テラーノベル
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春の終わり、
風はまだ少しだけ冷たかった。
校舎裏の草むらに、
彼女はいた。
ふわりとした白い髪。
光を受けるたび、
まるで本物の毛みたいに柔らかく揺れる。
まるで、
群れからはぐれた羊みたいな子。
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
声をかけると、
彼女はゆっくりと振り向いた。
大きな瞳は、
どこか遠くを見ているみたいで。
でも、
俺を見つけた瞬間だけ、
ほんの少しやわらぐ。
風和 白羽 フワ シラハ
白羽は、そう言って微笑んだ。
その笑顔は、どこか頼りなくて。
触れたら消えてしまいそうで、
少し怖い。
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
風和 白羽 フワ シラハ
そう言いながら、
白羽は自分の腕をぎゅっと抱く。
寒いわけじゃないはずなのに、
いつも少し震えている。
白羽は、少し変わっている。
人混みが苦手で、
大きな音が嫌いで、
すぐにどこかへ隠れてしまう。
まるで_____
迷い込んだ羊みたいに。
風和 白羽 フワ シラハ
白羽が、ぽつりと呟く。
風和 白羽 フワ シラハ
風が、
2人の間をすり抜けた。
少しだけ間を置いて、答える。
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
風和 白羽 フワ シラハ
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
少しだけ笑って、言う。
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
風和 白羽 フワ シラハ
白羽は、少しだけ俯いた。
一瞬、彼女の表情が固まる。
その横顔は、やっぱりどこか寂しそうで、
_____でも、
風和 白羽 フワ シラハ
彼女は顔を上げる。
風和 白羽 フワ シラハ
その声は、
思っていたよりもずっと真っ直ぐで、
風に揺れる白い髪が、光をはじく。
風和 白羽 フワ シラハ
風和 白羽 フワ シラハ
風和 白羽 フワ シラハ
その言葉に、少しだけ息が詰まる。
ああ、そうか。
この子は_____
守られるだけの存在じゃない。
ちゃんと、自分で居場所を選んでる
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
気づけば、頷いていた。
佐伯 有眞 サエキ ユウマ
白羽は、少しだけ驚いた顔をして
それから、ふわっと笑った。
春の風が、また吹く。
白い髪が揺れるたびに、
どこかあたたかい匂いがした。
それはきっと_____
やさしい毛並みの、
温もりだった。
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