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ホテルにチェックインして、部屋の鍵を開け、ふわっとベッドの上に座る。
すぐ横の壁は殆どガラス張りで、やっぱり夜景が美しかった。
…ほんとに、ioが思い描いた"作品"みたい。
ドイツは忘れ物を取りに行ってる。
家が近かったからよかった、って言いながら。
…まぁ、ioが仕組んだんだけど。
やっぱり、どうせなら内装とか、配置とか、色々拘りたい。
io一人ならどうでもいいんだけどさ。
いつ帰ってくるかやっぱわかんないから、部屋の装飾は急いでやった。
といっても派手な装飾じゃなくって、壁にちょっとお高いタペストリーを貼ったり、
絨毯を敷いたり、
あと、夜景をもっときれいに見たいから、明かりを撤去したり。
"あれ"のためにとったホテルなんだもん、整えておかなきゃでしょ?
ふふ、ドイツ、喜んでくれるかな?
喜ぶよね?
だってドイツ、ioのこと監禁して無理やりしちゃうくらい好きなんでしょ?
ioが二回も裏切っても好きなんでしょ?
だったら嬉しいかぁ!!!だといいなぁ〜。
流石に整えたかったから仕込んだ、って知ったら怒るだろうけど。
でもでも、ドイツのことだし、
怒ってもioのことかわいいって思うんだろうなぁ。
ふふっ、伝えるのが楽しみ!!!
イタリア
あとはドイツを待つだけ。
早く来ないかなぁ。
ホテルに戻る道。
ふと、イタリアのことが頭をよぎった。
それは、ホテル内でイタリアが待っているところ。
『io、部屋で待ってるんね〜』と言っていた。
優しい笑顔で。
今のイタリアは、優しい。
過去に人や国家を裏切った経験があるとは思えないほど。
…でも。
彼は、俺のこと。
どう、思っているんだろう。
また、どこかへ消えていくんじゃないだろうか。
また、俺の知らないところで、
目を離した隙に...
ドイツ
首を必死に振る。
それ以上考えたらおかしくなるって、思ったから。
ドイツ
…それにしても...泊まり、か。
彼はああ言っているけど、本当に俺は許されたんだろうか...
到底許されないことを、したのに。
許される権利なんて、俺にあるんだろうか...。
ドイツ
ぐるぐると考えていると、気がつけばイタリアが待っているであろう部屋に到着した。
チャイムを押し、ドイツだと告げれば、扉はあっさり開いた。
イタリア
イタリア
部屋に一歩、また一歩と歩みを進める。
タペストリーや絨毯。家具が移動された跡。明かりが数個足りない部屋。
それらのお陰で夜景はよく見えるが、なんとなく不気味に思えた。