路地裏に一人男が立っていた
悠佑
悠佑
そう呟き、道をふらふらと進んで行く
悠佑
バタンっという音と共に 男は倒れた。
悠佑
悠佑
目を覚ますと見慣れない天井が見えた
ないこ
一人のピンク髪の男が声を出し、 喜んでいる
悠佑
コイツは誰だろうとおぼつかない頭で 考える
ないこ
お人好し、か?
悠佑
返答によっては…コイツを…
ないこ
邪気のない笑顔を向けられ、 先ほどまで考えていたことは全て 無駄だったと悟る
ないこ
悠佑
ニコニコとしているこの男を 信用しても、、いいの、か?
悠佑
重たい口を開き、そう言った
ないこ
ないこ
そう、ないこが言ったとき、 どこからかぐるるるると音がした
悠佑
ないこ
ないこ
悠佑
こんなに恥ずかしいことはない と、そう思う悠佑だった
ないこ
ないこが指差したソファに座る
悠佑
ないこ
悠佑
まだ、後ろめたさが残っているのか 申し訳なさそうに話す
ないこ
悠佑
食い気味にそう言ってくる なんなら手を握って来ている
ないこ
ないこ
幸せそうな笑顔やなぁ…
悠佑
この日初めて、悠佑は笑った
ないこ
ないこ
悠佑
明らかに挙動不審だが、 気にしないで置くことにした
夕飯
ないこ
悠佑
もぐもぐとカレーライスを頬張る
悠佑
久しぶりに温かいものを食べたためか 感動すら覚える
ないこ
ほっ、と安心した顔でこちらを向く
ないこ
悠佑
ないこ
お花を飛ばしているようにも見える 幸せそうな姿はないこには 効果バツグンだったようだ
悠佑
ないこ
悠佑
幸せだ
悠佑
……幸せとはそう長くは続かない それをわかっているから、 悠佑は今、この幸せを噛み締めている
夕飯やらシャワーやらを済ませ、 あとは寝るだけとなった
悠佑
ないこ
悠佑
こちらとしても胸が痛むが ないこが言っていることは正論である
悠佑
だが、こちらとしてもひけないのだ
悠佑
ないこ
ないこが驚きのあまりズザザザと 後ろに行っている
ないこ
ないこが言い淀んでいると、
悠佑
と、悠佑は言った
ないこ
本人が良いと言っている手前、 断れないという言い訳をするないこ
ないこ
結論は、一緒に寝るとなった
悠佑
ないこ
電気が消え、暗闇に染まる
悠佑
悠佑は早くも眠りについていた
ないこ
ないこ
そう言い、ないこも眠りについた
朝
悠佑
ないこ
寝ぼけた顔でふにゃりと笑うないこに つられて、笑いそうになる
悠佑
そう言って、朝が始まったんだな なんて呑気なことを思う
悠佑
ないこ
ないこ
まだ眠いのか、ゆったりとした口調で 途切れ途切れで話す
悠佑
ないこ
このままだとまた、寝るなぁ
悠佑
まあ、それでもいいか と思えた 午前7時の話
悠佑
初めて……ともいかないが、 数回しかしたことがなかった料理を 自分ができたことに驚く
悠佑
一人で作った卵焼きを味わって食べる
悠佑
ないこ
悠佑
ひょこっと現れた彼を見て、 少し安心した自分がいることに驚く
悠佑
ないこ
悠佑
自分が作った卵焼きを一つ持つ
悠佑
ないこ
明らかに戸惑うないこが面白くて
悠佑
少し、イジワルしたくなった
ほんのりと赤く染まった頬を 隠すように顔を手で覆ったまま
ないこ
と言った
悠佑
悠佑
どうしても口角が上がるほど、 おちょくるのは楽しかった
ないこ
悠佑
ないこ
もぐもぐというよりもきゅもきゅと 小動物のように卵焼きを食べている
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
諦めたように呟く 内心納得なんてしていないだろうが
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
