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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

魔王

(お互い一撃でかいのを入れれば勝ちだ)

魔王

(そのために隙を作らないといけないが)

魔王

(それができるほど我も体が言うことを聞かない)

魔王

(ぶっ倒れる覚悟でやるしかねぇか)

魔王

(全く人の体ってのは不便なもんだ…)

魔王

(我自身この程度で音を上げるなんてな)

リルフ

私の目的の邪魔をよくもしてくれましたね

リルフ

この国を私達悪魔の巣窟にするつもりだと言うのに

リルフ

人間も魔物も急に手を取り合い

リルフ

私の邪魔ばかり…

リルフ

悪魔は両者にとって道具にしか過ぎない

リルフ

それを払拭したくて私は国を建立する予定だったというのに

リルフ

よくも……

リルフ

よくもォォォォ!!

魔王

残念だがそれは思い過ごしだ!

魔王

種族違えば互いが互いを道具としか見ない

魔王

ようは利用しつつされつつ

魔王

そんな関係なんだよ私達人間も魔物も悪魔も

魔王

知性あるものはみな利用できそうなやつは利用するだけだ

魔王

それをさも自分たちだけのような言い草を…

魔王

被害者ぶるのも大概にしろ!

リルフ

この屈辱を貴様は知らぬから言えるのだ!

魔王

先に言っておこう

魔王

私は勇者だが人間から忌み嫌われている

魔王

私に仲間はほんのひと握りしかいない

魔王

私の立場は道具よりも低いのだ

魔王

使い捨ての駒なんだよ

魔王

人間側の目的は魔王を倒すこと

魔王

それが達成されれば私の命など安いものだ

魔王

各国の王はそう考えている

魔王

似た境遇にあると思わないか?

リルフ

同情されるだけ私は虚しいね

魔王

そうか…

魔王

だが私は敵ながら嬉しく思う

リルフ

なに?

魔王

この国をここまで追いやったこと自体は許す気は無い

魔王

だが、お前の事情を全て話してくれた

魔王

私としてはそれだけで満足だよ

リルフ

ふん…

リルフ

どうせ死ぬ者に情報を与えたところで漏れることは無いからな

魔王

そうかもな……

魔王

魔王

さぁ…もう終わりにしよう

魔王

お前はもう楽になるべきだ

リルフ

ふざけるな!

リルフ

私はこれから貴様を殺しこの国を統治して世界中に私の存在を知らしめる

リルフ

それまで私は死ねない!

魔王

お前は少し頑張りすぎたそれだけだ

魔王

ほかの悪魔と違い自分の立場に違和感を覚えた

魔王

それ故にここまでの苦悩を見せるのだ

魔王

もう何も考えることは無い

魔王

私が楽にしてやろう

リルフ

綺麗事を貴様はスラスラと!

傷だらけでおぼつかない足を無理に動かし影の剣を作り斬り掛かる

ウルターニャは冷静にその太刀筋を見極め最低限の動きでその刃を避け

剣を振るったその腕を無情だが切り落とす

リルフ

うがぁぁぁ!!?

魔王

もう戦いを終わりにする

魔王

貴様の敗因を教えてやる

魔王

私の死をしっかりと確認しなかったそれだけだ

魔王

総滅剣 カルターニャ!

魔王

【リルフ】を滅せよ!

そう叫ぶと漆黒の剣は刀身から赤いオーラが浮かび上がり

剣全体を覆いその状態でリルフの腹部を横に薙ぎ払う

リルフ

あがっ……

魔王

お前が二度と蘇らぬようにお前という概念を消し飛ばした

魔王

もう苦悩することは無い

魔王

少し残念だが貴様は輪廻転生の輪から外れた

魔王

もう別の何かに生まれ変わることは無いかもしれないが

魔王

もし生まれ変わったのなら苦悩することの無い

魔王

綺麗な世界に生まれるといいな

リルフ

ウル……ターニャ

最期は敵の名を掠れた声で呼び灰となり静かに朽ちていった

灰になったリルフからいくつかの魂が抜け出ていった

その中には現王の魂もありその魂は元の体にと飛んで行った

勝負は着いたその安堵からかウルターニャもゆっくりと倒れる

日付は翌日……崩れた城の屋根から朝日がこぼれその光がウルターニャを優しく包む

今ここにサバクシスの平和が訪れたのであった

同時刻 ヴィゲル

ヴィゲル

この部屋の主が分かった

サヤカ

ほんと!?

