愛 と い う 名 の 呪 詛 を 吐 く

20分ほどして 任務地に着くと、

真希ちゃん達は 既に車をおりていた。

ニヤニヤしながら 私達を見るパンダくんを、

真希ちゃんが 回し蹴りする。

伊地知さんが帳を下ろすと、

敷地内にドーム状の "夜"が生まれる。

初めての任務、 初めての戦闘。

バクバクと激しく脈打つ 胸を摩ると、

狗巻くんが声をかけてくれた。

意味は分からないけど、

私には"大丈夫"と鼓舞して くれたように聞こえて、

感謝を込めて頷いた。

今回の任務地は廃病院。

帳が下りたそこは 夜同然に暗く、

イスやベッドは開院していた 頃の物がそのまま置かれていた。

建物の中に入ると、 早速待合室に呪霊が現れる。

緊張で体が強ばる私に 対して冷静な3人。

と、呪霊が私達に向かって 走ってきた。

真希ちゃんが 上へ高く跳躍する。

そして呪具を振りかざした。

そして走りよってきた呪霊を 一瞬にして斬り裂く。

呪霊が灰となって消えていく。

真希ちゃんの教えに 私は何度も頷いた。