学校付近の立ち入り禁止の薄暗い山。
その山に、足を踏み入れ少し進んだ俺ら。
バレたら何されるか分からない、というのに。
小鳥の百囀りが聞こえる。
草が風に靡いて、カサカサと音をたてる。
そんな音に紛れる俺たちの声。
18号
18号
りぃちょ
りぃちょ
しろせんせー
ニキ
キャメロン
「あの妖精」。
それは俺らが通ってる学校に昔から伝わっているとある噂のもの。
そのとある噂は、
「学校付近にある立ち入り禁止の山に俺らくらいの人でも動物でもない、何かの妖精がいる」。
ということ。
俺はこの噂を信じてるわけではない。 でも少し気になるからりぃちょ達について行く。
ニキ
ニキ
りぃちょ
しろせんせー
りぃちょ
しろせんせー
18号
じゅうはちの不安そうな発言に俺らは耳を傾ける。
が、俺はそんなじゅうはちにノリで近づこうとセクハラのような言動をじゅうはちにする。
ニキ
しろせんせー
ニキ
キャメロン
ニキ
りぃちょ
ニキ
しろせんせー
なんて。 じゅうはちが抱えてる恐怖をそっちのけで俺らはいつも通りの会話をしながら森を駆け歩いていく。
ーーーーあの雑談から結構経ったと思う時、じゅうはちがまたもや不安そうな言葉を放つ。
18号
じゅうはちの不安が漂った言葉を聞き、 俺らは上を見上げる。
ニキ
上を見上げたその先にはほんのり青みがかかった黒い空…いや、夜空。
そんな夜空に多少焦りが出てくる。
これマジで帰らないと怒られない…? いくら門限が無いからって流石にこの時間は怒られる…。
……もう帰った方がいいな、これ。
そう思い口をつこうとした矢先に、俺らよりも後ろを歩いていたキャメロンが突然大声をあげる。
キャメロン
そんな大声に俺含んだみんなはキャメロンの方にばっと目線をやり、急いで駆けつける。
りぃちょ
18号
ニキ
みんながキャメを心配しているのにも関わらず、キャメは驚いた表情である一点を見つめていた。
ニキ
そんなキャメに声をかけるも返事はなし。
しろせんせー
しろせんせー
また、返事はなし。
二回も返事がないことに少し不快感を覚え、俺はキャメの顔の目の前に手を出そうとしたその時、
キャメが「あ……あれ……」と少し震えた声と共に指を自身の目先に指す。
18号
その指につられ、俺らもキャメが指が指す方向へと目線を向ける。
しろせんせー
18号
ニキ
キャメロン
するとそこに居たのは、
木の枝に軽々と乗っていて、人間の形をしているのに羽が生えている何かが居た。
謎の者に俺らは口々に言葉を零す。
りぃちょ
しろせんせー
しろせんせー
ニキ
しろせんせー
認めたくないけど頭の良いぼびーが口を閉ざす。
ドッキリでしょ?とも言えないこの状況に、みんなは考えているのか無言になる。
…いや、え?
……誰……?
この場に居る全員が考えていると、謎の者はこっちに気づいたのか、
「へ?!」と驚いた声をあげ肩を跳ねらせる。
りぃちょ
しろせんせー
ニキ
ぼびーが不安そう顔をして俺らにそう訪ねてきたので答えようと、
コソコソ話していると謎の者が「あ」と声を漏らす。
18号
りぃちょ
なんでうちの学校の噂知ってるんだ……?
俺らしか分からないような噂の内容を知っている謎の者に、みんなは
「なんで知ってるの?」
と言わんばかりのハテナを頭の上に浮かべていた。
でもそれは多分俺も同じだと思う。 俺だってなんでこの人が噂を知ってるか謎だし。
頭の上にハテナを浮かべる俺たちを見て、謎の者はクスッと息を漏らしたような笑いを零しては俺らの心が見えてるかのような言葉を放つ。
キャメロン
驚き、声も出なかったキャメが突然にそう言うと謎の者は優しい、ニコッとした笑顔を浮かべた。
少し、肩に力が入るのを感じる。
「え」
妖精を省いた俺らの声がハモる。
…え?
いや……え??
りぃちょ
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
しろせんせー
ぼびーが明らかに動揺しているのが分かる。
いや、ぼびーだけじゃなくてあの妖精以外の俺ら全員が動揺してる。
……え、マジで言ってる?
妖精ほんとにいんの……?
18号
キャメロン
ニキ
……仲良く……?
予想外の言葉に、また俺らは硬直をする。
ニキ
ニキ
ニキ
そういった妖精は心做しか、少し苦しそうな表情を俺らに見せる。
ニキ
りぃちょ
りぃちょ
りぃちょがなぜか、申し訳なさそうな表情でそう聞いた。
まちこりーた
まちこりーた…聞いたことない名前だ。 ……学校にも近所にも居ないし…。
キャメロン
18号
まちこりーたさんの名前を覚えようと、「まちこりーた」と復唱してる声が所々に聞こえる。
まちこりーた
ニキ
りぃちょ
まちこりーたさんの質問に、口をもごもごとさせながら順々に答えていく。
りぃちょの次はキャメ、その次はぼびー、その次はじゅうはち……と。
全員の自己紹介を終えると、まちこりーたさんはにぱっと効果音の付いたような笑顔を俺らに見せる。
まちこりーた
りぃちょ
ニキ
まちこりーた
まちこりーた
ニキ
会話が止まり、俺はまちこりーたさんのことについて考える。
「本当に妖精なのか」、「なんでここに?」
大いなる疑問はこの二つで、その疑問について考えるも答えなんて分かるはずがない。
まちこりーた
キャメロン
りぃちょ
しろせんせー
ニキ
18号
キャメロン
それぞれそう口にし、まちこりーたさんに別れの挨拶もなしに帰ろうと背を向ける。
するとまちこりーたさんの「そっか」という、声が聞こえ俺らは一度足を止め、まちこりーたさんの方を向く。
まちこりーた
まちこりーた
まちこりーた
にへ、と微苦笑のような笑みをまちこりーたさんは俺らに見せる。
その苦しそうな笑顔に、俺は胸を弾かせるーー……
なんてことはなく、まちこりーたさんのことも気になるし暇だしで俺は明日もここに来ると宣言をする。
ニキ
俺がそう言うとまちこりーたさんはピカッ、と顔にライトでも当てたような眩しく無邪気な笑顔を見せ喜ぶ。
りぃちょ
そんなまちこりーたさんを見て……なのか、それとも俺と同じような理由でなのかは知らないけど、
俺に続きりぃちょが「俺も来ようかな」と曖昧な言葉を口にした。
そんなりぃちょに続きじゅうはちも来る、と発言をする。
18号
キャメロン
しろせんせー
ぼびーとキャメの返答に、少し顔を曇らすも暗闇でも分かるくらいの明るさで光る、まちこりーたさんの笑顔。
まちこりーた
18号
ニキ
りぃちょ
こういう場面で感謝を言われ慣れてない、俺ら三人は曖昧な返事をし、
「また明日」
と六人でまちこりーたさんに放つとまちこりーたさんは、
「また明日」
と、涙ぐんだ声で返事をした。
そんなまちこりーたさんの涙ぐんだ声に、少し疑問を抱くも俺らはその場を後にしたーー。
コメント
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最後無理やり終わらせたんです。 許して。