ヴィゲル

【トリスタン】という人物の書斎で間違いないと思う

ヴィゲル

彼はどうやらとある国の一兵士だ

ヴィゲル

それもかなりの地位の者だな

サヤカ

どんな人物なの?

ヴィゲル

そこまでは分からない

ヴィゲル

今わかっていることはこの書斎がトリスタンという人物のものということ

ヴィゲル

彼の仕える国の王はアーサー王ということ

ヴィゲル

そしてトリスタン及びアーサー王は相当の実力者なうえに

ヴィゲル

僕たちを狙ってるギルド本部の人間ということもわかってる

サヤカ

じゃあ次私達の行くべき場所は.…

ヴィゲル

アーサー王の居る国だな

ヴィゲル

ちょうど東の大陸にあるようだからな

ヴィゲル

これは行かざる得ないと思うよ

サヤカ

よーやくギルドのヤツらと白黒ハッキリさせられそうね

ヴィゲル

ただ相手が聞く耳を持ってくれるか

ヴィゲル

それは別の問題だけどね

サヤカ

……

サヤカ

そうよね…

ヴィゲル

さて、と

ヴィゲル

実はこの話自体は前フリに過ぎない

ヴィゲル

本当に話したいのはあのしるしについてだ

サヤカ

斜線とか3角とか?

ヴィゲル

あれの意味だが

ヴィゲル

恐らくあちら側の問題を示してると思う

サヤカ

内部分裂みたいなこと?

ヴィゲル

そうだね

ヴィゲル

斜線はいわゆる中立だと思う

ヴィゲル

逆に3角はアーサー派ということ

ヴィゲル

もうひとつは4角のマークだ

ヴィゲル

これはトリスタン派で間違いないだろう

ヴィゲル

何かしらあっちでも問題がありどちらの派閥なのか

ヴィゲル

それを示すマークではないかと予想できる

サヤカ

根拠は?

ヴィゲル

引き出しにやけに綺麗な手紙を見つけてね

ヴィゲル

その中身が今言った話だよ

ヴィゲル

憶測だけど内部分裂が起こり

ヴィゲル

アーサーとトリスタン派の二つに分かれ

ヴィゲル

そのうち衝突を起こすかもね

サヤカ

そんな中に私らは行くわけ?

ヴィゲル

まぁやむを得ないかな

ヴィゲル

今から西の大陸に戻って北の大陸に行くのは時間がかかりすぎるし

サヤカ

東からなら近いの?

ヴィゲル

あっちは今言ったアーサー王が管理してると言っても過言ではない

ヴィゲル

だからそこと話をつければスっと北の大陸に行かせてもらえるわけだ

ヴィゲル

安心安全な船旅をな

サヤカ

西から行く場合はどう面倒なの?

ヴィゲル

まずこの大陸が大きすぎる

ヴィゲル

んで次にどうやって行くかわからん

サヤカ

はぁ!?

ヴィゲル

僕達はリーフフルールのギルマスに騙されてここに来た

ヴィゲル

なんなら拉致されたよね

サヤカ

そういえばそうね…

ヴィゲル

て事なのでどうやって行くか分からないわけ

ヴィゲル

ここの人達に聞くにしても多分答えてくれないだろうしね

サヤカ

私ら指名手配犯らしいし…

ヴィゲル

そうなると残された道は東に行くしかないわけよ

サヤカ

どーしてそうなるかなぁ…

ヴィゲル

とにかくこの後の方針はみんなで決めることにしよう

ヴィゲル

今はここの情報を持ち帰ってウルターニャさんのところに行こう

サヤカ

玉座の間わかるの?

ヴィゲル

なんとかなるでしょ

サヤカ

楽観的すぎて笑えないわ…

お気の毒ですが魔王は勇者になりました

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コメント

1

ユーザー

ここに来てようやくサバクシス編は終了となりますかね

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