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コメント
1件
うわぁ…この回、すごく切なくて胸が締め付けられました。メキシコの「愛してる」が義弟に向けたものだと分かっていても、スペインが同じ言葉を返す瞬間の温度差がたまらないですね。それに、体に傷が増えていく描写や「もういっか」と投げやりになる心境、読んでいて苦しかったです。でも最後のポルトガルからの手紙でちょっと救われました。彼の存在が本当に大きな支えなんだなと。二人の関係性がどう変わっていくのか、引き続き気になります!
くじら🐋🫧
くじら🐋🫧
くじら🐋🫧
くじら🐋🫧
Let's go↓
スペイン
ソファベッドの上、目を開けるとメキシコが居た。
メキシコ
俺の眠っていたソファベッドに座っていたようだ。
そのまま、頭をぽんぽんされる。
スペイン
義弟に頭ぽんぽんとか恥ずかしい。
スペイン
メキシコ
微笑みながら愛おし気に手が離れていく…ように見えた。
スペイン
声は寝起きでかすれている。
メキシコ
そう言い俺が買っていたお酒を持ってニヤリと笑う。
メキシコ
スペイン
スペイン
覚えてくれていたこと、乗り気なことが嬉しい。
ベッドからのそのそと起き上がり、
机の上に並ぶお酒たちを見る。
メキシコ
スペイン
そう言いつつも、目線は一本のワインに釘付けだった。
スペイン
それを見兼ねたのかメキシコがそのワインをひょいと持ち上げる。
メキシコ
少しだけ嬉しそうなその顔。
スペイン
スペイン
そう言いグラスを差し出す。
中に入ったワインの美味しそうな色に恍惚とする。
喉を鳴らして、ワインを飲んだ。
寝起きで乾いていた喉が、満たされていく。
スペイン
葡萄の酸味と苦みが丁度良い。
その美味しさにほっぺがおちそう。
メキシコ
メキシコ
スペイン
だんだん強張っていた意識が溶ける。
大量のお酒を飲んでも怒られない。
もう、メキシコに全て委ねていいかもしれない。
どうせすぐ死ぬんだから。
メキシコ
メキシコも嬉しそうだ。
スペイン
メキシコの家のベランダへ歩く。
そのままベランダで沢山のお酒を嗜んだ。
俺の家は海に近い。
だから、ベランダに出れば 月が反射した海を見下ろせる。
夜風と海風に吹かれ飲むワインは格別。
スペイン
メキシコ
隣に好きな人もいるのだ。
何も考えなくていい、幸せな時間。
スペイン
スペイン
…何も考えなくていいはずだった。
メキシコ
メキシコ
お前に初恋奪われてからずっとな
メキシコ
メキシコ
その気も知らないでさ。
スペイン
スペイン
お酒が入るとスペインは沢山しゃべる甘えんぼになる。
可愛いし襲いたいし 食べちゃいたいが…。
そんなことをすれば此奴は どんな目をするのか。
メキシコ
性欲と理性が思いっきり 殴りあっている。
だって好きな人…それもめちゃくちゃ顔面偏差値が高いやつが
寿命が短いから寂しいのを 隠してて
でも酒のせいで酔って 甘えてきて、
遠慮もなしに距離も近い。
メキシコ
スペイン
スペイン
俺の名前を上目遣いで呼ぶ姿。
小さな子犬のようで、でも美しい美術品のようでもあって。
純粋な目をしているからこそ 吹っ切れて、でも襲えなくて。
メキシコ
酒の力の偉大さを知る。
どっちにも躊躇がなくなる。
海を見てなんとか心を落ち着けたいのに、
その視界の端にスペインが 笑っている。
メキシコ
スペイン
義弟に対する「愛してる」 だなんて分かっている。
スペイン
でも、理解したくない。
理解したら、俺の想いはどうなる?
メキシコ
都合のよすぎる考え方だけど、
愛してるって言ったのは此奴。
メキシコ
スペイン
大量の空き瓶もそのまま、 横抱きをして寝室へ向かった。
その後のことは よく覚えていない。
ただ、彼奴の純粋な目を見て、 ぎりぎり理性が勝ったような
スペインがすぐ寝てしまって、 起こすのも悪いし、と言い訳して
俺も仕方なく隣で一緒に寝たような気がする。
メキシコ
日光が瞼を照らす。
朝になったようだ。
メキシコ
隣に居るのはスペイン。
…でもしっかり服は着てる。
メキシコ
安心とも残念ともつかない 気持ち。
いつか襲って駆け落ちでも しようか。
ただ、それが今じゃなかった というだけ。
メキシコ
美しいスペインの寝顔。
美術品の様な、整いすぎている顔立ち
息をしているか疑うほどに 美しい。
メキシコ
メキシコ
恋人のいる此奴に手を出すのが 悪なんて知ってる。
だからこそ、こんな中途半端な俺が
俺が変われればいいのに、 と思う。
薬物に手を出し、ギャングにも 手を染めた。
もう、お前の知ってる俺には 戻れない。
不釣り合いなのも わかっている。
メキシコ
メキシコ
きっといつもみたいに笑うんだろ?
