まだ肌寒い4月───
琉聖学園高等部の入学式が行われた。
真新しい制服を身にまとった生徒と保護者が体育館に集まり
少し白髪の混じった学園長の話など誰一人聞いていない
生徒会長の挨拶も終え、新入生代表の挨拶となった───
先生
新入生代表!瀬戸奏多
瀬戸奏多
はい
神志那未怜
(不良?)
明るい茶髪に、ピアスを付けた一見不良そうに見える男子生徒が挨拶をした
この人との出会いが私の高校生活を大きく左右するとは
この時はまだ知る由もなかった
式が終わり自由時間を過ごす私。
柿崎優羽
未怜!
神志那未怜
優羽~!!
柿崎優羽
高校入ってもクラス一緒だね♥
彼女は柿崎優羽(かきざき ゆう)
幼なじみ─
神志那未怜
そうだね!
柿崎優羽
ねーねー
柿崎優羽
新入生代表の子めっちゃかっこよくなかった??♥️
神志那未怜
派手じゃない?
柿崎優羽
あーゆう感じがいいんだよ!
優羽は高校に入ったら彼氏作ると中学の時から言っていた───
神志那未怜
(明るい性格の優羽ならすぐに出来るだろう…)
柿崎優羽
あー・・・彼氏ほしいッ!
神志那未怜
優羽!後ろッ・・・
ドンッ──
鈍い音と共に男子生徒がよろけた
瀬戸奏多
ってぇ・・・
柿崎優羽
ごめんなさ・・・い///
瀬戸奏多だった───
神志那未怜
なにやってんの!優羽
神志那未怜
大丈夫・・・ですか?
私は優羽を差し置いて彼に手を差し伸べた
だが、彼は掴まず、自力で立ち上がった──
瀬戸奏多
気をつけろ!
そう言い放ち、隣の教室へと入って行った───
柿崎優羽
かっこいい…///
神志那未怜
まだ言ってる
神志那未怜
顔はいいかもしれないけど性格悪そう
神志那未怜
(顔立ちは整ってるし、まあモテるんだろうな)
神志那未怜
(ただあの目付き・・・私と似てる?)
これが私の第一印象だった──