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次の日10時

会場に生存者達が集まる

全員が観客席に座って雑談などをしていると、あーるが会場に入ってくる

あーる

おはようございます皆さん

あーる

昨夜はよく眠れましたか?

あーる

では早速ですが、次のゲームを発表しましょうか

スクリーンに注目が集まる

ゲーム名:殺し合いゲーム 参加者の8名はエリア内で殺しあってください。 ゲームは最後の一人になるまで続きます。

《参加者》 奏太 吾々提 悠穂 優樹 雛莉 芽羽斗 咲奈 美里

悠斗

8人のうち1人だけか…

幽乃

着実に数を減らそうとしていますね

凜叶

あ、悠穂、あんた奏太殺しなさいよ

参加者一覧を見ていた凜叶が悠穂に話しかける

悠穂

え?

突然のことに驚きの声をあげる悠穂

凜叶

え?じゃないわよ

凜叶

危険人物に気を付けようって話をした矢先にこんなゲームで奏太と一緒になったのに殺さないで何するのよ

「はぁ」 とため息を吐きながら言う凜叶に悠斗も賛同する

悠斗

確かにそうだな

悠斗

どうせこの8人のうち1人しか生き残れないんだ

悠斗

だったら奏太殺した方がいいだろうな

幽乃

僕も賛成です

ようやく状況が呑み込めてきた悠穂は大きく頷きながら承諾する

悠穂

わかった、やってみるよ

そんな話が終わる頃、あーるが参加者たちをエリアへ送る

あーる

皆さん、そろそろ準備はよろしいでしょうか?

あーる

それでは、皆さんをエリアに転送します──

悠穂が目を開けると、そこは森の中だった

悠穂

ここが今回のゲームのエリアか…

あーる

[皆さん転送されましたね?]

あーる

[それでは始めましょうか]

GAME START!!

悠穂

(周りには誰もいない…)

悠穂

(さすがに今回はバラバラの場所に転送されてるみたいだ)

悠穂

(とりあえず奏太先輩は殺す目的で行くとして…)

悠穂

(俺1人じゃ負けるかもしれない)

悠穂

(でもかと言って悠斗達みたいに目的が合致してる人も居ない)

悠穂

(となると、この場で事情を説明して協力してもらうしかない)

悠穂は人を探すため走り出した

奏太

ふあぁ〜…

奏太はナイフ片手にのんびり歩きながら欠伸をしていた

奏太

にしても、ほんとに人殺さなきゃいけないのかなぁ…

そんなことを呟きながら歩いていると、正面から女子が走ってくる

雛莉

!!

雛莉は奏太の姿を確認するとナイフを構え、そのまま奏太に向かって走っていく

対して奏太は雛莉には気付いていない

雛莉

死ね!!!

雛莉は叫びながら奏太にナイフを突き付ける

奏太

わ!何?!

奏太は間一髪のところでナイフを避ける

雛莉

くそ!!

避けたところに雛莉は奏太の心臓目掛けてもう一度ナイフを突き刺そうとする

奏太

……!!!!

その瞬間、奏太は意識を失った

悠穂

はあっ…はぁっ……

悠穂は人を探して走り回る

悠穂

!!

すると、前方に芽羽斗を見つける

芽羽斗

芽羽斗の方も悠穂に気付き、銃を構える

悠穂

(まずい、このままだと殺される…!)

悠穂は弓矢を持つ手を挙げ、降参を表明する

芽羽斗

……??

弓矢を構えず手を挙げて歩み寄る悠穂に疑問を抱きつつ、芽羽斗は悠穂の様子を見守る

芽羽斗

ど、どうしたんだよ?

芽羽斗

殺されたいのか?

悠穂は芽羽斗との距離が3mほどになったところで立ち止まり、そのまま芽羽斗の目を見た

芽羽斗はそんな悠穂を警戒しながら問いかける

悠穂

俺は、このゲームで絶対に殺したい相手がいるんだ

悠穂

その人を殺せたら、俺は死んでも構わない

悠穂

だから、協力してくれないかな?

悠穂は手を挙げたまま芽羽斗に頼み込む

芽羽斗

え?ほ、ほんとに?

芽羽斗は思いがけない提案に困惑

芽羽斗

その人さえ殺せば君ののとは殺していいってことだよね?

悠穂

もちろん

芽羽斗

まあ、ならいいよ

芽羽斗は困惑しつつも悠穂の提案に乗る

悠穂

ありがとう

悠穂

殺したい相手っていうのは奏太っていう人で…

悠穂と芽羽斗は会話をしながら奏太を探しに行く──

奏太

奏太

……!!!

奏太が意識を取り戻すと、足元には血まみれで横たわっている雛莉がいた

胴体は滅多刺しにされており、指は何本か無くなっていた

辺りを見渡すと、点々と血が散らばっており、雛莉のものと思われる指も落ちていた

奏太

うっ…おえええぇっっ……

奏太は死体の酷さに吐いてしまう

奏太

なんで…

奏太

まさかこれも“あいつ”が…?

奏太

なんでこんな…

奏太は目の前にある死体に衝撃を受け、固まっている

すると、奏太の耳に誰かの声が聞こえる

??

奏太?

奏太

え…?

??

君の目的は、友花以外の人を殺すことだよ

??

