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愛莉
ねえ！
彩香
ん？どした？
愛莉
みみずうどんって知ってる？
彩香
なにそれ、みみずのうどん？
愛莉
お、当たり！
彩香
え、なにそのうどん。気持ち悪っ
愛莉
正確にはね〜...
愛莉
あ、お母さんに呼ばれた
彩香
まって、いい所で逃げる気？w
愛莉
ごめん、急いでるみたいだからさ
愛莉
ごめんよ！！
彩香
どうしてもモヤモヤするな...
お母さんなら知ってるかな
お母さんなら知ってるかな
彩香
おかあさーん！
彩香
みみずうどんって知ってる？
お母さん
いきなりどうしたの？
彩香
友達に名前だけ聞いたの
お母さん
...分かったわ、みみずうどんっていうのはね
彩香
...うん
お母さん
ある所に若い夫婦と、
盲目のお母様が一緒に暮らしていたの。
盲目のお母様が一緒に暮らしていたの。
お母さん
そのお母様は誰が見ても、
その若い夫婦に虐待されていたわ。
その若い夫婦に虐待されていたわ。
お母さん
それこそ
『みみずうどんを食べさせられてんじゃないか』
って噂になるくらいに
『みみずうどんを食べさせられてんじゃないか』
って噂になるくらいに
お母さん
そんなある日、そのお母様がお亡くなりになったの
お母さん
若い夫婦は『これで2人で暮らせる』
そう近所の人に言っていた
そう近所の人に言っていた
お母さん
ところが、
その夫婦はどんどん家に引きこもっていったの
その夫婦はどんどん家に引きこもっていったの
お母さん
近所付き合いをやめ、外出をやめ、
しまいには雨戸をきっちり閉めて閉じこもった
しまいには雨戸をきっちり閉めて閉じこもった
お母さん
流石に近所でも噂になった。
そこで何人かでその人の家に行ったの
そこで何人かでその人の家に行ったの
お母さん
けれど出てこない、
何を問いかけても大丈夫だ。と答えるばかり
何を問いかけても大丈夫だ。と答えるばかり
お母さん
力づくで開けようとしたその時
若い夫婦
あけないでっ！！
若い夫婦
覗かれる...
若い夫婦
覗かれる！！
お母さん
と、叫んだの。
お母さん
しかし、出てこさせないと死ぬかもしれない。
親族の人達を呼んでその家に強引にあがりこんだの。
親族の人達を呼んでその家に強引にあがりこんだの。
お母さん
そしたらそこには夫婦で肩を抱き合って、
震えてる夫婦の姿があったの
震えてる夫婦の姿があったの
お母さん
窓には板が打ち付けられているし、
どこからも覗かれるはずなんてないのに
夫婦は「覗かれる...」とずっと言ってたの。
どこからも覗かれるはずなんてないのに
夫婦は「覗かれる...」とずっと言ってたの。
お母さん
覗いていたのは
亡くなったお母様、って噂よ
亡くなったお母様、って噂よ
彩香
...そんな話だったんだ
お母さん
...まあ、夫婦が可哀想にも思えるけど
怖くないものを怖いものにしたのはその夫婦だからね
怖くないものを怖いものにしたのはその夫婦だからね
お母さん
とりあえず、愛莉は高齢者の方を大事にするんだよ
彩香
はーい
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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