片恋

次の日。

今日は、メンバー全員での仕事。

少し憂鬱な気持ちで楽屋へ向かっていると、 途中で哲汰に会った。

ーガチャ

2人で楽屋に入ると、まだ玲しか来てなかった。

それから少ししてみんなが集まり始めた。

謙信の言葉に反応した俺の手を哲汰がぎゅっと握ってくれた。

ーガチャッ

元気に入ってきた颯斗は俺の顔を見た瞬間に嫌そうな顔をした。

あきらかに避けられて落ち込んでる俺の手を、 哲汰が急に強く握りしめた。

哲汰は急に謝ったかと思うと立ち上がった。

いつもの哲汰からは想像できない低い声。

メンバーも驚いた顔をして見ている。

哲汰がそう言うと颯斗は深くため息をついた。

昨日のことを知らない2人が不思議な顔をしてる。

謙信が悲しい顔をしてこちらを向く。

今までずっと黙っていた玲がそう口を開いた。

玲は少し強い口調でそう言うと、 真っ直ぐに俺の目を見た。

そう言った玲に手を引かれ、楽屋を後にした。