友情なんていらない

??

慈悲なんていらない

??

そうでしょ?

??

今までもそうやって殺してきたじゃないか

奏太

違う…違う……!!

奏太

俺は…みんなで楽しく過ごしたいんだ……!!

奏太は叫ぶ

??

……

??

じゃあせいぜい無駄な希望抱いてなよ

??

君の中にある“殺意”は、目的を忘れてないみたいだけど?

その言葉を最後に幻聴は止んだ

奏太

俺の中の……殺意?

呆然と立ち尽くしていると、優樹がやってくる

優樹

なんだあいつ…すごい叫んで…

奏太の叫びを聞いていた優樹は戸惑いながら剣を構える

優樹

まあいい、殺せばいいか…

優樹は剣を振り上げながら奏太に向かって走ってくる

奏太

……!

奏太は再び、意識を失う──

芽羽斗

そっかぁ、鬼ごっこでそんなことがあったんだね

悠穂

うん、それで、前の脱出ゲームでも要注意人物だと判断されてた奏太先輩をこのゲームで殺しておこうと思って

芽羽斗

そうだったんだね

悠穂と芽羽斗が歩いていると、背後からガサガサと葉の擦れる音が聞こえる

悠穂

……!

悠穂

音が聞こえる…

芽羽斗

え?

背後を振り返ると、美里と咲奈が剣を持って走ってきていた

悠穂

っ…!

芽羽斗

おっと…

悠穂と芽羽斗は振られた剣を避け、芽羽斗は銃を、悠穂は弓矢を構えて戦闘態勢に入る

美里

メガネの方から殺すよ!

咲奈

OK

美里と咲奈は芽羽斗に向かって剣を振る

悠穂

……!

悠穂は美里に向かって弓矢を放ち、それが右の横腹に刺さる

美里

ぐっ……!

美里は痛みに顔を歪め、その場にうずくまる

咲奈はそのまま芽羽斗に向かうが、芽羽斗は後ずさりして咲奈から避けつつ、銃を放つ

パァン!

咲奈

うああああああ!!

銃弾は腹に命中した

2人は動くこともできずうずくまっており、悠穂は美里に、芽羽斗は咲奈に近寄り、武器を構える

そして、悠穂は心臓に、芽羽斗は頭を撃ち抜いた

2人の体は映像のように乱れ、消え去った

悠穂

……他にも協力しようとしてた人がいたんだね

芽羽斗

そうだね

そして2人は再び奏太を探しに歩いていく

吾々提

待って待って待って!!!

優樹の死体の近くで逃げ回る吾々提を奏太が追いかける

奏太

あはははは!待て待て!

奏太は自我を失っており、奏太の幻聴が言っていた“殺意”が暴れている状態だった

バン!バン!

奏太は吾々提に銃を撃ち続ける

吾々提

っ……!!!

奏太の撃った弾が吾々提の足に被弾し、吾々提は上手く走れなくなる

奏太

びっこ引いちゃって、可哀想に

奏太は足を引きずりながら走る吾々提に近付き、腹を剣で刺す

吾々提

ぐっ……

奏太

じゃ、バイバイ

奏太は、吾々提の心臓と頭に1発ずつ銃を撃った

奏太は吾々提の死体を切り刻んだり、血を触ったりと、弄んでいた

すると、草むらをわけいって悠穂と芽羽斗がやってくる

悠穂

……!

悠穂はナイフを取り出し、奏太の元へ駆け寄り、心臓に刺す

奏太

ぐ…

ナイフが刺さったところからは赤い液体が染みていた

悠穂がナイフを引き抜くと、その反動で奏太の体は前に傾き、そのまま倒れる

地面には、奏太の体との隙間から赤い液体が流れていた

悠穂

死んだ…かな?

悠穂は奏太が死んだと判断し、武器を置いて芽羽斗の元へ歩み寄る

そして両手を広げて言った

悠穂

協力してくれてありがとう

悠穂

もう思い残すことは無いよ

芽羽斗

そっか、いくら約束とはいえ、ごめんね

芽羽斗は悠穂の心臓に銃口を突き付け、引き金を引く

パァン!

辺りには誰もいないのに、ゲームが終わる気配もない

芽羽斗

まだ、人がいるってこと…?

芽羽斗が警戒して茂みの奥の方を見ていると、突然芽羽斗の首が切り落とされる

ゴトン

そして、放送が鳴った

あーる

[生存者が1人になりました]

あーる

[ゲームを終了し、生存者を会場に戻します]

生存者は奏太だった──

悠斗

……

幽乃

どう思います?あれ

奏太は服の下に防刃ジョッキを着ており、心臓部分には血糊を忍ばせていた

悠斗

あの状況で死んだ振りは、賢い…としか言いようがないな

悠斗

血糊も防刃ジョッキも、普通は気付かない

幽乃

ですよね…

凜叶

まさかこんなことになるなんて…

悠斗

ただ、1つ気になったことがあるんだよな

凜音

どうしたの?

悠斗

奏太…まさかとは思うが、人格が2つないか?

悠斗

平気で人を殺す人格と、それをよく思わない人格…

悠斗

どっちが本来のあいつかはわからないけどな

幽乃

まさか…

幽乃

前ゲームでムスカリに植え付けられた……?

悠斗

可能性は、ある──
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