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もう少し早く気づいていれば、違う未来になっていたのだろうか。

レイナ

ねぇ息抜きに映画見に行こうよ🎬

西谷春翔

気持ちは嬉しいけど、、

レイナ

受験生は映画観ちゃいけないって法律はないよ😁

レイナ

彼女がいるからって、女友達と遊んじゃいけないって法律もない

レイナ

いいでしょ?一回くらい✨❤

受験シーズンに突入して気を遣っているのか、のぞみからの連絡が少なくなって

出来た彼女だと思うと同時に、寂しさが募って_____

西谷春翔

一回くらいならいいよ

どうかしてたんだ。 と言っても誰も納得しないだろうけど

レイナ

今度一緒に勉強会しない?

西谷春翔

いいよ

レイナ

塾一緒に行かない?

西谷春翔

いいよ

レイナ

なんか私達彼氏と彼女みたいだね😳

西谷春翔

そうだね

西谷春翔

あのさ

西谷春翔

そろそろ彼女にもバレそうだから

レイナ

え?

西谷春翔

いや、最近俺達のこと噂になってるし

レイナ

え?別にいいじゃん

西谷春翔

本当ごめん

西谷春翔

正直に言うと彼女にバレた。

西谷春翔

だから

レイナ

ヤバくなったから逃げるの?

レイナ

もう春翔だって気づいてんでしょ。こんなに分かりやすくアピールしてるんだから

西谷春翔

レイナ

見せつけてやったんだよ。春翔の彼女に

レイナ

年の差恋愛なんて弊害だらけで長続きしないって

もう少し早く気づいていれば、違う未来になっていたのだろうか

今でものぞみの隣に並べていたのだろうか

柚月

応答なし

応答なし

柚月

今時間ある?

山川のぞみ

ごめん。鞄の中でスマホが行方不明だったの💦

柚月

電話していい?

山川のぞみ

いいよ

既読がつくと安心して、返事が来ると嬉しくなる。 そんな甘くて酸っぱい何かを

僕はのぞみさんと共有したい。

どんな言葉でも取り繕えない。すぐに全部覆える。

どれだけ後ろ指刺されても

やっぱり僕はのぞみさんが好き

柚月

1週間も無視してごめんなさい

山川のぞみ

あ、ごめん。全然関係ないんだけど

山川のぞみ

今柚月君どこにいるの?

柚月

ひりあ小の前だけど…

山川のぞみ

オッケー

山川のぞみ

じゃ話を再開しよう

山川のぞみ

なんで1週間も無視なんてしたの

柚月

ごめんなさい

山川のぞみ

……春翔に____元彼になんか言われた?

柚月

__蛙の子は蛙みたいな

山川のぞみ

何それ信じられない

山川のぞみ

ごめんね、気づいてあげられなくて

柚月

いや僕が言わなかったから

柚月

…昔からそういうのは1人で抱えこんでたから

柚月

今までは、そうするしかなかったんだけど

柚月

今は違う

柚月

自分の気持ちに蓋をするのが凄く辛い

柚月

きっと弊害だらけだと思うけど
僕はお姉さんと一緒にいたい

柚月

のぞみさんが好きだから

生じた嗚咽は誰のものだっただろうか

視界が霞む。 電話の向こうの彼女の声も濡れていた。

山川のぞみ

私ね、運命の出会いを信じるタイプ

山川のぞみ

初めて会った時から閃くものがあった

山川のぞみ

根拠は何もないけど

山川のぞみ

きっと二人だったら大丈夫な気がする

柚月

うん

今ならどんな我が儘も許される気がした。 会いたい と言っても許されるはず。許されたい。

柚月

__今どこにいるの?

山川のぞみ

近く

山川のぞみ

めっちゃくちゃ近く

柚月

え?

山川のぞみ

もう電話切るよ

山川のぞみ

柚月君の姿見えてるから

柚月

うん

通話を切る。 涙を拭く。

振り向く。

泣き笑いの彼女が立っていた。

山川のぞみ

びっくりした?