なぜに海? という疑問が ないわけでもないが、まあどうせ 大した理由なんてないだろう
悠佑
悠佑
ないこ
海に行くことを二つ返事で了承した。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
思った通り、困惑している。
悠佑
おちょくるのは楽しいということを ないこと出会って知った
ないこ
悠佑
俺たちは海にやってきた
悠佑
もっとゴミが散らかってるもんだと 思っていたから意外だった
ないこ
ないこ
…お国様自慢のロボット か。
悠佑
悠佑
俺もやるべきことをせんとな
ないこ
悠佑
今は、海の広さに心を任せよう
そう思った 午前10時の出来事
ないこ
悠佑
ないこ
ないこ
悠佑
ないこ
そう言われたから、もう待つことしか できないなとなった
悠佑
走って売店まで行くないこの背中を 見つめていた
悠佑
悠佑
ただ呆然と海を眺めていた
ナンパ野郎
ナンパ野郎
3人の男性に声をかけられた。 所謂、ナンパ というやつだ
悠佑
先ほど お嬢さん と言われたため 勘違いしているとわかった
ナンパ野郎
ナンパ野郎
ナンパ野郎
3人仲良くどうするかを 決めているようだ
ナンパ野郎
悠佑
ナンパ野郎Aに腕を掴まれる。 正直きしょい。
ナンパ野郎
ナンパ野郎
ないこ
悠佑
ないこが走ってこちらにやってくる そう急いだらかき氷が溢れてしまう
ないこ
俺の前に立って、 ガルルルとナンパ野郎に向かって威嚇を行なっている
悠佑
呑気なもんだ 自分がナンパされてるというのに
ナンパ野郎
ナンパ野郎
ナンパ野郎
ないこ
その時、悠佑の中で何かが切れた
悠佑
ナンパ野郎
そう言うと、ナンパ師はいつのまにか ひっくり返っていた
ないこ
突然のことでポカン…としている ないこを横目に
悠佑
悠佑はゴミを見る目でナンパ師を 見てそう言い放った
ナンパ野郎
ナンパ野郎
ナンパ野郎
先ほどまでの態度が嘘のように 立ち去って行った
悠佑
ないこ
悠佑
夢かと疑ってしまうほど、 眩しい笑顔をしている
ないこ
悠佑
ないこが何を呟いたのか、 よくわからず聞き返す
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
思わぬ出来事が相手の人生を変える
それが今日悠佑が学んだことだそうだ
ないこ
ないこ
海に向かって叫ぶ
悠佑
ないこ
悠佑
まあなんともくだらない事で 慌てているわけだが
悠佑
アニキはごくごくと ラムネを飲み進めている
ないこ
美味そう風に飲むから俺も 欲しくなってそう言った
悠佑
ないこ
悠佑
ニヤッと意地悪そうに笑うと 走り出した
ラムネを掲げて
ないこ
挑発に乗って俺も走り出した
ないこ
悠佑
こんなのイジメだろ と思うのも 仕方ないくらいには体力差があった
ないこ
体力で勝てないのなら 知力で勝つしかない
悠佑
ないこ
悠佑
予想通り、後ろを向いた
ないこ
悠佑
アニキの手にはもう、ラムネはなく かわりに俺の手の中にラムネがあった
悠佑
ないこ
ないこ
しゅわしゅわと弾ける炭酸が鼻をぬけ 心地良い"美味い"が広がる
ないこ
海で飲むとまた格別!
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
ああ、なんとも馬鹿げている
ないこ
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
ザザーン…
悠佑
ないこ
だけど馬鹿やってた方が
ないこ
コメント
5件
あれ... ラムネ... か、関節キス...! うへうへ
スゥゥゥ…神作品ここに??最高でした!!ありがとうございます! 土下座して感謝しますぅぅぅ!(土下座)