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前世の恋人

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前世の恋人

5 - 婚約者役

♥

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2023年07月13日

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グッとネクタイを締めて、髪型をしっかりと整える

ショルダーホルスターを着て紐を引っ張って締める そして、拳銃を固定する

その上からジャケットを着てボタンを止める

義父さんの言いつけ通り僕はスーツを着る時、いつも拳銃を持ち歩く

何があるか分からないから、護衛の仕事に就くなら慣れておけと

彩花

怜くん?

あ、はい!

彩花

あらぁ、素敵!!

彩花

やっぱり背が高いとなんでも似合うからいいわね〜

あはは…

彩花

会場まで送っていくから準備出来たらいらっしゃい

はい

今日は招待された西園寺グループのパーティーに参加する

僕は義父さんの職場見学と題して

コツ、コツ、コツ

隆二

!義父さん!

義母さんに送って貰って、第1居住スペースエリアまできた

そしてここは会場

隆二

よく来たな

隆二

代表が挨拶をしたいらしいんだ

隆二

ついてこい

え…

は…はい!!

長い長い階段を登りながら義父さんは口を開いた

隆二

失礼のないように

はい、もちろんです

隆二

今日は俺の近くに基本的に居てもらうが…

隆二

何があるか分からないから

隆二

これを着けときなさい

義父さんは僕にインカムを渡した

はい

耳につけてボタンを押した

ウィーン

扉が開くと正面の机には手を顔の前で組んでニコニコとしている男性が座っていた

隆二

連れてまいりました

隆二

息子の…

藤堂 怜です

やあ、待っていたよ

西園寺 環だ

よろしく

はい…

西園寺…澪さんのお父さんである環さんは僕を下からじっくり上まで見るとニコッと微笑んで手招きをした

こちらに来なさい

は…はい

机の前に行くと環さんは立ち上がって僕を見つめた

ふむ、私より少し背が低いか…?

いや、でもまだ伸びるね、君は

…はぁ……

うちの娘には会ったことあるかい?

あ…み…澪…さん…です…か?

そうそう

はい、学園で…

いつも…お話させて頂いてます…

!へえ

あの澪がお友達を…?

しかも男の子…

珍しい事もあるもんだ

…そう…ですか…?

ああ

まぁ、最も

関わる人間を限定したのは私だけどね

え……

サラッと言った言葉に耳を疑った

だってそうだろう?

西園寺グループのトップ

西園寺家の令嬢となれば

変な虫も湧きやすい

過去にはスパイなんてのも澪に近づいたなぁ

す…スパイ…

…さて、君はどうかな?

光の無い瞳で僕を品定めする環さんに背筋がゾクッとする

っ…

ぼ…僕は…!!

隆二

代表

…ははは

冗談さ

隆二の息子を信頼してない訳無いさ

隆二

………

……

(す…凄い…圧…だっ…た…)

笑顔なのに笑顔じゃない、独特な圧力に指先がピリッとした感覚に陥った

ウィーン

すると、後ろのドアが開いた

コツ、コツ、コツ、コツ

ヒールの音に振り返るとあの愛しい彼女と目が合った

なっ……

!み…澪…さん…?!

な…なんで怜がいるのよ?!

よく来たね、澪

っ…アンタが呼び出したんでしょ?

なんの用?

怜までこんな所に呼んで

怜くんは私が会いたかっただけさ

お前にはね

そろそろ婚約者を決めてもらおうかなって思っていてね

こ…っ…?婚約者…?

この業界にいるなら既に婚約者が居てもおかしくない

お前の駄々にはだいぶ我慢してきたつもりだよ?

…っ…

それにねぇ、婚約者としてうちの息子、娘どうですかーってメールがねぇ…

隆二、今月で何件だっけ

隆二

2桁はいってますね

そうなの、大変なの

………

澪が婚約者にしたいっていう人がいるならいいけどさ

……

そうだなぁ

期限は明日まで

はぁ?!!

なっ…

突然の無茶ぶりに澪さんは大声を出して驚いた

僕も驚いてる

っ…の…クソ親父…

おおっと、今なんか凄い言葉が聞こえた気がする

これは絶対だ

明日までに私に報告しなさい

じゃなきゃこちらで用意する

………

それだけだ、パーティーに戻りなさい

隆二

……怜

!はい

隆二

お嬢様についていきなさい

あ……え…っと…

ちっ…

行くわよ、怜

は…はい!!

横にある移動用ベルトコンベアに手をついて会場へと移動する

本当な腹立つ…っ…

人の人生なんだと思ってんの!!

………

澪さんの事もそうだけど、僕はまず、彼女のドレス姿に心を奪われていた

(綺麗…だ…)

大人っぽく髪を束ねて、黒いドレスが白い肌を更に際立たせる

……はぁ…

…もう嫌…

(っ…じゃ…じゃなくて…)

澪さんを助けなきゃ…なんとか…何か…良い方法は…前世じゃ、僕は何も言えなかったから今世ぐらい…なにか…

……ぼ…僕…じゃ…ダメ…ですか…

怜の言葉にベルトコンベアから手を離して振り返る

え?

ぼ…僕…が婚約者…

…あ…あの…弾除け…とゆうか

………

ビシッとスーツを着て髪も整えて、凄く素敵な格好をしている彼はいつものように下を向いて…はいなくて

グッと力を手に込めて私を真剣な眼差しで見つめていた

アンタ分かってるの?

婚約者になるって事は周りから…

何をされるか、何を言われるか

分からないのよ?

大丈夫…です!

僕…気にしません…

……

違うのに、そうじゃない 私は、本当に…貴方と…

……

…っ…考えさせて

は…はい

待ちます、澪さんが…考えまとまるまで

会場に入るまで、澪さんは難しい顔をして黙り込んでしまった

……

(迷惑…だったかな…)

困らせてしまったかもしれないと少し焦っていると肩を掴まれた

夏樹

よっ、

!な…夏樹くん!

夏樹

いいねぇ、スーツ決まってんね!

な…なんで

夏樹

うちも西園寺グループに入ってんのさ

へぇ…!

芽依

そしてうちもね

!え…え…っと…

たまに澪さんと一緒に居るのを見かける…

芽依

芽衣よ

芽依

怜、だよねよろしく

よ…よろしくお願いします…芽衣さん…

夏樹

んで?澪はなんでそんな顔してんの?

……?あれ、夏樹くん澪さんと仲良かったっけ…?

夏樹

あー…たまにこのパーティーで会うんだよ

へぇ…

あのクソ親父が婚約者を早く決めろってうるさいのよ

芽依

あー…でた〜

夏樹

うわぁ…

…本当…

結婚相手ぐらい自由に決めさせてよ…

夏樹

ふむ…

芽依

まぁ、そうよね…

………

?は…はい

アンタ、さっき弾除けでもいいって言ったわよね

はい、言いました

夏樹

…?

……何が起きてもアンタは構わない?

…はい、澪さんの為なら

分かった

じゃあ、私が卒業するまで

私の婚約者役やって

夏樹

………え?

芽依

へ?

……はい、やります

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