近くの公園に散歩に行っていると
別れた妻がいた
義人
義人
昔と変わらない顔
服の趣味も変わってない
風になびくほどだった長い髪は
肩まで短く、バッサリと切られていた
噴水の前で、1人弁当を食べている彼女
付き合っていた時のことを思い出した
集合場所に行ったら
「遅いよ」と怒りながらも
「やっと来てくれた」と嬉しそうにしていた彼女を思い出す
そうして結婚したけど
上手くはいかなくて
結局、別れてしまった
それでも今更気付いた
彼女がそばにいないとダメなことを
義人
義人
名前を呼び掛けて、その言葉を飲み込んだ
仮に、彼女が僕を忘れ幸せになっていたとしたら
邪魔をしてはいけないんじゃないかと
僕のことを意識させない方がいいんじゃないかと
そう感じたからだ
義人
義人
独り言か彼女に向けて言っているのか分からない声で
そう言い放って、僕はその場を立ち去った
近くの公園で昼食を食べていたら
別れた夫がいた
昔から何も変わってない姿で
公園を散歩していた
夏帆
寝癖があることに気付かないのも、昔から変わらない。
話し掛けてくれるかなって
話したいなって
話し掛けられるのを待ってたけど
彼はそっぽ向いてその場を去った
夏帆
夏帆
彼の名前は
小さく空に消えていった
彼は
別の人と幸せになっているのだろうか
夏帆
彼の幸せを邪魔したくない
彼の幸せのためなら…
夏帆
今も思い出す
君と笑いあっていたあの頃を
夏帆
私たちの恋は
これで本当に
本当に、お終い。
コメント
2件
あぁぁぁぁぁぁ!! お互いを思いやる気持ちが,考えが,2人の間に壁をつくってるぅぅぅ((((うるさいわ)