溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
___春休み。
俺と柚月は、新生活の準備で人がごった返しているショッピングセンターにいた。
俺たちを召集した先輩は、バレンタインのお返しの品を入手したいらしい。
「バレンタインの返礼品買うのに付き合って欲しいんだけど、暇な日ある?」 「先輩、人に物を頼む態度ってなんでしたっけ?😺」 (2時間後) 「暇な日ありますか🔪」
__というラインを経て、優しい俺は召集礼状に応じ、今に至る。
山崎 孝太
山崎 孝太
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
「重くないやつって言ってるじゃないですか!!」
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
すると先輩は顔を背けて少し早口で答えた。心なしか耳が少し赤く染まっている。
溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
山崎 孝太
俺は話しながら、その店のSNSアカウントを表示させる。 柚月と先輩が覗き込んで来た。
山崎 孝太
山崎 孝太
鳴沢 柚月
柚月が興味深そうに俺の手元を覗き込む。 先輩も関心したように頷いた。
溝口 圭佑
山崎 孝太
ポケットにスマホを納めながら移動を開始する。 __少し歩くと、ガチャガチャが立ち並ぶ通りに出る。
小さな子供から大きなお友達まで、様々な人が顔を耀かせながらコイン片手にガチャガチャにかじりついている。
山崎 孝太
山崎 孝太
山崎 孝太
山崎 孝太
ガチャガチャスペースのムリオガチャに
吉田 響がコインを次々に投入していた……。
山崎 孝太
山崎 孝太
俺は1つ息を吐くと、決戦の地(=ガチャガチャ)に対峙した。 2台隣では、戦利品を検分し終えた響が小さく舌打ちしていた。
目が合ったが、すぐに逸らされた。 ___俺も視線を戻すと、財布から小銭を____…
溝口 圭佑
柚月と先輩に手渡していた。
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
溝口 圭佑
鳴沢 柚月
そんなこんなで(リョータくんは出なかった)、件(くだん)のお菓子ショップ。
店内は世界各地のお菓子や国旗で溢れ、ちょっとした旅行気分だ。 柚月が興味深そうに、陳列されたマカロンを眺めていた。
鳴沢 柚月
溝口 圭佑
山崎 孝太
俺はサッとスコーンをカゴの中に納める。 __見ると先輩は、箱入りのマカロンとベルギーのワッフルを両手に何やら考え込んでいた。
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
溝口 圭佑
先輩の中で結論はついたらしく、ワッフルもカゴに納めると、少し早足でレジに向かった。
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
鳴沢 柚月
急に絶句した俺を訝って、柚月が首を傾げる。 俺は黙ったまま、ある一角を指さした。
店内の地図を覗き込む、無駄に高い身長…… 柚月が息を呑んだ。
鳴沢 柚月
そう。あの無駄な長身は誰あろう独り身元カレ先生だ。 そしてその隣で顔を赤らめている女性はどう見ても保健室の先生だ。
鳴沢 柚月
山崎 孝太
溝口 圭佑
山崎 孝太
元カレ先生の春到来に涙しながら2つ目のガチャガチャスペースに来た俺たちは、
再び絶句していた。
山崎 孝太
溝口 圭佑
俺たちは再び ガチャガチャに勤しむ響と邂逅していた。絶句しかない。
響は不機嫌さを隠そうともせず、しかし戦利品は紙袋に納め、そしてすれ違いざまに舌打ちしてその場を__
溝口 圭佑
山崎 孝太
言うまでもなく響の地雷である。 __響は足を止め、もの凄い勢いで踵を返して_____
吉田 響
アナウンサー採用試験だったら諸手を上げて合格になるんじゃないかと思うほど、1っっ回も噛まずに言い切ると響は苛立たし気にため息を吐いた。
吉田 響
山崎 孝太
そして「テレビ出てる」は先輩の地雷である。
溝口 圭佑
溝口 圭佑
吉田 響
先輩と響は胸ぐらを掴まんばかりにメンチを切り合っている。 似た者同士は相容れないんだなぁ(しみじみ…)
____とか、やってる場合じゃない。 俺はゴホンと咳払いをすると、仲裁に入った。
山崎 孝太
山崎 孝太
鳴沢 柚月
溝口 圭佑
吉田 響
溝口 圭佑
山崎 孝太
鳴沢 柚月
吉田 響
やっと響も大人しくなった。 俺はやれやれと首を横に振る。
山崎 孝太
鳴沢 柚月
山崎 孝太
山崎 孝太
「3月限定販売のヨッシーダくん出ました!ヤッタ」
「限定ヨッシーダくん一発で出たあぁぁぁぁ!!!!」
___SNSは見事にヨッシーダくん一色だ。
心を無にして、あと表情も無にして ひたすら「いいね」を押して回る。
朝から通える範囲のガチャを巡ってるが、戦況はよろしくない。
特にこのショッピングセンターは最悪だ。 リョータくんとか言ってくるクソバカの雑念を振り払い、2階のガチャ店に足を
山崎 孝太
吉田 響
__踏み入れかけたが、足を戻し、イヤホンを装着してから店内に足を踏み入れた。
「リョータくんリョータくんリョ __阿保なお経が聞こえてくるが無視して目当てのガチャに向かう。
ここで引けるのは5回分だ。 財布から小銭を取り出____
チャリンチャリン チャリーン
鳴沢 柚月
吉田 響
見れば近くで馬鹿が小銭をぶちまけていた。 周りの客に回収を手伝って貰っている。
相変わらずトロい奴だ。 無視無視。
…………………
吉田 響
小銭の回収を終えた馬鹿は、相変わらずクソ小さい声でボソボソと答える。
鳴沢 柚月
こいつのこう言う所が嫌いだ。
鼻を鳴らし、低く吐き捨てる。 馬鹿のボソボソした喋り方を真似したみたいな、みっともない声が出た。
吉田 響
鳴沢 柚月
こいつとは一生 仲良しこよしにはなれねぇな。
全然出なかった限定ヨッシーダくんは、すんなりと出た。
やはりこのショッピングセンターは最悪だ。
山崎 孝太
山崎 孝太
溝口 圭佑
溝口 圭佑
山崎 孝太
山崎 孝太
コメント
1件
今年の目標。 隔 週 日 曜 日 更 新 次回から第8章が始まります( ´∀`) 第3章で鮮烈デビューを果たした「彼」との戦いです( ´∀`) 読んでくださりありがとうございました❗そして明けましておめでとうございます✨