メキシコ
メキシコ
そういい朝食作りと、 仕事へ行く為の準備へ向かう。
右ポケットにはいつもの薬が 入ってる。
左ポケットに拳銃をしまう。
もう、戻れないんだ
メキシコ
メキシコ
ぱたりと小さな音を立てて 閉まる扉。
部屋はまた薄暗くなった。
メキシコ
ドア越しに思うくらいが、 こんな俺にはちょうどいい。
部屋で目が覚めて、穴が開いたように抜け落ちてしまった昨日の記憶を思い出そうとする。
あれ、そもそもなんでここにいるんだっけ。
家の中を詮索するついでに、全身鏡を見た。
スペイン
首筋と体中に、大量の傷ができていた。
線状に走った傷、痣
スペイン
元よりあった量の2倍はあるだろう。
ただ、これが夜中でよかった。
起きている時間だったら激痛に悶えることになっていた。
スペイン
前に海岸で苦しんだ時みたいに、
ポルトガルやメキシコに迷惑をかける。
そんなことになるくらいなら
そんなことになるくらいなら……
スペイン
鏡から目をそらし、一階へ向かう。
リビングに入れば、そこには美味しそうなご飯。
メキシコ料理が並んでいる。
スペイン
どんなに美味しそうに見えても、俺はもう食べれない。
体はもう食事を受け付けない。
いつ死ぬか分からない栄養失調の状態。
でもどうせ、後4か月で死ぬのなら。
スペイン
ポルトガルも出張行っちゃったし。
メキシコだって今仕事行ってる。
もし、メキシコもポルトガルも
介護に疲れて、興味がなくなって
必要とされなくなって
仕事だと称して俺を捨てていたら?
スペイン
喉から変な音が鳴った。
もし本当に、
スペイン
声にならない声が出たと思えば
視界がぐにゃりと歪んで
ソファになんとか手をついて
しゃがんでみたけど収まりそうになくて
床に倒れこんでしまった。
スペイン
助けを呼びたくても声が出ない。
床の冷たさも、徐々に感じられなくなっていく。
まぁ、もういっか
スペイン
陽が落ちたのか、部屋が朱色に染まっていた。
目に優しい光がレースのカーテン越しに部屋に指してる。
スペイン
スペイン
そういえば、俺は床で倒れたはず。
スペイン
自分の体の貧弱さと、誰かに迷惑をかけた事実に絶望する。
また迷惑をかけちゃったんだ。
こんな、俺の体と病気のせいで。
温かくて、分厚い布団。
ふかふかのシーツに枕。
幸せなはずなのに、
誰かに用意させてしまった事実が嫌で
ベッドのぬくもりがみじめで仕方なくて
スペイン
スペイン
スペイン
なぜだかわかんないけど涙が止まらなくて。
スペイン
スペイン
スペイン
咳も止まらなくなってきて
スペイン
痛いし、気持ち悪いし
苦しいし、辛いし。
スペイン
スペイン
ナチス
ナチス
スペイン
音もなく現れたのはナチス。
流石軍人、気配もしなかった。
スペイン
スペイン
スペイン
ところどころ息が詰まってく。
ナチス
ナチス
スペイン
ポルトガルがよくかけてくれた言葉
体が本能とでも言うように、 その症状を抑える。
ナチス
スペイン
なんとか元気な俺っぽい笑みを 作るが、うまくいかない
ナチス
小さくナチスが呟く。
スペイン
ナチス
ナチス
ナチス
ナチス
スペイン
ナチス
ナチス
そういいサイドテーブルの上、 テールランプのふもとに処方箋を置く。
そして気配もなく消えてしまった。
スペイン
中を見ればそこには、 俺の愛する恋人の字で
Siento no tener más que para mes.Volveré lo antes posible.
汚い字でそう書いてある。
彼奴には俺のことなんて お見通しで
変わらずいつも、 遠くからでも温かい。
スペイン
そんな彼に支えられる度俺は、
真っ向からの愛を 全身で受け止めているのだ。
薬を一錠流し込み、 また眠りについた。