テラーノベル
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朝のホームは、いつも通りの匂いがした。 制服の袖を少し引っ張りながら、深澤辰哉は隣に立つ渡辺翔太をちらりと見る。
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何気ないその声に、心臓が少しだけ跳ねる。 もう何年も変わらない朝のはずなのに、この一瞬だけは毎日うまく慣れない。
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返事をすると、翔太はいつも通り眠そうに目を細めた。
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そんな他愛ない会話。 それだけでいいはずだった。ずっと、これでよかったはずだった。 でも辰哉の中では、いつもひとつだけ違う感情が混ざる。 ――このまま、時間が止まればいいのに。 教室に着けば、いつもの席。 いつもの空気。いつもの翔太の横顔。 なのに、その横顔を見ているだけで胸が苦しくなるのは、きっと自分だけだ。
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突然名前を呼ばれて、心臓が一瞬止まる。
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翔太は少しだけ視線を外して、短く言う。
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気づけば、それしか言えなかった。 笑えているかどうか、自分でも分からない。 ただひとつ確かなのは―― 胸の奥で、何かが静かに崩れた音がしたことだった
きら🪄︎︎◝✩
きら🪄︎︎◝✩
コメント
3件
うわあ…これはまた切ない展開が来たね。第3話、一気に心臓がぎゅっとなったよ。 朝のホームの空気感とか、何気ない「おはよ」で心臓が跳ねる描写がすごくリアルで、もうそれだけで辰哉の気持ちが痛いほど伝わってくる。ずっと続くと思ってた日常の「当たり前」が、翔太の一言で静かに崩れていく感じ…「胸の奥で何かが静かに崩れた音」って表現、すごく好きだな。 それにしても、まさか翔太の方から「好きな人できたかも」って切り出すとは思わなかった。辰哉がどんな顔で「そっか」って返したのか想像するだけで胸が苦しくなるよ。この先、どうなるんだろう…続きが気になる!