湊
前に警戒心持てよと説教してすぐこれかよ。マジで誰かに襲われるぞ
杏
湊に守ってもらうから良いもん。それよりさ
杏は机に化粧道具を広げた
湊
何これ
杏
湊を女にすんの
湊
はぁ?
杏
いや今も女の子みたいだけど。もっと女の子みたいになりたくない?
湊
馬鹿にしてんの?俺は別に好きでこんな風じゃ
杏
そうじゃなくてさ。せっかく綺麗で可愛い顔で産まれたんだからもっと綺麗になろうってこと
杏
湊は自分の顔そんなに好きじゃないみたいだけど、私はとても好きだよ。安心出来るから
湊
まーた男として見ないっていうなよ。結構傷付くから
杏
あれはごめんって。てか湊が煽るのが悪いの!日頃女子力無いって馬鹿にするから!
湊
あー...
杏
今日は付き合って貰うからね!
湊
分かったよ
杏は湊の前髪にヘアピンを付けた後、じっと見つめる
杏
(化粧といったがどこ化粧すれば良いのかな...。目が大きくてマスカラ要らずのまつ毛、整った眉、鼻が小さい、輪郭が綺麗、透明感のある肌、艶のある唇...なんか見れば見るほどムカついてきたわ...)
湊
...なんだよ。鬼みたいな目しやがって
杏
いやなんか...なんでだろうね。こんなに綺麗なのに、なんで湊を変な目で見る人が居るんだろうって
湊
男なのに女以上に女で気持ち悪いから
杏
湊はちゃんとした男だよ。だってレイプ未遂の私を助けてくれたじゃん。大勢の人を倒して...
湊
それは当たり前だろ。彼女が襲われそうになって助けねー奴いねぇから
杏
そうゆうとこが立派な男だよ
杏は微笑むと、湊は少し恥ずかしそうにした
湊
...化粧は?
杏
んー。やめる。君はしなくてもめっちゃ綺麗だから
湊
綺麗綺麗言うなよ。複雑
杏
いいじゃん。私、全てが綺麗な人が好きだもん
湊は一気に赤くなり、急に立ち上がる
湊
あーもう。今日のお前変だ。ケーキやらねーから
杏
えー!意地悪!