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今日は待ちに待ったクリスマス!
すでに公園はカップルのたまり場となっている。
カップルの女の子は皆一様にして気合いの入ったお洒落をしているが……
私はユニク○のヒートテックにジャケット、ニット帽に手袋と装備はガチだ。
別に私が極度の寒がりとか、ここが特別寒い地域というわけではない。
今日のデートにはそれくらい防寒が必要ってこと!
薄氷で固まった石製の年季の入ったベンチに腰掛け、待つこと数分……
Sy
公園の入口から紫のヘルメットと、モコモコファーの付いた紫のライダースーツ姿のsyくんがやって来て、お互い視認した。
私がお尻についた泥だか雪だかを払い、立ち上がった隙にsyくんが小走りで寄ってきてくれて、眠そうな笑顔を見せてくれた。
Sy
Sy
本当は今日が楽しみでめちゃめちゃ早起きしました!なんて言うのは恥ずかしいので隠した。
syくんの口元からホッと安堵の白い吐息が漏れた。
Sy
Sy
Sy
うう、一喜一憂忙しいよ……
これはもう、惚れた方の負けってことかなぁ
今年の4月、私に後輩が出来た。
それがこちらsyくん。
眠くて気だるげな態度に最初は心配したけれど、仕事は真面目で優秀で、1年は私がサポートするはずなのにあっという間に自立しちゃった。
彼の仕事に対する真摯で真っ直ぐな様子に惹かれてしまい、私から離れて初めて好きだって気づいたけど……
私は告白するのを悩んでいた。
自分が魅力的かとか問題は他にもあったんだけど1番気にしてたのは先輩の私に気遣って告白を受け流されるのが1番怖かった。
結局、勢いと捨て身で告白した結果、彼は「いいっすよ」とあっさりOK……残業の手伝いをお願いした時みたいな反応で目が点になってしまった。
それが先月の出来事で……クリスマス誘うのはおこがましいかな?とかモヤモヤ悩んでいたらsyくんからツーリングに誘われた。
元々アウトドア派でドライブ好きな私は二つ返事で、こうしてやって来たと言う流れだ……
やっぱりsyくんは先輩だからって理由で私を立てるために付き合ってくれてるのかな?
もしそうだったら……申し訳ないのに……
楽しみで嬉しくてドキドキしてる自分が情けない……
Sy
Sy
案内されてsyくんの入ってきた公園の入口から出ていき、道路に停められた彼のバイクを見た。
Sy
軽々とバイクを跨いだsyくんって意外と足長っ……
メカメカしいバイクに負けないかっこよさがあり、様になっててますます惚れ直してしまう。
Sy
ゴーグルを掛けたsyくんが後ろのシートをポンポン叩く。
これって……思ったよりもかなり密着しない?
シートの縁ギリギリに座って、遠慮がちに背中に手を触れるとその手を掴んでグイーッと引き寄せられた。勢いで背中に頬っぺたくっついたんですけど!背中暖か!
Sy
Sy
仕事のテンションでテキパキしてる……!
腰回り細いっ!あと、絶対腹筋割れてる!スーツ越しにも腹筋固い!
こんな魅力的な後輩の背中に抱きつくなんて……私、心臓持たないかも……でも幸せ……
Sy
Sy
Sy
さりげなく手をぎゅっと握られた!
Sy
ブルルルッ…ガオンガオンウォンウォンウォン!
怪獣のような唸り声を上げてエンジンが始動し、マフラーから白煙が排出される。
滑らかな走りと心地いい振動に揺られて……クリスマスデートの始まりだ!
空気はパリッと張り詰めて冷たいが、天気はかなり良かった。
冬の海沿いを走る心地よさといったら言葉にできない悦びがある。
Sy
エンジン音に負けない声量でsy くんが提案してくれる。
Sy
かなりはしゃいでたと思う……それくらい楽しいデートだった!
お茶して温まってー、観光地巡ってー、河原で休憩してー、公園に戻ってきてーと濃い一日を楽しんだ!
Sy
Sy
Sy
Sy
だめ、だめ……気にしちゃダメ、顔に出すな……!
良かったでしょ、今日が楽しくて……感謝しないと、それが先輩後輩のラインを越えないデートでも……!
わきまえなきゃいけないのに、泣くのはずるいよ私……涙乾け……っ
Sy
逃げようとした私の手を彼に掴まれた。
そしてそのまま正面からぎゅっと抱き締められた
Sy
Sy
Sy
Sy
顔を上げた時に目が合った彼の顔は優しい眼差しでありながらも真剣で、目を逸らすことが出来なくなった。
Sy
Sy
Sy
Sy
優しく顎に触れられ、上を向くといつもよりずっと傍にsyくんがいるような感じがした。
Sy
ちゅ
メリークリスマス♪