テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
13
67
#刑事もの
鬼霧宗作
1,231
臣桜
2
スマホの画面
そこには二つの選択肢
【はい】 【いいえ】
Q 貴方は、 高瀬悠真さんに告白したことはありますか?
春馬 千秋
答えは決まっていた。
忘れることなど一度もない。
忘れられるはずもない。
【はい】
タップした瞬間
記憶が広がる
高校三年
二月
卒業まで残り一ヶ月
千秋は校舎裏に立っていた。
冷たい風が吹いている。
手が震える。
春馬 千秋
高瀬 悠真
春馬 千秋
高瀬は少し不思議そうな顔をしていた。
高瀬 悠真
高瀬 悠真
春馬 千秋
高瀬 悠真
高瀬 悠真
高瀬 悠真
彼の言葉が頭に入らないほど
脳裏に色んな感情が行き来している。
春馬 千秋
高瀬 悠真
春馬 千秋
春馬 千秋
帰れ
やめろ
言うんじゃない
頭の中で何度もそんな声が響く
「お前は高瀬悠真の隣に相応しくないんだ。」
春馬 千秋
「好きなんだ」
沈黙
風の音だけが聞こえる。
高瀬 悠真
当然だった。
こんな反応にもなる。
春馬 千秋
春馬 千秋
春馬 千秋
春馬 千秋
高瀬 悠真
優しい声だった。
怒りも嫌味もない
ただ困っているような顔。
高瀬 悠真
高瀬 悠真
春馬 千秋
春馬 千秋
春馬 千秋
高瀬 悠真
高瀬 悠真
それで終わった。
振られた。
それだけだった
はずだった。
千秋はその時、
安心していた。
嫌われなかった。
笑われなかった。
殴られなかった。
それだけで十分だと思っていた。
だが、
三日後、
男子生徒A
男子生徒B
女子生徒A
教室に入った瞬間
空気がおかしいことに気が付いた。
視線
笑い声
ヒソヒソと話す生徒達。
春馬 千秋
聞こえないフリをした。
だが、
男子生徒A
春馬 千秋
男子生徒A
周囲から笑い声が起きる。
男子生徒A
千秋は何も言えなかった。
男が男を好きになる、たったそれだけとことで、何故
好きになった側の相手が軽蔑されて、白い目を向けられて、
逆に好きになられた方は
「大変だったね」
「気持ち悪いね」
などと同情の言葉を放たれるのだろう。
春馬 千秋
「逆にお前らが同性を好きになったらおんなじ事言えんのかよ」
そう言ってやりたかった。
その日からだった。
話しかけられる回数が減った。 隣の席に座ろうとする人が減った。 目が合うと逸らされることが増えた。
誰も直接は何も言わない。
けれど、
教室の居心地だけが、 少しずつなくなっていった。
春馬 千秋
そして
千秋はある人物を見る
今日の奥 高瀬悠真
友人達に囲まれている。
春馬 千秋
そう思った。
そう考えるしかなかった。
だって。 知っているのは。 高瀬しかいなかったのだから。
現在
千秋は目を閉じる。
あの日から。 恋愛という言葉を見るたびに苦しくなった。
幸せそうなカップル。 恋愛ドラマ。 結婚報告。
羨ましいと思う。
妬ましいと思う。
だが、同時に
どこかで嫌悪してしまう。
自分には関係ない世界だと。
その時。 スマホが震えた。
Q ご回答ありがとうございます。
春馬 千秋
Q 次の質問です。
画面が切り替わる。
Q 貴方は、 高瀬悠真さんを憎んでいますか?
千秋の指が止まる。
コメント
1件
うわ……これ、辛すぎる……。「はい」を選んだ先にあるのが、あの教室の空気とか男子生徒の「冗談」とか、読んでて胸がぎゅっとなったよ。千秋が「嫌われなかった」って安堵してたのに、その後で秘密が広がって孤独になっていく流れが切ない……。最後の「憎んでいますか?」で指が止まる千秋の心情、めっちゃ気になるわ。続き読みたい🔥