からないが、 今は、親指の爪と同じくらいだった
近くなるにつれ、吸い込まれそうになり、立っているのま一苦労だった
正直、何もしていなくてもいいこの空間は少し居心地が良かった
あれに向かって走るか、このままここに居るか、走って逃げるか 迷っているうちにあの黒いボールのようなものは、すぐ横にいた
赤
俺はそれに吸い込まれた
赤
目を開けると、病院にいた
横には、一瞬お母さんとお父さんがいるように見えた
けど、何も無かった
俺は起き上がり部屋を見渡した
ナースコールを押した
しばらく天井を見つめたままボーっと待ってた
がらがらっ
看護師
赤
看護師
赤
看護師
赤
辛い、辛かった 何をしている訳でもないのに、頭がくらくらして、嫌な予感がして、 一瞬見えたお母さんとお父さんが暗い表情をしていたことを思い出した
俺に向けてじゃなく、助けてあげて、と訴えるような顔だった
頭がくらくらするのは、そのせいだと確信した
赤
俺はずっと寝てたからか、身体がすごく軽かった まるで別人の身体のように
どこかからずっしりと来るこの重い空気はなんだろう
窓を少し開けて換気をした
赤
外を見ながら深呼吸をする 兄弟の顔が頭に浮かんだ
赤
何故か分からないけど確信が着いた 必ず全員でお迎えに来てくれること、 誰かの助けてと言う声が聞こえた
赤
しばらく立っていると、身体がふらつきベットの方へ倒れ込んだ
赤