ミオ
ボブがね、好きなのよ私。

ユナ
……、はい?

放課後の、とある公立中学校。
制服を着崩した二人の女子生徒が
椅子に座って話し込んでいた。
時計は四時二十分を指し示していた。
ユナ
外国人の知り合いなんて居たんですか。

ブラウスの襟に毛先のかかった少女が
視界の先に居る上級生に返す。
ふたりとも、指定された簡易ネクタイ
を外し、スカートのポケットに退避
させていた。
ミオ
そうじゃなくて、髪型。
ボブカット。それがね、好きなの私。

上履きのくたびれた上級生たる少女
が笑う。夕日の差し込む教室に、
彼女ら以外の姿はない。
三十五人分の椅子と机が組になって
置かれているのみ。
ユナ
でも、ミオ先輩はロングですよね。腰までがっつりと

椅子は座面を下にし机の上に
置かれている。午後の授業が終わり、
教室を清掃した生徒らがその状態に
して下校する。あてがわれた生徒が、
登校したかどうかの出欠確認にも使用
されるためだった。
ミオ
違うの、自分がしてて好き
というのじゃなくて、

ミオ
可愛いなって思うの

ミオと呼ばれた女子生徒が、ユナの
首元に右手を添える。そうして外に
向かって手の甲を滑らす。
ミオ
ショートもロングも、___ロングは特に、私もそうだから___お手入れが面倒だろうなぁ…

ミオ
すぐカットしにいかないとみっともなくなってしまうものね。なんて考えてしまうのだけれど。

ミオ
……あぁ、ボブがそうじゃないって言うんじゃないの。
勿論お手入れはしないといけないけれど。

ミオ
でもね、重たすぎず、軽すぎず、アレンジも幅があって、それでいて身軽な………
地に足ついた旅人のような

走った右手は吸い込まれるが如く、
少女の黒髪を撫でつける。
一度、二度、……頭頂部から耳の
上を通過して首元まで流れてゆく。
その持ち主たる少女は、その行為に
困惑のみ覚えていた。
ミオ
女の髪は命のようなもの。
なんて言う人もいるけど、
私にはね、鏡のように思えるの。自分がどうありたいかを、鏡で見せるの。

撫でるのに飽き足らずとばかりに、
ミオは黒髪に指を絡ませる。
髪の一束一束を愛撫する。
ミオ
ロングはね、ときどきずぼら。大地に根を張るような
ずっしりとしている雰囲気。って言えば伝わる?

夕日に透けるミオの髪は、元来の
色も相まって、栗の実のような
明るい茶をたたえていた。
その表情は、ユナには見えない。
ミオ
ショートは逆。軽く、風に
流されるまま、ふわりとどこかに飛んでいきたい。
変えてしまいたい。

ミオ
それまでの自分ではない、どこか違う誰かになりたい、そういう欲のあらわれ

かたり、と音の鳴る。ミオの影に
気圧され後ずさろうとしたユナの、
腰掛けていた椅子が擦る。
ミオの左手が、ユナの後頭部に回される。
ミオ
じゃあボブは。……ふふ、ボブはね、どっちでもあってどっちでもないの。根っこを張っている時もあるし、綿毛みたいにふわふわしているときもある。

ミオ
でもね、その中には、絶対に芯が真っ直ぐある。

ミオ
地面から離れてふわふわしているように見えても絶対に曲がらない、折れない茎が一本あるの。

ミオ
自分がある。誰にもならない。そういう__自分の、
はっきりある人。

だからボブが好き。
少女の胸の内には、ほのかに、
暖かい物が抱かれていた。
ミオ
だからゆーちゃんは髪、切らないでね。

どこにも行かないで、
私のそばにいて。
___言葉は虚ろに消えた。
影猫noki
ども!初めまして!最近、百合にハマってる作者の影猫nokiです!

影猫noki
気軽に影猫とお呼びください(´_ゝ`)

影猫noki
百合まじすこ(´_ゝ`)
尊い(´_ゝ`)

影猫noki
今回は良く分からん
髪の話でした。
電車でたったの五分(´_ゝ`)

影猫noki
全部が適当です。(^o^)

影猫noki
まぁ、俺的にはゆりゆりな
感じで作ったつもりです。

影猫noki
本当は甘いのが書きたかった…でも思いつかなかった。

影猫noki
まぁ、来年頑張りま((殴

影猫noki
ハート、くれたら俺
屋上から泣きながら喜びます。で、あまりの嬉しさに飛び降りちゃいます。

影猫noki
あれ?これハート入れられたら俺死ぬじゃn((

影猫noki
あ、あと言っちゃうと、俺のこの百合の駄作シリーズはサムネ変わりません。

影猫noki
百合の駄作シリーズはね。

影猫noki
はい、長々と失礼いたしました!では、また次のお話で会いましょうっ!

影猫noki
(´_ゝ`)bグッ!
