無能と呼ばれた彼

さっきまで静かだった場所に

人の声がする

バレないやろと そのまま休んどったら どうやらバレたらしい

ゆっくりと剣を持って 僕は立ち上がった

そう言われれば出るしかない

それもこの声

僕が聞きたかった声やった

やっとや

やっと

久しぶりの再開が これも何だけど

僕の顔には笑みが零れた

静かにそっと影から現れた人物は どこか懐かしくて 見覚えがあって

姿が見えた瞬間に 俺の目からは涙が零れた

ずっと会いたくて探してた人

意識が朦朧とするなか

彼の姿は鮮明に 写し出されていた

笑う彼の前で 涙が零れ落ちる

大粒の涙が 止まることなく

いきなりのことで 驚き

開いた口が止まらない ゾム

さっきまでの熱は どこに行ってしまったのか

ただ 呆然とするコネシマ

大先生の淡々と出る言葉に 耳を疑う

これまで

皆に散々 色んな呼び方しとったくせに

名前呼びになっていて

俺の胸はどこかぎゅっと 締め付けられて 苦しくなった

そう言って

カチャっと剣を 俺たちに向ける

腹を抑えて 必死に声を荒げるが

上手く声が出ない

そう言って ヘラっと笑う彼に ズキズキと体も心も痛む

インカムをロボロに 繋げる

ロボロも状況を 把握していたらしい

グルッペンが動くって 凄いな…w

俺は目の前の大先生に 目を向けた

コネシマが大先生を 悲しそうな目で見る

そうやって聞いてくるコネシマ

俺たちも大先生に 剣を向けた

大先生は笑って

剣を向けたのを 確認したのち

飛びかかってくる

剣で大先生の剣を抑えるコネシマ

取り残されたゾムが

不安そうにこちらを見る

腹を抑えて笑うと

ゾムも少しだけ 明るく顔を上げた

そう言って

コネシマと大先生の所に 飛びかかりに行くゾム

それを見ながら

俺も行こうと 足を出そうとする

でも

次の時には 倒れていた

ははwと笑いながら

闘ってる皆を見る

段々霞む視界に

俺は体を預けた