暖かさと丁度いい揺れ
ここはバスだ
1月の寒い夜のことだった
俺は少し遠いスポーツショップと本屋を寄った帰りだった
バスは鼓動と共に知らない道を進んで行く
乗客も少なく、静かな車内だった
俺は窓にもたれかかり眠りにつこうとした時だった
「カチッ」
耳元で音がした
ボタン
白布賢二郎
ボタンをもたれかかった時頭で押してしまった
どうする、まだ降りるバス停まであるぞ
無視、するか
第一今日は部活帰りで疲れていた
早くメシ食って風呂入って寝たい
部活——なんだか最近の部活は少し緩んでいた
俺が白鳥沢に入学したのは、牛島さんにトスを上げるためだ
別にもう部活を続ける意図はない
3年はたまに来て練習に付き合ってくれた
牛島さんは大学の練習に忙しそうだからなかなか来てくれなかった
もうあの人は遠く、離れた存在になってしまう
俺のエースじゃ無くなってしまった
せめて春高に言ってればもう少し尽くせていたのだろうか
そんな事を考えたって無駄だ。そんなの分かっている
今のエースは五色だ変えようが無い
「白鳥沢、牛若ありきりのチームだったよな
五色だっけあいつも上手いけど牛若に比べると劣るよな」
これをいつ言われるか馬鹿みたいに気にしている自分が嫌だ
五色だってエースだ。うちで1年レギュラーだぞ
舐めんな、舐めるなよ
俺、なんでこんなバスにこんな事考えてんだろ
白布賢二郎
1人で嘆いたその時だった
ボタン
俺が間違って押したバス停だった
誰も降りないと思っていたが、制服姿のうちの生徒が乗ってきた
白布賢二郎
金髪の髪、女子にしてはスラリと伸びた体
そいつは
佐伯〇〇だった
佐伯〇〇
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
佐伯〇〇
白布賢二郎
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
プツンっと何かの血管が切れて気がした
白布賢二郎
白布賢二郎
1度開いた口は治らない
白布賢二郎
白布賢二郎
白布賢二郎
佐伯〇〇
白布賢二郎
自分の怒声が静かなバスに響き渡る
白布賢二郎
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯が降車ボタンを押し、バスが止まった
ゆっくりと立ち上がり、こちらに顔を向けると
佐伯〇〇
佐伯〇〇
佐伯が投げた飴が俺の手に渡った
白布賢二郎
白布賢二郎
白布賢二郎
彼女は一瞬顔を固まらせたが直ぐに笑顔になって
佐伯〇〇
元気にVサインをしてこのバスを後にした
彼女がくれた飴は
ほんのりピンク色で味は…分からなかったが
その加糖が心地よかった
体の重荷が取れたのは
きっと気のせいだ
コメント
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佐伯ちゃん、めっちゃいい子✨