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面白い☺そらねさんの物語が大好きです!💗🤩
【教室】
こはる
こはる
授業も上の空に、 私は悩んでいた。
窓の外では、桜が はらはらと散っている。
こはる
こはる
マルコと呼ばれること 自体は構わないけれど……
これは結局、犬としてしか 見られていない ということなのか、
それとも。 結婚の約束をした 相手として見て くれている、ということに なるのだろうか。
こはる
こはる
こはる
【自宅】
こはる
こはる
こはる
こはるの母
こはるの母
こはるの母
こはる
こはるの母
こはる
こはる
【こはるの部屋】
バタン。
私は自室のドアを 閉めるなり、 その場でへたり込んだ。
こはる
こはる
こはる
思考がぐちゃぐちゃに なって、私は涙を流し、 しゃくり上げた。
こはる
こはる
こはる
こはる
私はなるべく 大きな声をあげないように 気をつけ、だけど どうしても漏れてしまう 泣き声を止められずに、
ドアに背を預けたまま 嗚咽した……。
——
——…… ————……
佑一郎
佑一郎
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
お兄ちゃんは迷い無く 私を抱きかかえ、 立ち上がった。
そして、ベッドへと 向かう。
こはる
ベッドに押しこまれ、 布団をかけられ そうになる。
こはる
佑一郎
こはる
私はお兄ちゃんに ぎゅっとしがみついた。
佑一郎
お兄ちゃんはふぅと ため息をついて。
佑一郎
お兄ちゃんは再び 私を抱きかかえると、 そのままベッドの横に 座り込んだ。
佑一郎
お兄ちゃんの長い腕で、 すっぽりと包み込まれる。
マルコのときに、 抱っこしてもらった みたいに。
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
私はきゅっと くちびるを噛み締める。
こはる
こはる
こはる
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
家にまで来るなんて、 それ以外にあり得ない。
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
佑一郎
私はお兄ちゃんを見上げ、 尋ねる。
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
こはる
佑一郎
こはる
こはる
——ついに言って しまった。
お兄ちゃんは、 叫んだ私の背を なだめるように撫でて。
佑一郎
こはる
こはる
こはる
こはる
こはる
佑一郎
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
お兄ちゃんが、そっと 私の頬を両手で包んで、 顔を上向かせる。
佑一郎
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
お兄ちゃんの黒い瞳が どんどん近づいてくる——
私は目を見開いたまま、 動くこともできずにいた。
こはる
やわらかいくちびるが 重なって、そして。 ——しばらくして離れる。
佑一郎
こはる
佑一郎
佑一郎
佑一郎
佑一郎
お兄ちゃんが、 やさしい瞳で告げる。 私は——
こはる
私はようやく微笑んで、 それから。
両腕を伸ばして、 お兄ちゃんの首に 抱きついた。
そんな私の背中に お兄ちゃんも腕を回し、 あやすように 撫でてくれる。
——ふたたび離れて、 見つめ合ったとき。
佑一郎
こはる
私たちは、 どちらからともなく くちびるを合わせて、
二度目のキスを したのだった。