翌る日の朝
瑠音
……
瑠音
ふわわ……
瑠音
…………此処は……
尾崎紅葉
お早う、瑠音。調子はどうじゃ?
瑠音
あ……………紅葉さん……
瑠音
(確か、わたしの適正を見るために色々やって……その後ひとまず紅葉さんのところで寝泊まりすることになったんだっけ……)
瑠音
おはよう………
尾崎紅葉
うむ、良い返事じゃ
尾崎紅葉
朝食の支度はさせておる。そなたは顔を洗って着替えてくるとよい
瑠音
分かった…………
尾崎紅葉
……それから、私は幹部なのじゃから敬語を使うように。せめて丁寧語くらい勉強しておかねば、後々苦労するぞ?
瑠音
……はい
紅葉宅、食卓にて
机の上には炊き立ての白米に豆腐の味噌汁、焼き鮭と青菜のお浸しが並んでいる
瑠音
……和食?
尾崎紅葉
おや、瑠音は和食は食べ慣れておらぬか?
瑠音
……いただきます
瑠音
(もぐもぐ)
瑠音
おさかな……おいしい…………です
尾崎紅葉
ふふ、それは良かった
尾崎紅葉
豆腐は好きかの?
瑠音
とうふ……この白い塊?
瑠音
……なんか変な食感
尾崎紅葉
おや……鏡花は豆腐好きだったのじゃが……
尾崎紅葉
今後は其方に出すのは控えるとしよう
瑠音
……あの
尾崎紅葉
どうした、瑠音?何か思い出したことでもあるのかえ?
瑠音
ううん、でも………あなたは、どうしてわたしにこんなに親切にしてくれるの……?
尾崎紅葉
……一つは鴎外殿に世話役を頼まれたのもあるが……
尾崎紅葉
矢張り、私には瑠音が他人とは思えぬ
瑠音
どういうこと……?
尾崎紅葉
聞けば、前の主人に虐げられてきたそうではないか
瑠音
(そうかな……そうかも……)
尾崎紅葉
それに、そなたの境遇は私や鏡花のようで……私も人の子じゃからのう、できれば幸せに生きて欲しいと願ってしまう
瑠音
だから……なの?
尾崎紅葉
いずれ瑠音にも分かるじゃろうて
瑠音
……ごちそうさま
瑠音
……わたしの……記憶の中のあの人は、わたしの幸せを願ってたのかな……
瑠音
いつか、全部思い出したら分かるかな……
尾崎紅葉
はて、私には知る由も無い
尾崎紅葉
辛い記憶を自ら封じたとしたら、其れを再生するのは些か酷い物でもあろう
尾崎紅葉
如何しても記憶を取り戻す事を望むなら、協力せぬ事もない。どの道、不死身の異能者を使役する存在が居たのは明らかなのじゃから……其奴の素性を知れるとあらばマフィアとしても是非とも情報を得たい処でのう
尾崎紅葉
マフィアには医者や研究者も居る。私以外にも、其方を知りたいと云う者は記憶を取り戻すのに協力してくれるじゃろう
瑠音
そうなんだ……
瑠音
わたし、あなたに助けてもらえて……よかった
同刻、ヨコハマ某所
???
……嗚呼、外が明るい
???
結局君とは一晩中遊んでしまったね
黒服
フーッ、フーッ……
???
おっと、猿轡を嵌めたままでは君に感想を聞く事もできない!
???
……ほら、外したよ。どうだい、君は恐らくこんな悦楽を味わったのは初めてだろう?
黒服
……貴様……このッ、異常性癖のイカれ野郎が!
黒服
一体……何処の組織で拷問担当やってるんだ?
???
嗚呼、まだ精力尽き果てて居ないなんて、ルネには劣るが素晴らしい逸材じゃないか!
???
私も歳だと思って居たけれど、まだまだ楽しめそうだね
黒服
……ひっ……
???
見えるかい、見えるかい、君のモノが私を割り裂いてくるのを!
???
ふふ、萎えているのが寧ろクるね……嗚呼、嗚呼!上も下も無く只純粋に己が欲を満たし合う!
???
其れこそが至上の喜び!愛の行き着く先!
???
ふ……ルネを失って、私も飢えていたのだろうね。真逆君のような存在に此処までの悦びを見出せたのは久々だよ
???
さぁ、もっと……愛し合おうじゃないか!
フェル美
久々の更新、今日はここまで
フェル美
そろそろ本格的に大人ロマンス書きたいなぁ