___きっとまた明日も机に落書きされる。 「蛙の子は蛙」と馬鹿にされる。

いつものことだ。 __だからいつもと違う「今」にもう少しだけ浸っていたい。

のぞみさんの手に自分の手を重ねる。指を絡める。

僕とのぞみさんが、この手を温かいと思えたらそれでいい。

特別なことは出来ないけど、替えはきかない彼氏になってみたい。

柚月

前にのぞみさんがくれたビーズの猫壊しちゃった

山川のぞみ

いいよいいよ。いつでも作れるし

山川のぞみ

今度柚月君が遊びに来る日までに新しいの作ってあげる

柚月

じゃあ明日

山川のぞみ

じゃあついでに1週間鍛え上げたゲームテクも見せてやろうかな

柚月

再起不能一歩手前まで負かしてあげる

山川のぞみ

え。怖………冗談…ですよね?

駄目だ。泣きそう。

今日のことは一生忘れないから、あと少しだけ贅沢してみたい

_彼女の腕をとって歩いてみた_

山川のぞみ

腕組むとか

山川のぞみ

ありがちなシチュですね

柚月

回りくどくなくていいでしょ

山川のぞみ

うん

山川のぞみ

凄く彼氏と彼女っぽい

今日はどうも涙腺が緩い。

泣き笑いの彼女が歩いていた。

負けた と思った。

文句のつけようがない相思相愛。 俺の入る隙間は1ミリもない。

あの関西弁の女性の言う通り、もう俺が何を言っても無駄なんだろう。

夕日が差し込む町中を歩く大学生と中学生。目が離せないでいると、

鳴沢柚月と目があった。

彼は一瞬思案する表情を見せたが、ゆっくりと俺の元に歩み寄って来た。

中学生の目には俺を軽蔑する色もなければ迷いもない。 俺から片時も目を離さず言った。

柚月

先生の言ったことは間違ってないです

柚月

どんな言葉で取り繕っても、お母さんのしていることは褒められることじゃないです

柚月

その事実は一生変わらないです。
でも

柚月

僕がのぞみさんを好きだっていう気持ちは
そんなことで揺らいだりしないです

柚月

この気持ちに、嘘はつきたくないです

そんな風に言われたら、もう駄目だ。 この中学生に勝っているところなんて1つも思い浮かばない。

年の差恋愛なんて弊害だらけで長続きしないと昔誰かが言っていた。

今それが覆えされたのを見て吹っ切れた。

西谷春翔

確かに俺はまだのぞみが好きだよ

西谷春翔

ヨリを戻したい一心で君を凄く傷つけた

西谷春翔

けどのぞみのあんな幸せそうな顔を見たら、流石に悟ったよ

西谷春翔

_最後に2つだけ言わせてくれ

西谷春翔

1週間前のことは、本当に申し訳ない

西谷春翔

酷いことを言ったと自覚している

西谷春翔

信じてくれなくて構わないけど、君と初めて話した時言っただろ。誰も傷つけたくないって

西谷春翔

あの気持ちに偽りは無い

西谷春翔

それともう1つ

社交辞令ではない、心からの笑みを向ける。言葉を紡ぐ。

少し声が震えたが、悪い気はしない

西谷春翔

彼女さん、幸せにしろよ

俺の前でおそらく初めて、鳴沢柚月が微笑えんだ。

彼は大きく頷くと会釈して踵をかえした。

彼女の元に帰っていく。手を繋いで歩いて行く。 俺は二人の姿が見えなくなるまで見届けた。

__これはエンディングじゃない。 ハッピーエンドで終わるには問題は山積みだ。

だけど俺は確信した。 俺より強くあの二人も確信しているはずだ。 きっと大丈夫だ。

__二人だから__

女子大生と男子中学生が交際している話

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コメント

9

ユーザー

非リア弟さんの一つ一つの言葉選びがもう素敵です!! 本当にこのお話好きです… ひと段落ついて安心かと思いきや、元彼は四天王の最弱王ですか笑 まだまだ強敵が沢山いるという訳ですね…!

ユーザー

これからも楽しみですー!

ユーザー

やっぱりのぞみさんと柚月くんのペアは感動するしキュンキュンします✨ これからの展開も楽しみです!

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