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準備を終えた月はひとりで無限城を出た。
夜の街。
遠くからでもわかる、遊郭の灯り。
月
足を進めるたび胸の奥がひりっとする。
人間だった頃この辺の路地で過ごした記憶が勝手に浮かんでくる。
月はフードを深く被り俯いたまま歩いた。
月
遊郭そのものというよりそこにまとわりつく記憶が。
テンションは、自然と落ちていた。
そのとき。
月
足元で小さな気配。
見るとオオカミに似たふわふわの犬がこちらを見上げている。
月
月がしゃがむと犬は嬉しそうに尻尾を振った。
月
指先に鼻を押しつけてきてくるっと一周。
思わず、口元が緩む。
月
ほんの少し胸の重さがほどけた気がした。
犬に手を振り月はもう一度遊郭へ向かう。
京極屋。
裏口の前で立ち止まり一度だけ深呼吸。
月
そっと扉を開けると
堕姫
現れたのは人間の姿をした堕姫だった。
堕姫
小声でそう言うと周囲を確認し素早く月を中へ入れる。
堕姫
月
堕姫
月
言いながらも堕姫は月のフードを気にしていた。
堕姫
堕姫
月
輪も翼も隠れてはいるけど不自然なのは確かだ。
堕姫
堕姫は月を部屋に通し向かい合って言う。
堕姫
堕姫
堕姫
月
堕姫
月は目を閉じ、集中する。
でも――
堕姫
月
翼がぴくっと揺れる。
堕姫
堕姫
月
何度か失敗して肩を落とす月。
月
その声に堕姫は少しだけ表情を変えた。
堕姫
そう言ってるなの前にしゃがんだ
堕姫
堕姫
月
その言葉に月は驚いて目を開く。
堕姫
再び集中して――
月
ふっと体が軽くなる。
目を開けると翼も輪も消えていた。
月
月
堕姫
堕姫は満足そうに笑う。
堕姫
月は自分の手を見つめ小さく息を吐いた。
ひとりで来た遊郭。
怖くて、嫌で、思い出したくなかった場所。
でも今は――
ちゃんと、味方がいる。
月は静かに頷いた。
はーとおねがいします🙏🏻 ̖́-