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テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
あの時
レイがどうやって 星を落としたのか
最後までわからなかった
ただ、不思議と
そこまで疑問に思うことはなかった
その時にはもう
レイが何をしても 驚かない自信があった
そうなったのはきっとイザナも同じで
俺もイザナもたぶん
レイと混ざったあの日から こうなったんだ
俺がレイの手を握って レイの体温と海の音で感覚が 麻痺してきている時
イザナはレイに少しもたれて 夢を見ている
今は
3人ともお互いの全てに 干渉し合っていた
イザナが何の夢を見ているか
少し感じ取れた
ねぇ、兄さん
ん?なに
姉さんはさ、、
、、、
、、、レイがどうした?
姉さんは、、
本気で泣いた事あるの?
、、
、、
本気、、か
、、、、、あ〜
あるある。あったわ
、、いつ?見たの?
そーだな、、
俺もお前もレイも 生まれる前に見た
(・・?)
どういうこと?
、、、前世?
(*´ー`*)んーー、、
まあ、いつどこでとかはともかく
俺は、その顔を見て、、
、、、良く見る夢だ
この先が思い出せない
兄さんは何を言ったんだろう
「その顔を見て」って、
姉さんの泣き顔なんて 一緒の体じゃ見えないはずだし
やっぱり、、
本当に前世の話だったのか
3人とも
一晩中浜辺で過ごした
途中から、自分が起きてるのか 寝てるのかわからなくなった
ただ3人とも
それぞれの存在を頼りに夜を凌いだ
気づけばもう日が昇り始めていた
水平線上から
光が海と空にそれぞれ分岐して浸透し
毎日毎日
46億年前から続いている 当たり前の光景に
これほどまでに憎しみと寂しさを 感じたことはない
万次郎もイザナも
日の光を感じて目を開けた
一瞬、目が覚めたらレイが 消えてるんじゃないか
なんて想像をして
隣に変わらず座り続けている レイの気配を感じて安心して
気温が上がってきて
また眠気が増えるのと比例して 日が自分達を照らす面積が増えていく
万次郎とイザナが再び眠りにつこうと 目を閉じようとした時
視界の端で日とは違う光が現れた
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⚪︎
レイの足元の砂が 点々と色を変え始める
彼女は
泣いている
音も立てず
少しも動かず
ただゆっくりと
朝日を無表情で眺めながら
涙を流している
あまりにも自然に 感情の無い涙が流れている
だんだんと 2人の目が覚めていく
最初、まだ夢見てんのかと思った
レイが泣いてる
感情を亡くして泣き続けるレイを見て
正直
こわいと思ってしまった
今まで色々あって
真に心を通わせて
やっと、レイと同じ空が見えて
本当に嬉しかったんだ
、、、、でも
俺の"完全に分かり合えたレイ"は
レイにとっての 1割にも満たないのではないかと
レイの涙をみて思った
思ってしまった
誰が見ても 無感情で涙を流すレイは
涙を流すプログラムが入った 機械にしか見えないだろう
でも、たぶん
この光景は
レイが本気で悲しみを感じている ということなんだと思う
レイにとって悲しみは
心を無にして、空っぽにならないと
受け止めきれないほどの感情なんだ
でも不思議だ
こわいと思ったのに
こわいと思ったはずなのに
俺はこの時この瞬間
2度目の恋に堕ちた
そうか、
兄さんが言ったこと
思い出した
「俺は、その顔を見て」
「初めて恋に堕ちた」
姉さんはいつでも本気で泣くことは しなかった
ふざけて泣きまねしたり
飼育員に俺が叩かれて 泣いてたり
でも、いつだってその涙は
驚くほどつめたかった
でも、今の涙は
何かに失望するほどあたたかい
今、姉さんの感情は
その一滴一滴に 込められてるんだろうね
、、、、
ねぇ、姉さん
どうして、
俺を心配する時の涙は あんなにつめたいの?
わかってる
わかってたつもりだった
でも、やっぱりわかんないよ
姉さんのこと、何にもわかんない
でも、ひとつ言えるのは
いつの時の姉さんも
心の芯には兄さんが
"アンジュ"がいるってこと
兄さんごめん
俺、姉さんが好きだ
愛してる
だから、今は
姉さんをずっと縛り続ける 兄さんの方が
悪魔にみえるんだ
ごめん、姉さん兄さん
やっぱ俺
こんなことを考える俺には
家族なんていないほうが よかったんじゃないかなぁ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
テコテコ
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