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小1時間ほど休んで、やっと体力が戻ったので、その間にパークスさんが直していたテーブルセットに腰かけた。
倒れている間、土の上に寝かされたまんまだったり、
おばあさんは自分の魔法で作った土のソファに座っているのに、 ぼくは壊れたイスの脚に大きめの石を噛ませて座っていたり、
黒い犬はとっくに目を覚ましてそのあたりを自由に歩いていたりするけど、
何から言えばいいのかわからず、何も言えなかった。
パースク
パースク
パークスさんがいれたてのココアを用意してくれた。
自分にはワインをいれて、おばあさんには麦茶。
統一感がない。
ユウゴ
パースク
ユウゴ
パースク
ユウゴ
パークスさんに言われたことに、あまり実感がわかなかった。
だって、ぼくの魔法具《マギアツール》はピストル。
明確に魔物を倒すための武器だ。
それなのに黒い犬は自由に歩き回っている。
それは弾が当たらなかったか、当たったけど大したダメージがなかったということじゃないのか。
パースク
ユウゴ
パースク
ユウゴ
パースク
パースク
闊歩
闊歩
おばあさんがあきれた口調で頭を抱える。
ぼくの知り合いにはスケボーに乗っている女の子もいるんだけどな。
あと、孫の魔法具《マギアツール》が扇子なのは、言わないほうがいいかもしれない。
パースク
ユウゴ
なんだか照れくさい。
闊歩
ユウゴ
なんだか否定できない。
闊歩
闊歩
おばあさんが厳しい視線をぼくに向ける。
闊歩
闊歩
ユウゴ
闊歩
闊歩
闊歩
このうち、はじまりの場所は思ったとおり、5年前に魔物に襲われた、キャンプ場の山林だった。
決めなければならないのは、もうひとつの、はじまりの理由。
闊歩
ぼくが魔法使いになる理由。
ぼくがアミキティア魔法学校に戻ろうとしている理由。
入学する前にも、おばあさんに同じような質問を投げかけられたことがある。
その時の答えは、アルクやユトリに出会えたからだった。
その気持ちは今も変わっていない。
アルクやユトリがいなかったら、入学試験や入場行進をクリアできなかっただろうし、頑張ろうとも思えなかった。
その後、アミキティア魔法学校に入学し、寄宿舎での生活が始まった。
そこで出会った、シシロウ、ナミスケ、ショウリ、メイカ、ホマレ。
シシロウは魔法使いの名家の次男という重圧に負けず、常に堂々としていた。
ナミスケは卑怯で意地悪なところもあるけど、アミ戦では手を抜かなかった。
ショウリは何でも軽くこなしているようで、意外と熱いところがあった。
メイカは生意気な子供に見えるけど、誰よりも才能があった。
ホマレはとっつきにくいお嬢様に見えて、思ったよりも親しみやすかった。
仲間とぶつかり合うこともあった。
だけど、こうして思い返してみると、嫌な感情はわいてこない。
また会いたいと思っている。
これが理由になるのかな。
要するに、ただ友達に会いに行きたいと言うだけじゃないか。
将来的には魔物と戦う魔法使いになる理由が、そんな軽いものでいいんだろうか。
なんか恥ずかしくなって、顔が熱くなってきた。
闊歩
ユウゴ
パースク
すでにワインボトルを半分くらい空にした赤い顔のパークスさんが、横から口を挟んできた。
パースク
ユウゴ
変な誤解をされたくないので、自分の理由をきちんと話した。