テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
4件
ァァァァァァァァ!!完結してしまったぁぁぁ!😭 最後の最後まで感動しぱなっしでした!! 素敵な作品有難う御座います🥲
黒い少年は一体何なのか…………
皆は俺の為に、終わりにしたはずの舞台を始めから開いてくれた。
タイトルは「忘れたふりの約束」。
Mr.ブルー
Mr.赤ちゃん
脚本は、俺が事故の直前にまで書いていた未完の作品だった。
最初こそ、俺は見るだけだった。
けれど今回は思ったのだった。
自分も舞台に立ちたいと。
その事を皆に言うと、全員が涙を流して喜んでくれた。
すまない先生
Mr.レッド
Mr.レッド
すまない先生
そのときの風景が、今でも記憶に刻み込まれている。
いつまでも記憶に残り続ける。
すまない先生は俺の肩を嬉しそうに抱いて、何度も「ありがとう」と言った。
引き続き、周りにいた皆も集まり、皆で喜んで、笑った。
これまでにないくらい笑顔の花が咲いていて、俺の気持ちも高まるばかりだった。
今日の為に色々と頑張ってきた。
辛いことも、挫けそうなことも沢山あった。
ーーけれど、やりきれたから今がある。
少なくとも、俺はそう信じている。
だからこそ、今一歩を踏み出す。
すまない先生
観客はたったの2.3人くらい。
それもほぼ知っている人達だった。
すまない先生
すまない先生が静かな声で題名を言う。
その声を聞き入れると、俺と弟は一歩駆け出し舞台に立つ。
ああ、懐かしい。
自分には無かった記憶だった。
けれど何故か、涙が流れるほど懐かしい。
舞台が始まって、何分が経ったのだろう。
俺は舞台で、自分の役を演じながら時々涙を流していた。
何故かは自分でもわからない。
けれど、確かに胸の奥が温かかった。
幕が下りる。
ついに、終わったのだった。
未完成だったのが完成になったのだ。
観客席からは偉大になっていく拍手。
舞台が開始したばかりの時より、いつの間にか人員は増えていた。
沢山の人に見られて恥ずかしいという気持ちもある。
けれど、それ以前に楽しい。
仲間達も皆、皆、涙ぐんでいた。
その時、俺から出た言葉は……
Mr.レッド
Mr.レッド
その瞬間誰かが嗚咽を漏らす。
Mr.ブルー
泣き叫んだのは弟だった。
目立つほど、その中で一番泣いている。
Mr.ブルー
俺には元の記憶はない。
元のレッドでもない。
"記憶のみ"が生まれ変わった俺。
けれど、どうやら元に戻りたいと思っても戻れないらしい。
どうやら、楽しい記憶は消えないらしい。
今だからこそそう思える。
俺は…いつまでも俺だから。
Mr.ウカ
俺のことを大好きだった、仲間の声も聞こえた気がした。
きっと、見えないけど見ててくれている。
そう思った時、扉が開くのがわかった。
開いた扉の前にいたのは、黒いパーカーを着た若い青年だった。
???
その少年は、聞き取れない言葉を口にすると、この会場を去っていった。
この時は気にしてもいなかった。
あれから数年が経った。
俺は今でも元気に、幸せに暮らせている。
俺は一人、海辺を歩いていた。
風の中で、密かに聞こえる声。
ーー「忘れてもいい。でも、もう一度出会え。」
それは"記憶"ではなく"心"の声。
俺は空を見上げて微笑んだ。
Mr.レッド
誰にも聞こえないような声でそう誓った。
波音の中で、俺の背中に光が差す。
そして静かに、物語は幕を閉じる。
記憶は消える。
でも、想いは形を変えて残る。
忘れても、出会い直せるならーーそれでいい。
「あの日、僕らは忘れたふりをした」完