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私が黒崎くんを意識し始めたきっかけ…… それは──── 春休みが明け、2年生になった日の学活の時間。 私の直ぐ左横の席だった黒崎くんは、スヤスヤ気持ち良さそうに寝ていた。

龍平

…………zzZ

顔をこっちに向けて寝ていた為、横を向けば寝顔が見える状態だった。 綺麗な顔立ちで、眠っている姿も凄くカッコよくて……

陽向

……///

つい、見惚れてしまった。

先生

おい……このクラスは誰も学級委員になりたい奴はいないのか?

新学年である私達は学級委員を含め、色んな係りを決めなければならなかった。 他の係りは直ぐに決まったのだけど、学級委員だけは誰もやりたがらない。 その為、先生も困っていた。 私は特に目立たず、黒板に書かれた係り名と、次々と書かれていく、名前を見ているだけだった。

菜穂

先生!南城さんが、学級委員やりたいんだってー!ねぇ?南城さん?

陽向

えっ……

陽向

(私、何も言ってないのに……!)

後ろの席である入江さんに、思ってもない事をふってこられ、私は戸惑ってしまった。

先生

おー‼何だー、南城。
やりたいなら手くらい挙げろよなー!

陽向

え……私別に……

菜穂

クスクス……黒崎くんの事ばっか見てるからだよ。バーカ。

陽向

っ……///

私は図星過ぎて一瞬、言葉を失ったが、入江さんの言葉に少しだけ腹が立った。

陽向

それとこれとは関係ないでしょ!!

菜穂

!?

私は思わず席を立ち、入江さんに向かって大声を出してしまった。

先生

おい!南城、落ち着け!

陽向

!!

私は先生の言葉にハッとし、皆が私を見ている事にようやく気付いた。

陽向

ご、ごめんなさいっ!!

一気に顔が赤くなった私は、頭を下げて謝り、小さくなりながら座った。

菜穂

地味子のくせに生意気なやつ

そう吐き捨てる声が後ろから飛んできた。

陽向

っ……

私は先程の事もあり、黙って聞こえてないフリをしていると……

龍平

……………

横から物凄い視線を感じた────

陽向

……

少し首を横に向けると、さっきまで寝ていたはずの黒崎くんが、目を丸くして私を見ていたのだ。

陽向

(お、起きてたんだ……)

陽向

(てか、何でそんなに私を見るの!?)

私は少し警戒しながら彼を見ていると、目が合ってしまった。

陽向

!!!

龍平

クスッ…

黒崎くんは驚く私を見て笑ったかと思うと、親指を立てて私にそれを向けた。

陽向

??

────今の最高だったぞ────

口パクだったけど、何となくそう言っているうな気がした。 何故か私は、この彼の言葉に少しだけ救われた……

あ、ありがとう……///

そう私も、照れながらも口パクで返した。

これが黒崎くんと会話をした最初の言葉だった────

先生

南城、結局どうなんだ?
学級委員やるのか、やらないのかどっちだ??

「早くしてくれ」と言わんばかりに、先生が腕を組みながら、私に催促をする。

陽向

わ、私は……そんなのできま───

せん……… そう答えようとしたその時─────

龍平

先生!

急に黒崎くんが手を挙げた。

先生

何だ?黒崎。

龍平

俺、学級委員やるわ。
南城と二人でやるから、これで全部決まりだろ?

は……?

先生

え?あ、あぁ。お前がやってくれるなら、先生は助かるよ。
じゃあ、南城も宜しくな!!

陽向

(え!?ちょ…ちょっと待って……)

龍平

じゃあ、決まり!
とゆうわけで……南城、宜しくな!!

そう言ってニコッと笑い、右手を差し出してきた。

陽向

っ……///

断るつもりが返って彼の笑顔に負けてしまい………

陽向

よ、よろしくお願いしますっ……///

結局、私は彼の前に左手を出し、握手を交してしまった────

この時、私は物凄い心臓の音が鳴っていたのを今でも覚えている。

そう……これが……

私が黒崎くんを意識し始めたきっかけだった─────

地味子とイケメンと嘘の恋

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