任務場所は 小さな公園
星が綺麗
このまま、 ここで時が止まってしまえば良いのに
呪いとか 恋とか全部忘れて
ずっとここに居たい
あそぼ?
行かないで?
背後から、 呪霊が現れた
術式自体は それ程強くないだろう
でも、 ここに何年巣食ってんのか
呪力といい見た目といい… とにかくえげつない
呪霊自体は3級
いっても せいぜい2の下の下
余裕なはず
でも、なんで? 体が動かない
術式? こいつが何かしたの?
いや、違う これは…
恐怖
怖いの? 私 この程度の呪霊が
1級なのに?
今まで会った事の無い呪霊
でも、いける 倒せる 無傷でいける
帰って、 どうするの?
生きて帰るんだ
帰ってなんになるの?
こんな奴にやられてたまるか
帰ってももう、悟はいない 1人だ
みんなに心配かけたくない
心配してくれる人なんている?
もしかしたら、 みんなあの子の味方かもよ
帰っても 邪魔者扱いされるのは私で あの子がみんなに守られる
そんなの見たくないでしょ?
じゃあもういっその事
ここで 死んじゃおうよ
死んじゃえば楽になる
もう 何も考えなくていい
逃げちゃおうよ 消えちゃいたいなら、 消えちゃおうよ
そう 諦めちゃおう
嫌な事全部 ね?
キィィィ
呪霊の 子供の声にも 悲鳴にも聞こえる奇妙な声
ビッギぃ…
悟 私を一方的に突き放して 見捨てた事
後悔させてやるから 私をこんなに好きにさせといて あれだけの愛を教えておいて
たかが記憶無くなったくらいで はいさよなら?
ふざけんな こいつ倒したら 今度は悟を張り倒してやる
バチッ、バチバチ
私の周りを電気が駆け巡る
蚊雷雷爆
ドカン バチッ バキバキ
うるさく音をたてて 呪霊に雷が落ちる
落雷はしばらく続き 収まった頃には 跡形もなく呪霊は消えていた
こんなところで
終わってたまるか
イヒっいヒヒヒ
生きて帰るんだ
突然現れた特級 等級的にも上だし、 完全に負ける
ほんとついてない 軽い風邪気味って感じだったのに
ちゃんと治療出来なかったからか そこまで酷くなかった風邪が 酷くなっていて
さらに、 この間の任務の傷 油断してつけられた傷
傷から菌でも入ったかな?
熱が出て 咳も止まらない
さっきは そこまで酷くなかったと思うんだけど
右腕の骨は折られ 体中傷だらけ 頭も結構深めな傷があり
全身から 血がだらだらと流れる
貧血と熱で 頭がおかしい もう限界
あぁ、無理だ 終わった
私は木にもたれかかって 座り込んだ
こんな時に限って単独任務
ほんと ついてないな
あーあ
このまま悪役で終わるのかぁ それなら 悟を1発殴っとけば良かった
あ、そうすれば 記憶も戻ったかな
そんな事を考えてるうちに 特級が私目掛けて拳を振り下ろす
死ぬんだ 私
最後に1回くらい、 悟の笑った顔、見たかったなぁ
私は 死を覚悟した
でも、 いつまでたっても 殴られない
殴られるどころか 優しく抱き上げられた
頭がぼーっとして 起きているのも精一杯
でも、 白い髪に青い瞳
走馬灯ってやつなのかな 悟が私の名前を呼んでいる気がする
目の前にいる悟は 今まで見た事がないくらい 焦っていて
見ているこっちが不安になる
ほんとにこんな風に 助けに来てくれたらいいのに
はぁ、 最後に思い出すのはやっぱり悟か
その顔に触れたくて 手を伸ばすけど 届かなくて
私の意識は そのまま 暗い闇の中に沈んでいった
to be continued
コメント
1件
読んでたらなんか泣けて来た。 こういうストーリー結構好きです。